雪景色の中、たった一羽、ぽつんと翼を休めている鳥。
静ずまりかえった夜明けの森の中にさしこむ、オレンジ色の暖かく柔らかな暁の光。
高い山から景色を見下ろす場所に立つ、葉を落とした1本の樹。
雪を割って流れる小川、そのほとりに羽根を膨らませて休む鳥。
大自然の美しさ、平穏、孤独、神秘・・・静謐な世界です。
ジョージ・ラーブさんのエッチング展を見てきました。
ラーブさんは、トロント北東のミルブルックを拠点に、写真から起こしたエッチングを中心に創作活動を続けてらっしゃいます。
(フォト・エッチングという技法の作品を初めてこれほどの量を見ましたが、とても美しいものですね。)
自然保護の重要性の意識を高めたいという意図もあり、カナダの自然を題材にした作品が多いようです。
ほとんどがモノトーンの作品ながら、ところどころに淡い色が使われ、印象的です。
エッチング特有の細かい粒子と繊細な線がかもし出す、独特の、静まり返った美しい地球の姿。
見ていてこちらの心まで静かに癒されていくのを感じました。
日本の屏風のような大きな作品もあり、なかなか見ごたえがあります。
今回、長く夏の間、開催されています。いつもながら無料なのも嬉しいです。
暑い夏休みに、静かな(&涼しい)高円宮記念ギャラリーで過ごされるのはいかがでしょうか。
日時: 2008年5月26日(月)~ 8月29日(金)
平日:午前9時から午後5時半
水曜日:午前9時から午後8時
土、日、7月14日、8月15日は休館
場所: カナダ大使館高円宮記念ギャラリー
(東京都港区赤坂7-3-38
地下鉄「青山1丁目」駅より徒歩5分)
入場: 無料
今回は65点と、展示作品数も多いです。
詳しくはカナダ大使館のサイトをご覧ください。
(本文に含まれる画像はjesterが許可をいただいて撮影したもので、その版権はジョージ・ラーブ氏、カナダ大使館に属します。無断で転載なさらないでください。)