ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

海老蔵のブログ

2013-04-14 | 歌舞伎・観劇・舞台など


森のタンポポ。春ですね♪


海老蔵がブログを始めたというので、のぞいてみました。

最近話題になっているので、見た方も多いと思います。(読みたい方は下のほうにリンクしてあります)

なにしろ、「三日間のトータルが13167914人」もの人が見に来たと本人も驚いていましたから。



(jesterは歌舞伎が好きですが、海老蔵のファンというわけではないので、ご本人についてよく知りません

そんな中で、新之助の時代から自分が実際に見た舞台と聞こえてくる噂から海老蔵のイメージを作ってました。

なので、以下はファンの方には面白くない記事かもしれませんので、どうぞ、どうぞ、そういう方はスルーしてくださいませ。)





さてと。

 海老蔵さんのファンのひとは、もういないかな?



ブログ開設の噂はネットで知ってましたが、「文を書く人」というイメージから最も遠いところにいた海老蔵がブログ???とおもって、読みに行っていませんでした。

(「めんどくせー」とか言いそうじゃないですか)

どうせスタッフが運営していて本人はほとんど書いてないんだろう、なんて思ってました。


ところがまたまたネットのニュースで、「海老蔵がゲイバーのママの占い師にはまっていて、ブログを始めたのもそのせい」などといううわさを聞きつけ

(どこで聞くの、そんな話を、自分)

ちょっと気になって読んできました。


そしたら、とっても以外だったのです。

これは本人が書いてるなと思いました。

・・・書く内容は誰かに指摘されて時々変えてる可能性も無きにしも非ずにしろ。

絵文字の多用や「でーす 笑」「なんだか、凄すぎて汗」「かっちった笑」などの文章に加え、書いてる内容が・・・

女子高生・・・?・・・

けっしてけなしてません。

・・・ほめてもいませんが。
jesterも心はいつも女子高生ですから・・・)


お茶の話題やら歌舞伎の話題、主演してる映画の話題があるのは仕事柄わかります。

それから競馬の話、ドラゴンボールの悟空のフィギュアが好きな話、いまダイエット中で体重計に乗ってる足の写真とか、そのダイエットお弁当が、ゆで卵ばっかりとか、数種類の野菜ばっかりとかそれで「緑さんありがとう」(って、作ってくれた人(奥さん?)に「ありがとう」じゃないの?とは思うけど)とかね。

淡路島の地震に「友人の猿之助さんと、愛之助さんが四国にいるから本当、心配」

そして「今日を大切に、生きてゆきます笑」なんてカキコも。


ふ~~ん、そっか。

若くして「成田屋」を背負わされ、美しくも強面の外面の内はその実、ある意味かよわき「女子高生」だったんだな~

そう考えると、團十郎が亡くなったときのコメントで自分を「やんちゃなボク」と呼んじゃう感性にも納得がいきます。

(勘三郎が亡くなった時の、勘九郎の断腸の思いと哀切を込めたコメントや七之助のちょっとななめでクールながら次男坊の愛を感じるコメントと比べてしまったので、なおのこと「こんな時に自分を『やんちゃ』っていうか??」とのけぞった「やんちゃなボク」でしたが・・・)

でも、そういう感性(&知性)なのに、「やんちゃな」まま、断ることもできず生まれながらにして大名跡を全身で背負い、自分の能力の限界まで頑張って精進している毎日なんだろうな~なんて・・・

だからあの時もあんなことしちゃったり、あの時もあんなことしちゃったり


スタッフが書いてるんだろうな~というブログを読まされるのだろうと思っていたのに、案外正直に自分で書いる感じで、いろんな意味で素直に自分をさらしてる内容に、ちょっと親近感を覚え、彼の人間理解が進んだかも、と思いました。


書いたものって、ほんとに「自分をどう見てほしいか」というのが文やテーマの中から透けて見えますよね。
(と書いている自分が怖いですが・・・)

ほんとに、読むとね、今までもっていた海老蔵の「良くない感じのイメージ」が、「ま、しかたないか」と許せてくるような気がする(これも年の功か)

そんなブログでした。

海老蔵さんのブログはこちらです。

表紙にドアップがあるので注意です(爆


付録で海老蔵=プーチン???の画像を貼っておきますね。勘三郎の亡くなった時のですから、ちょっと古いけど、悲しみの日々に、ちょっと笑ったので・・・・







海老蔵ファンのかた、ごめんなさいね



なお間違って(?)読んでしまったファンの方の怒りのコメントは一切受け付けておりません


勘三郎、逝く・・・

2012-12-05 | 歌舞伎・観劇・舞台など
朝から、あまりにショックなニュース。

あんなに元気で、あんなに鮮烈にパワフルに、汗まみれで舞台を走り回っていた人が・・・



食道ガンとは聞いていましたが、初期だという話で、彼なら絶対跳ね返すと思っていました。


最近になって、肺の症状が悪くなっていると聞いて、ちょっと心配はしていましたが…


まさか、まさか、こんな早くに。



本当に、本当に、残念でなりません。



中村勘太郎さんの記事

2010-01-22 | 歌舞伎・観劇・舞台など
先日「七之助さんがテレビに出てた!」とわめいたので、お兄ちゃんのほうも。

1月14日の日経新聞夕刊に記事が載っておりました。

『中村勘九郎は僕にとってヒーローだった』なんてね、泣けます。
あと少ししたら襲名ですね~

しかし勘太郎さん、どんどん格好良くなってきます。
お父さんに似てる!と思うシーンもあるし、母方のおじいちゃんの芝翫さんにも似てきたような気もします。

年末の歌舞伎座では芝翫さんを孫たちが囲んでの雪傾城の踊りもございまして、微笑ましかったです。

あとね、こないだ書きませんでしたが、夜の部の『引窓』の右之助さんのお母さん役に泣けました。



映画ブログJUNeK-CINEMAにNHKBSでやっていた「魔術師マーリン」の感想を書きました♪
こちらもよろしくお願い致します。

朝から七之助が!亀治郎が!獅童が!

2010-01-10 | 歌舞伎・観劇・舞台など
朝偶然つけたテレビで、中村七之助、市川亀治郎、中村獅童の対談をやっておりました。

日曜の7時から7時半までという、夜更かしの方には大変見辛い時間帯でございます。

これがとっても面白かったのです。

浅草歌舞伎も始まりの頃は客が入らず、喫茶店でフライヤーを片手に毎回ミーティングしてたそうです。

亀治郎 「あのころの情熱はどこにいったんだろうなあ。今は犬猿の中で、『あいつがでるならオレはでない』とかあるしなあ」

(あいつってあいつかなあ・・・?)

七之助 「うちの祖父はさ、
『こうして右足を出して・・・』とか教えてくれるわけ。
でも父親は、自分でやって見せて、『さあ、お前もやってみろ!』
できないと
『なんでできないんだ! どうしてできないんだ!』
であたまポカリ!ってくるんだ。」

爆笑でございました。
お父様の性格がよおくわかりまする。

その父君、勘三郎のでる「鼠小僧 野田版」が去年のjesterの歌舞伎納めでした。
(納めというほど通っているわけではありませんが・・・)

野田秀樹さんらしいコミカルで活気あふれる演出、しかも「きよしこの夜」なんかもかかるクリスマスにピッタリの内容でとっても楽しかったデス♪

でも屋根の上を飛び回るシーンでは
「落ちないでよ~~転ばないでよ~~怪我しないでよ~~」と思わず祈ってしまった。
だってなんかゆらゆらしてるんですよ、屋根が。

『さよなら歌舞伎座公演』もあと少し。
値段の高さに泣きながら、またいけるかしら?

(私が騒いでいるので、最近娘まで歌舞伎にはまってしまい、『勘太郎~~』とかいっております。
なのでチケットが2枚必要になり、さらに貧乏に・・・・)

新しい歌舞伎座は座席がもうちょっと座りやすいといいな~~


さて、そんなわたくしの歌舞伎のおっしょはんであり、一緒に鑑賞してくださって横で解説してくださって、なにからなにまでお世話になりっぱなし!大感謝!!のピコラさんデザインの「黒衣ちゃん」 が国立劇場にて販売開始になりました。

触ると柔らかくて、かなり癒し系らしいです。

『ストレスリリーサーという商品で、手でニギニギして柔らかい感触を楽しむことでストレスを軽減?するそうです』(ピコラさん談)

(製作過程からスケッチを見せていただいてましたが、jesterは実物にはまだ触ってません)

(しかし作者のピコラさんもとっても柔らかくて優しくてそばにいるとストレスが吹っ飛ぶような人柄なので、効き目は抜群と思われまする)

国立劇場に行かれることがあったら、ぜひ皆様もニギニギしてみてくださいませ。

コクーン歌舞伎 『三人吉三』 こいつは春から、縁起がいいわへ

2007-07-04 | 歌舞伎・観劇・舞台など
シアターコクーンで勘三郎の『三人吉三』を見てまいりました。

去年のコクーン歌舞伎、『東海道四谷怪談』(その時のレビューはこちら)と同じ、串田和美さんの演出です。

(レビューを書けるほど歌舞伎に精通しているわけではないのですが、印象深い舞台は記憶に残したくて、身の程もわきまえず書いてしまいます。稚拙な部分はどうぞお許しを。)

舞台の真ん中に本当に水を張った大川が配置され、場面転換で川が消えてしまうその不思議さ。

去年の「東海道四谷怪談」は水を使った南番ではなく、水色のいでたちの人間がたくさんうねって川を表す演出の北番だったので、jesterにとってはとても新鮮な舞台装置でした。


二幕目の「巣鴨吉祥院の場」がすごく照明を落としていて、良く役者さんの顔が見えない時があるほど。
どうしてこういう演出なんだろう?と思っていましたが、ここが暗かったので、大詰めの「本郷火の見櫓の場」の雪の白さが引き立ちました!
う~~ん、そういうことかな。


しかしあの「本郷火の見櫓の場」雪の量!!! 

ひらひらなんてもんじゃなくて、どさ~~~~!!っと舞台上に10センチ以上積もるほどに降り、座布団席(正式名;平場席)の前のほうの観客は頭が真っ白になってました。(うらやましい



もともと河竹黙阿弥・原作の『三人吉三』は江戸末期の暗い救いのないテーマの話なのですが、勘三郎の持ち味の「底知れぬパワー」がきらきらと光っているような舞台だと感じました。

しょっぱなから、口に含み物をして着ぐるみのような着物を着、「金貸し鷺の首の太郎右衛門」に扮した勘三郎が、ぺらぺらと英語でセリフを言い出し
「これで来月のニューヨーク公演も大丈夫だ~~」 に場内爆笑。
(7月16日よりの平成中村座inNY 『法界坊』のことですね)

とにかく漏れでるがすごいんですよね、勘三郎さん。
見せ場の首を抱えたシーン、鳥肌が立ちました。


以前のコクーン歌舞伎の『三人吉三』では勘太郎が「おとせ」、七之助が「十三郎」だったのが、今回は逆の配役です。

勘太郎の女形は大好きなんですが、七之助と並ぶとやっぱりお兄ちゃんのほうがあごの線が男っぽくて気になるので、「おとせ」は七之助のほうがあっていたと思います。

「十三郎」「おとせ」の血のつながった双子を本当に兄弟のふたりが演じるのも彼らならでは。

それにしても、勘太郎の「十三郎」切なくてよかった~~

お金を落として途方にくれて彷徨い歩くシーンでは、髪を乱し胸をはだけて座布団席(正式名;平場席)で座り込み、横にいた中年女性の観客が思わず「よしよし」と背中をなでていました!(うらやましい~~)


橋之助は相変わらず舞台栄えする立ち姿です。ほれぼれ♪


それとお嬢吉三の中村福助。
登場シーンで中間通路右から出てきて、jesterの席のまん前で止まったので、じっくり観察しましたが、女装の麗人の怪しげな雰囲気がもうたまりません♪


『淡路屋』の笹野高史さんも、今回、見得まで切ってくださって、すっかり歌舞伎役者です!

(記者会見でも、橋之助さんが「歌舞伎俳優で、時々他の舞台にも出ている笹野さん」とかふざけて紹介してました)

私の見た日(6月22日)はちょうど笹野さんの誕生日だったらしく、アンコールの嵐のあと、舞台から沸き起こった歌が観客席まで巻き込んで「ハッピバースデ~~♪」の大合唱になりました。
(おお、誕生日、ニアミス!)

ホウキを持ち出して、舞台に積もった雪をはいたり、最後のパフォーマンスが楽しかったデス。


音楽は・・・・最後に椎名林檎さんの歌声が流れてびっくりしました・・・
あれ、どうなんでしょうねえ?



去年は2階席左側からの鑑賞だったのですが、今年は1階席の椅子席の一番前の列、座布団席(正式名;平場席)の通路を隔ててすぐ後ろでした。

座布団席は、役者さんがお客を踏み分けて中にはいったりするあこがれの席ですが、なにせ狭い~~!
しかも靴を脱いで、じかに床に座るので、正座もできないjesterは多分足がしびれて劇に集中できないだろうと思われます。
(今回もお着物で座布団席の方がいて、感動♪ 聞くところによると、役者さんも着物姿のお客さんが嬉しいそうです~)

その座布団席の臨場感を味わえ、しかも足はらくらく、という極楽の席を今回友人が取ってくださったので(iguさん、感謝でございます!)目の前を勘三郎や福助や勘太郎がうろうろという幸せな環境での鑑賞でございました

最後、雪が飛んでこないかな~と思っていましたが、私の席までは来なかったので、こっそり通路を前に出て、舞台近くで雪を記念に拾ってまいりました♪
(またマゾムが増えた



ところでシアターコクーンがある文化村は、先日の「渋谷の温泉ガス爆発」の現場のすぐ近く。

帰りにみたら、電柱が倒れているのが見えました。

被害にあわれた方のご冥福をお祈りいたします。


市川海老蔵@ホットモーニング

2006-08-25 | 歌舞伎・観劇・舞台など
今朝の東京はものすごい土砂降りでした。
志賀高原へ学生オーケストラの合宿に出かける家族Bを駅まで送ったら、傘を差していたのにずぶぬれになってしまった・・・・

で、あわてて着替えて、大雨のニュースないかな?とテレビをつけたら、NHKの朝の番組で市川海老蔵がでておりました。

今度初めて映画に出るとか何とか・・・・
パリでの公演やら、幼い頃の映像やら、30分ぐらいかもっと、バーベルの上げ下げまで披露してました。

海老蔵についてはこないだ7月の歌舞伎座夜の部を見に行って、『天守物語』の図書之助に感動し、
「性格が悪かろうが、わがままだろうが、役者としてはおいしすぎる!!」とぶつぶついっていたのでした。

体重15キロぐらい、2週間あれば簡単に落とせるそうです。

う~~む・・・・。(1年で2キロ落とせれば大成功というダイエット道をとぼとぼ歩くわたくしからでたため息)
役者根性でしょうか。


しかし、この人、やっぱり素顔より舞台に立っているときのほうが数百万倍素敵です・・・
舞台ではすごいオーラのようなものが出てると思う・・・(当社比)

映画は・・・jesterは見ないだろうなあ・・・・



「天守物語 」(歌舞伎座夜の部)

2006-07-16 | 歌舞伎・観劇・舞台など
7月の歌舞伎座、夜の部に行ってきました。

演目は「山吹」、休憩を挟んで「天守物語」。
21世紀歌舞伎組による泉鏡花原作の4部作公演の夜の部です。

くううう・・・ 悔しいけど、海老蔵にやられた・・・・

演技力も申し分なし。
前から問題ありかと思っていた、父親譲りの高い声も気にならないし、明確な台詞まわしにうっとり。

若衆だった青年が、次第に人ならぬものに心惹かれ、ついには一緒に死のうとまで思いつめていく有様が見事すぎて、見とれてしまいました。

実生活がどんなにわがままなやつでもいい! この美しさ、この艶っぽさ、&演技力があったら、鬼に金棒(?)であります。


じ、実は、海老蔵は新之助のころから「お人形みたいに綺麗な顔・・・舞台栄えするよね~ 普段はわがままらしいけど・・・・」と思っておりました。(去年の5月の歌舞伎座ではこの記事なんかで失礼なこと言ってます)(許して~~)

中高と新之助と同じ学校だったひとに聞いた話では、「あれじゃあ、どんなに親が頑張っても、学校追い出されるよ・・・」という荒れた生活態度だったらしいという噂。結局、学校も最後までいかなかった彼。

結局売りは整った顔だけじゃないの?・・・と思いつつも、やっぱり舞台に出てくるとオーラが違う! 見得を切ったとき、目力がすごい~とは密かに思ってたんですよね。

でも今回の、「天守物語」の図書之助はすごかった。
すごく成長したなと感じました。

あの美しさは『魔』ですだ・・・


これ、歴史に残る舞台かも知れません。


玉三郎の富姫は、落ち着いて見られました。
実は○十年前、もっとも玉三郎が綺麗だった頃に「天守物語」を見ているのだけれど、その頃と比べると、やっぱり年を取りました。

とくに図書之助を見下ろす横顔の、頬の線、首の線は、オペラグラスで見ちゃうと、あ~~あ・・・と思っちゃいます。

でも演技は円熟味をまして、この世のものとは思えない不可思議さがまったく違和感なし。

そんな妖怪のお姫様の玉三郎と、信じられないほど美しい海老蔵のカップルですもの、見てて鳥肌が立ちます。

絢爛豪華な衣装の美しさ、生首が出てきたり、おばばが出てきたりの不気味さ、遠くで響く「とおりゃんせ」のわらべ歌・・・・・
腐った人間世界から来た清らかな美青年と魔界の百戦錬磨のお姫様の、盲目になってしまう淡くて切ない恋。

夏の夜の一瞬、別世界へといざなわれました。



・・・・しかし。
jesterが昔見たとき感動して、そのあと良く一人でつぶやいていた(病気)台詞、富姫が明かりをつけて図書之助の顔をしっかと見た瞬間の

「帰したくなくなった・・・・ もう帰すまいと、私は思う・・・」

で、なぜか場内から笑いが起こりました。
おかげで玉さんの台詞が良く聞こえん。

あそこって笑うところ? 
富姫が恋に落ちた大事な瞬間なのにさ・・・
しくしくしく。



「山吹」のほうは、これまた泉鏡花の世界ですが、登場人物がほとんど3人だけで、ゆったりとした台詞、場面展開もあまりなく、少々地味で難解と感じました。

人形遣いのおじいさんが「殴ってくれ~」といって、子爵夫人が「えい!えい!」なんてぶつところは、倒錯の世界。
静かな舞台に雨の音が効果的です。

歌舞伎としては今回が初めての上演らしいですが、三茶あたりの小さな地下の劇場で見たらいいかも、なんて思いましたです。

トーマの心臓

2006-06-01 | 歌舞伎・観劇・舞台など

「トーマの心臓」といえば懐かしい萩尾望都さんの元祖ギムナジウム漫画でありました。
少女jesterも胸をときめかして毎週楽しみに読んでいたものです。
が、これを舞台化したStudio Lifeさんの『トーマの心臓』が再演されます。

(詳しくはこちら



1996年に初演されたものとはキャストが違うようですが・・・・
今日、紀伊国屋ホールのところでこのチラシを見つけました。

萩尾望都さんのコメント入り。
「再び幸福な時間がよみがえるのを待っています」ですって。

どうなんでしょうねえ・・・・
実はjesterは見たことないのですが、日本人が日本語で演じる「トーマの心臓」、って・・・・
チラシを見る限り、かなりトウがたってる少年たちですけど、見てみたい様な、怖いような・・・・でございます。

シアターコクーン歌舞伎 四谷怪談

2006-04-11 | 歌舞伎・観劇・舞台など
勘三郎の「東海道四谷怪談」を見てまいりました。

1994年に第一回コクーン歌舞伎で上演された「南番」ではなく、「三角屋敷・小仏小平内」が入ってる「北番」のほうデス。

去年、歌舞伎座で野田秀樹さんが演出した「野田版・研辰の討たれ」を見たのですが、(その様子はこちら)これも新しい、串田和美さんの演出・美術です。
立ち見も出るほどの盛況ぶりでした。

勘三郎さんは「お岩になるのにこの体では」と7キロの減量をなさったとか。
かなり引き締まった体でありました。
相変わらず橋之助、七之助と、中村屋さん一家(義弟も含む)はしっくりと固まって相変わらずいい感じ。(勘太郎は今回別の劇に出てます。)
橋之助は相変わらずいい男だし、七之助は柳腰のお袖がぴったり。(でもちょっと痩せすぎか? 頬の骨が目立ちました)

劇場に入って、一階の座布団席(爆)(正式には平場席)上空にはでっかいちょうちんが。
このちょうちん、幕が上がると一回天井に収納されますが、最後のほうで又降りてきます。

この座布団席(だから平場席だってば!)、一人の占める場所はきちきち座布団1枚で、上から見てて、きつそう・・・と思ってましたが、終わった後そこに座っていた人たちは「もうだめ~~! 足が死ぬ~~」と泣いてました。

でもあんな長い間、お着物できっちり正座してみていた方もいらして、尊敬デス。
役者さんが縦横に走り回る座布団席、熱烈なファンならではの楽しみ方ですね。

お芝居は中村親子の熱演もよかったけど、扇雀さんがよかったなあ。
花がある役者さんデス。
ただし、佐藤与茂七役と小仏小平の二役が似ているので、「あれ?死んだはずなのに?」とか混乱しました。


歌舞伎って、見に行く人は芝居の筋をよく知っていて、役者さんがいろんな役をやるのを楽しむ、っていうのがごひいきさんたちの楽しみ方なんでしょうけれど、そんなにしょっちゅう行くわけでもないjesterは、四谷怪談は見たことがあるけれど、橋之助の民谷伊右衛門と小汐田又之丞も混乱してしまったことを白状します。(衣装が似てると見分けがつかない・・・・)


その点、勘三郎はお岩と直助権兵衛ですから、きっちり見分けがつきます(あたりまえ!)

しかし大忙しです!早替わりなんてもんじゃないの。

お岩と直助二人が舞台に立つシーンでは、ダブルの人が顔を見せずにお岩を演じ、直助役で舞台にいる勘三郎が「腹話術のようにお岩の台詞だけ口元を隠して言う」んですよ。
お岩さんの父親が死んだ悲しいシーンなのにこの仕掛けに気づいた観客は、爆笑やら拍手やらで大うけでした。

お岩は、毒とは知らず、お薬を大事に大事に一粒も逃さず丁寧に飲んで、お祈りするところがいじらしければいじらしいほど、狂って「ご挨拶に~いかなくちゃ~~」と鉄漿をして髪を梳かすところが総毛立つほど怖くて、でも悲しいほど美しくて、さすが勘三郎です!

ものすごく怖かったので、柱の小刀で首を切るところで「ひいいい!」と叫んでしまいました。(横の方、すみません・・・・)

ロック風の音楽、横に2階建ての団地(?)のようなものがある舞台装置、そして終盤のワイヤーアクション(?)と新しいもの、たくさん見せていただきました。
川のシーンは流れが青い衣装を着た人間の群れでできていて、かなり不気味でした。(観客席からはかなり笑いも・・・)


しかし、つくづくお岩さんはかわいそう・・・・
民谷伊右衛門、ひどすぎです!
あれじゃ化けて出るはずだよ・・・・・

島清、世に敗れたり

2005-10-27 | 歌舞伎・観劇・舞台など
わたしには信仰がない/わたしは昨日昇天した風船である。/誰れがわたしの行方を知っていよう/私は故郷をもたないのだ/私は太陽に接近する。/失われた人生への熱意――/失われた生への標的――/でも太陽に接近する私の赤い風船は/なんと明るいペシミストではないか。


紀伊国屋サザンシアターで「島清、世に敗れたり」の楽日を見てきました。
大正の頃、『地上』という小説がベストセラーになり、そのおかげで新潮社のビルがたったというぐらい売れた小説家だった島田清次郎が、25歳の時にスキャンダルで一気に転落・・。
精神病院に放り込まれ31歳で死んだという男の半生の舞台です。

主演は昔、夢の遊民社で元気な演技を楽しませてくれた上杉祥三さん、地人会の99回公演。

島田清次郎についてはまったく知りませんでした。
最初お友達に「この舞台がとてもいいよ」と教えてもらったときも、
「ああ、上杉さんか~~ しばらく見てないなあ。見たいかも。でもちょっと内容が難しそう? 私で分かるかしら?」と思ったのです。

でも・・・

           素晴らしい舞台でした!    


これって「はまり役」ってやつなんでしょうか? 天才と狂気の入り混じった若者、島田清次郎が、上杉祥三さんの切れのある演技にぴったり!!!
もう、何かが降りてきているって感じの舞台でした。

内容的に暗いストーリーなんですけれど、彼の持っている「陽」の気がじわじわと伝わってきて、ただ暗い、で終ってない所がすごいデス。

こういう狂気と天才が入り混じった舞台とか映画、っていうと、「アマデウス」とか「ゴッホ」、ピアニストの「シャイン」なんかがありますが、それに匹敵するものでした。特に「シャイン」との類似を感じていました。メガネのせいだけでなく、上杉さんってジェフリー・ラッシュにちょっと似てませんか? (あ、やっぱりメガネのせいかな)

島清さんも、「シャイン」の天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットさんのように、愛して、しつけて(?)支えてくれる人がいたら、もっともっと作品を書き続けて、後世に名前を残せたのかも?? (デヴィッド・ヘルフゴットさんはまだ生きてますが・・・・)

青春の憧れと野望とを胸に抱いた、才能ある、しかし孤独で世間知らずの青年が、人もうらやむ成功を手に入れ、傲慢になり、人から見放されて、次第に心を病んでいく・・・・

その光と影を見事に演じきっておられました。

そして、共演の倉野章子さん、有川博さん、鴨川てんしさん、占部房子さん、森尾舞さん、浅野雅博さん、どなたも熱演で、すごい迫力!

特に、倉野さんの母親役と、有川博さんの徳田秋声が素晴らしい!
占部房子さんもお綺麗なだけじゃなくて、実力のある女優さんですね~
浅野雅博さんは着物姿も背広姿もきりっとしていて、とてもかっこいい・・・。

役者さんのバランスが取れていて、見ごたえのある、生きる力をいただける舞台でした。楽日でしたが、関係者の方も多いようで、俳優さんもたくさん客席にいらしてました。でも満員というわけではなく、もっとたくさんの方に見てほしいな~~~。ぜひ再演してほしいデス。



 そして、はねたあとに、
 上杉さんの長年の友人&追っかけ(?)
 だというお友達(Iさん、ありがとう!)
 に楽屋に連れて行ってもらって、
 劇を終えたばかりの役者さんたちを
 間近に観察(爆)しただけでなく、
 上杉さんとお話して握手まで・・・・・

 (上杉さんの写真ですが、下手くそでごめんなさい!
  実物はもっともっとハンサムです~~)
                          その証明写真↓





その握手の暖かい感触が残る右のタナゴコロをそっと開け、jesterの柔らかい腹に当ててみるのであった・・・・。

        ←ね、手をハラにあててるでしょ?

(あの、劇中のラブレターにあった「握手の後の右のタナゴコロを乙女の硬い胸に押し当てて」とか言う台詞をもじってます・・・・)

最初に掲げた詩は島清さんのもの。入院中の作品だそうです。
こちらから引用させていただきました。




野田版・研辰の討たれ

2005-05-23 | 歌舞伎・観劇・舞台など
野田秀樹歌舞伎を演出するってどうなるんだろうと、初演の頃から興味深々だった「野田版・研辰の討たれ」を見ることができて、とっても嬉しかった。
友人によると、勘三郎は他の劇団の舞台を見に行って、観客が笑ったり大受けしたりしているのを見て、とってもうらやましくて、「俺もああいうのやりたい!しかも歌舞伎で!」と、ずっと思っていたのだそうです。

あれを歌舞伎と呼んでいいのだろうか? 歌舞伎の要素はあるのだろうか?
せりふも振りも従来のものとはまったく違い、舞台装置も演出も違う。同じなのは、歌舞伎俳優がやっている、ということと、題材が歌舞伎で使われていたものだった、ということだけ。
何しろ客席にまで勘三郎演じる研辰が逃げ込んで三階席から二階席まで走り回るのだからびっくり。

でも見ているうちに、意気込みを感じさせる勘三郎の迫力の演技に巻き込まれ、観客席全体が舞台に魅了されていくのが分かり、これでいいのだ、と思った。

最後の美しい紅葉のセット、笑うなかに「生きる」というテーマがさりげなく語られ、シーンと静かなラスト。感動しました。

そしてね、カーテンコールがあったの!拍手に答えてもう一度キャストが出てきて・・・。あんなの歌舞伎座では初めてでした。
歌舞伎も変わっていくのね・・・・。

5月の歌舞伎座

2005-05-22 | 歌舞伎・観劇・舞台など
先日、勘三郎襲名披露5月公演にいってきました。
演目は義経千本桜から演目は「狐忠信」、玉三郎の「鷺娘」、そして勘三郎は
野田秀樹の演出で話題の「野田版・研辰の討たれ」です。

「狐忠信」は義経が海老蔵。こういう動きのないものをやると、お雛様みたい。お人形みたいでつまりません。派手に動いて大見得きってくれるような役のほうがごまかしが効くし(殴)大きなおめ目が生かせるというもの。
それに引き換え、菊五郎は「ううう、年取ったなあ」と思わせる外観ながら、狐の役を熱演。子狐が可愛く見えるのはさすがの芸デス。汗でお化粧がはげてくるほどで、思わず「がんばれ!」と声援を送りたくなりました・・・・。

玉三郎の「鷺娘」は、真っ青の中から出でる白鷺が美しいの一言。
この人も全盛期よりは頬の辺がたるんできたけど、その分凄みが出て、妖気さえ漂うような迫力。狂ったように降る雪の中での乱舞はさすがでした。思わず舞台写真を2枚も買ってしまった。(@500円x2)

そして、勘三郎の「野田版・研辰の討たれ」。
この演目は初見なのですが、こういうものを襲名披露に持ってくるというのが、「新しい風を歌舞伎に入れよう!」という勘三郎の意気込みを感じました。
獅童、七之助、勘太郎、染五郎と、「それだけで映画が何本もできる」様な豪華キャストです。

そして勘三郎のアドリブせりふには面白いものが沢山。先日発表されたばかりの獅童の結婚に関してのせりふなんかには祝福の拍手が来るし、染五郎には「阿修羅城?」なんてふるし、勘太郎に「あんたはもっと身近な感じ・・・・。やさしいやつなんだよな。こないだの地震では震度3ぐらいの小さいのなのに、すぐに彼女に電話して『だいじょぶだった?』なんて聞いてるし」って言うのには爆笑でした。
飛んで跳ねて走り回って入り乱れて・・・の舞台に、昔ながらの歌舞伎ファンにはどう受け取られただろうと、客席の年上の方の表情を伺ってみましたが、みなさん満足なさってるご様子でした。

「野田版・研辰の討たれ」の内容についてはまたゆっくり書きたいと思いますけれど、とにかくこの3本が1つの歌舞伎料金で見られたのはすごくお得だった気がしました。

ブラスト!見てきました!!

2004-09-19 | 歌舞伎・観劇・舞台など
ミュージックパフォーマンスの「ブラスト!」を見てきました。日本追加公演の最終日でした。
しかし・・・すごかった・・・・・。
生きてる感動ってかんじ。 こういうのをみると人間ってすごいなあ、いいものだなあ、って素直に思えます。
これがライブで見られて本当に良かった!! 音楽好き、ダンス好きにはもうたまらないステージでした。
ここ10年ぐらいで見たライブステージのなかで、一番良かったかも。

ええと、知ってるかもしれないけれど、一応説明すると、アメリカ発祥で、金管楽器と打楽器中心のミュージックパフォーマンスなんだけど、曲はクラシックから、ジャズまで多彩。それに、アカペラコーラスとモダンダンスとタップダンスと鼓笛隊とバトントワリングと和太鼓とモダンバレエと新体操とイタリアのミラノの旗振りのお祭りを混ぜたような・・・・。音と色彩とリズムの洪水でした。

とにかくめちゃくちゃクールでかっこいい!!
 
音楽も出来てあんなに踊れるなんてすごい。踊りながらトランペットとかサックスとか吹いちゃうんだよ????

あ、そうだ、ヴァージンシネマ六本木で、映画が始まる前に、まっ白の画面に黒人が出てきて、ゴミ箱とかをパーカッションみたいに叩き始めて、それに白人がくわわって、床で背中でくるくる回ったりしながらだんだんに人が増えてそれが音楽になるスポットって見たことないですか? あれもそうなんです。画面はここ。ここから、ブラスト!とは?とかクリックるすると、少しだけどんなもんだか分ります。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/blast/

モダンなものって難解で苦手かなと思っていたけれど、これは分りやすくて、とにかくクール!!

DVDとかもでてるみたいだけど、これは生で見ないと、あの迫力が伝わらないと思うんだよね~~~~
来年も日本公演あるかなあ・・・。ぜひぜひ、チャンスがあったら見てみてください。