ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

和歌を愛でる @根津美術館

2014-01-19 | スケッチ・美術展
毎月のように通っている根津美術館ですが、新しい年を迎え、今やっているのは

「和歌を愛でる」コレクション展です。




昨日(土曜日)の午後に出かけたのですが、この美術館にしては結構混んでいました。

「和歌」がテーマなので書道に関心のある方が多かったのではないかなと思うのですが、みなさんじっくりご覧になっていました。
ため息をつきつつ「素晴らしい!」と感嘆なさっている方も。

私が面白かったのは



「扇面歌意画巻」という巻物。

16世紀、江戸時代に書かれたもので、百首の和歌と、その和歌の内容を絵にして扇に描いた形がずら~~っと並べて描いてあります。

扇は手のひらほどの大きさで、そこに実に細かくさまざまな情景が描いてあります。

和歌の文字はわたしには判読できない部分がありますが、それを補うように絵があり、一つ一つ面白く、この巻物の前で何時間も過ごしてしまいました。

茶器もいくつか飾られていて、その中の一つ、



桃山時代(16〜17世紀)のなんとも美しい鼠志野茶碗、銘は『山の端』。

このお茶わんの箱の蓋には

「五月雨は晴れんとやする山端に かゝれる雲のうす(薄)くなりゆく」

という和歌が書かれています。

五月雨が上がっていく山にかかっている雲が、だんだん薄くなって青空が見えそうになっている、静かな情景が浮かびます。

お茶わんの中にも何本か淡い白い線が入っていて、それも実に美しいのです。

いつかこんなお茶わんでお茶をいただいてみたいものです。



また、絵の中に字が隠されている「花白河蒔絵硯箱」。
文字さがしが楽しいです。
「花」「白」「河」という文字が隠れています。


同時開催の「小袖の彩り」では江戸時代の絞り染めや友禅染のお着物が展覧できますが、その中の一つに「三毛猫」の柄が!

こんなのあるんですねえ~
猫好きな私は一人ひそかに大喜びしておりました。

(以上の画像は根津美術館のサイトからお借りしてきました)




ミュージアムショップでは室町時代の、蝶々を狙ってる猫の「牡丹猫図」のガラの絵葉書とファイルを買いました。

こういうところでは必ず買い物をします。

素敵な場所に対する評価を自分なりに表したいので、経済的に少しでも活発にするために、友人へのプレゼントなども買います。



まわりをビルに囲まれた都心とは思えない緑深い庭園の美しさ。



風情のある石段と



可愛らしい石仏様を拝みながら庭を巡り、疲れたら



お決まりの、静かなカフェでの癒しのひと時。


カフェにいる方もおしゃれな方が多く、なぜかいつ来てもフランス人がいる。

海外からのお客さんが多いこの美術館ですが、偶然とは思いますが、毎回フランス語が聞こえてきます。

素晴らしい美術館がたくさんあるお国がら、フランスの人ってやっぱり『美』に敏感なんだろうか?


今年一番の根津美術館に、ゆったりと満足させていただいたひと時でした。








中村勘三郎 最期の131日

2014-01-17 | 読書
あの人のことだから、絶対ガンも克服して戻ってくる。

そう漠然と信じていたのに・・・

勘三郎さんが亡くなった時のショックはそれは大きかったです。

その前から難聴などで舞台を休んでらしたけど、その時も「すぐ治るだろう」と思っていました。

パワフルな舞台を見る限り、弱った肉体などは全く想像できなかったから・・・・

なので本屋でこの表紙を見て、え、もう?と思いつつ、つい手に取ってしまいました。

中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて

買ってみたものの本心は、「まだ早いでしょう?」という気持ちが大きかったです。

遺族としても、本を書くほど心が癒えていないのでは。
(読む方だってこれほどつらいのに・・・)

もうけ主義の出版社には早い方がいいと、「心を癒すために書かれてはいかがですか」と説得されたのかもしれないとも思いました。

もしかしたら本人が書いたのではなく、ゴーストライターが書いたのかも、なんてひねくれて思ったりもしました。


しかし・・・読み始めたら引き込まれてしまいました。
(著者が直接書いたかどうかは置いておいて、家族でなくては知りえない事実が書かれていました・・・)


前半部分は保養のため旅行に行っても耳鳴りがひどく、途中で帰るほど体調が悪かったこと、「うつ」と診断されて強い薬を飲まなければ眠れない状況だったことなどが書かれていて、それほどだったのかとびっくり。

病院から出された薬を、妻が勝手に判断して、本人にも内緒で別の薬(ヴィタミン剤など)に変えて与えていたと得意げに語られる辺では、薬漬けの医療に問題があるとしても、ちょっと眉を顰めながら読みました。

亡くなった後、遺骸を焼くのが嫌で、北の国の指導者のように永久保存する方法を探った、というのにも、自ら遺体から血を採り、手が欲しいと手の型をとり、デスマスクうんぬんのへんも、う~~ん、という感じでした。

そのほか、生前の太地喜和子さんとのこと、大竹しのぶさんとのこと、『ガールフレンド』たちのこと

(「キャバクラに行くから」と言っていた彼が女性と二人で食事していたことやら、松本での歌舞伎の時「来てくれるの?うれしい。鍵どうする?」というGF宛のメールが間違って妻に届いたこと、etc・・・)

など『暴露本』的なことも書いてあって、ああ、亡くなって一年でこんなことまで書いてしまうんだ、と買ったことをちょっと後悔しながら読み進めました。
(たとえ本の売り上げが落ちても、この辺は書いて欲しくなかった・・・。)

ほかに女性がいても私が看取った妻なのよ、といいたかったのかな。


しかし後半部分、2012年6月のガン宣告から入院、手術、誤嚥による肺炎から急性呼吸性窮迫症候群の発症と容赦なく進む過酷な闘病生活の部分は引き込まれて読みました。

日常の会話、弱くなっていく病人のつぶやきなども綿密に書いてあり読んでるうちにつらくなり、何回も本を閉じました。

でも必死で生きようとしていた勘三郎さんの姿に、また本を開き読み進めました。


読み終わって、本当に勘三郎さんは生きて、舞台を踏みたかったんだろうなあ・・・と涙が止まりませんでした。


・・・食道ガンを「手術」しなかったら、彼はまだ生きていたかもしれない。

手術の前に抗がん剤を打った時、ガンがかなり小さくなっていて
「切らなくていいんじゃないか」と別の医者に言われたと書いてありました。


今更いっても仕方ないことだし、彼が自分で選択して選んだ手術だったのですが、私は以前読んでここでも感想を書いた近藤誠氏の

「早期発見はラッキーではない」という言葉が浮かんできました。

医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法
医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法


を本棚から手に取っていました。

(この本の記事はこちら)

『ガンには転移するものと転移しないものがあり、転移しないものはほっておいても大丈夫だが、現在の医学では見分けがつかない。本物のガンはどんなに早期に発見しても、すでに転移している。手術や抗がん剤で治るのは『がんもどき』であり、もともと手術しなくても治るものだ』

近藤氏のこの本、私はけなしているのですが(爆)

・・・本当のところはどうなんだろう?


勘三郎さんは当初は肩に転移があったものの、手術後はガンの転移は発見されず、誤嚥による肺炎から、急性呼吸性窮迫症候群を起こし、転院し、脳出血を起こしてしまったわけです。

そも手術したほうが良かったのか?
手術自体は成功で、そのあとがたまたま不運だったのか?
抗がん剤が効いた時点で手術をやめるべきだったのか?
危ないほど血圧が下がってしまう鎮痛剤(マイケル・ジャクソンも打っていた)を打つなどの医療行為は適切だったのか?

テレビなどで入院の直前に元気にゴルフをしていた姿などを見るにつけ、疑問がわきます。

日本でも最高といわれる医者に
「一緒に戦って、勝ちに行きましょう!」
といわれれば、必ず
「よっしゃ!!」と受けて立っただろう勘三郎さんと思われます。


診療にあたった医師たちはもちろん精いっぱいやっただろうし、それについて、本書に恨み言は書いてありませんが、失われたものが大きいだけに、疑問がたくさん浮かんでしまうのです。



しかし、波野好江さんはいろいろな意味で強い人だと思います。
闘病を一緒に戦い、その後の中村屋をしょって立つ息子たちをバックアップし、その上このような本を今の時期に書くとは・・・

死ぬ前に勘三郎さんが彼女を押しのけながら「病室に入るな、顔を見せるな」といい、息子には会っていたのに、妻を一週間拒絶していたこと。

彼女は「看護婦さんは『奥様には元気な姿を見せたいからじゃないか』といっていた」と書いていますが、どうなんでしょうか。


もやもやといろいろ考えつつ、本を読み返してみるのでした。






朝ごはんにパンケーキ @Bills(ビルズ) 表参道店 並ばずにはいるには

2014-01-16 | グルメ
ちょいと東京の話題も。

Billsは、もとはシドニーに Bill Granger さんという人がつくったお店ですが、NYタイムズかなんかで「世界一の卵料理」にされたスクランブルエッグが有名。
NYのお店にはトムクルだのデカプリオだのが良くお出ましになるとか。


わたくしは最初鎌倉の七里ヶ浜にお店ができたころに、お昼前に入ろうとして入り口で名前を書こうとしたら

「本日は終日いっぱいでございます」と言われました。


なのでしばらくして(一年前ぐらいかな)横浜の赤レンガ店で再トライした時は開店早々にいって30分ぐらいならんだかな。


今回は表参道店に行ってきました。



このお店、朝の8時半から空いているのです♪

平日の9時過ぎに行ったのですが、まだ空き席がありました♪
少し混雑が緩和されてきた模様。



明るい店内。ワインや飲み物、グラスが美しく整頓されて入っている棚。


帰り(11時ごろかな)にはもう待っている人の列ができていたので、「早めにいく!」が並ばずに入れるコツです。

東急プラザビルはまだ空いてないですが、明治通りぞいの直通エレベーターで入れます。



ライブラリーみたいな一角もあり、落ち着きます。
本の並べ方がおしゃれです。

しかし地震があった時、このへんの席はちょっと怖いかも。




リコッタチーズのパンケーキ w/フレッシュバナナ&ハニーコームバター(1400円)
はしっとりとしつつも軽い感じで、食べやすいです。

ま、なんということもないパンケーキでございますが、私は結構好き・・・・



それとフルオージーブレクファスト(1800円)をとって友人とシェアしました。
マッシュルームの炒めたのが美味しかった。



今回は面白いものを飲んでみようと「青汁」みたいなものを頼んでみました。

・・・・・青汁でした・・・・

青臭くて酸っぱくてほの甘いような・・・

ちょっと離れたところに座った女性が同じものをオーダーしていたので、飲む瞬間をじっと観察していましたが、「ぎぇ~~~」というお顔をなさってました。


気分良く晴れた朝、ふと思いついて、気の置けない友人を誘ってふらっとこんなところで朝ごはんを食べるのも楽しいです♪

ただし、この周辺のお店はほとんどが11時ごろに開くので、あまり早く開店早々に行くと、食べ終わって店を出ても行く場所がありません。


あ!明治神宮に参拝するという手がありますわ♪

今の時期の明治神宮も大好きです~~







大王松ってネコには痛いかも

2014-01-12 | にゃんこ


うう、にゃんだろうこの巨大なものは。

にゃんかいい匂いするけど、そばに行くと背中にちくちく刺さるし。




にゃんだか気になって、ちょっとかじってみたにゃ。

結構いけるにゃ。




年末に、アトリエでいただいた大王松

「デッサンしてくださいね」

といわれましたが・・・・、これをデッサンするのは大変でした・・・

結局お正月のお飾りになり、その上ロッタの遊び道具になってしまいました。

正月終わりぬ。とっくにだけど。  @東京ゲートブリッジ

2014-01-10 | a day of my life
船窓から海を眺めつつ あけましておめでとうございます

といってみる。

もう1月10日だけど。すみませぬ。



海はあれぎみだけど。

というと海で船旅中みたいですが・・・・



これは元旦にドライブした東京ゲートブリッジから撮った画像です。

船窓ではなく、ブリッジに上がったところのエレベーターホールから撮った写真。すみませぬ。


お正月は都内がガラガラでトラックも営業車も走ってないので、ドライブには絶好です。

最近まったく運転しないわたくしですが、ひさしぶりにハンドル握ってドライブしました。

ゲートブリッジの上は広い歩道があり、歩けるのです。
NYのブルックリンブリッジやシドニーのハーバーブリッジみたいね。

多分地震の時とかに帰宅困難民が歩いて渡れるように考えたのかなあ…

歩いてみましたらはるか下に海を見下ろしつつ散歩できて、風が強かったけど、清々しかったです。



帰りには埋立地に車を止めて・・・


・・・羽田に着陸する飛行機のおなかの観察

家族Aの趣味です。

「寒い中じっとしているなら、釣りなんかより飛行機見るほうが面白い」

最近友達に釣りに誘ってもらって夜釣りにいったAの発言でした。

私はどちらかというと・・・釣りのほうがいいかも

まあすぐに冷えたので私はさっさと車に引っ込んでミカンを食べつつ読書をしておりましたが・・・








というわけで七草粥も食べて(3日前だけど)お正月もやっとやっと終わりました・・・・


皆様、あけましておめでとうございます♪

昨年中はご訪問ありがとうございました。

(12月は師走ということで、師じゃないながらも走り回っておりました・・・・今見たら一回もブログをアップしてなくてびっくりしています←まるで他人事のように・・・


今年もマイペースで細々とアップしていきますが、どうぞよろしくお願いいたします。