日本裁判官ネットワークブログ
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1 先日,日本裁判官ネットワークの10周年記念講演会とシンポジウムが東京の渋谷で行われ,100人近い参加者があった。マスコミ取材もあり,関東ではテレビ放映もされたということである。第1部としてテレビキャスターの鳥越俊太郎さんの「冤罪と裁判官」という講演があり,「自分が担当し有罪と判断した刑事事件が冤罪として確定した場合に,なぜ裁判官は謝らないのか」という,怒りに満ちた迫力ある講演があり,それに対するサポーターである元裁判官の適切な質問と,鳥越さんの裁判官の良心のあり方に関する回答など,感銘を受けた。その内容はA4紙20ページに及ぶテープ反訳が完了したので,近くネットワークのHPなどに何らかの形で掲載されることになるだろう。

2 また第2部として「日本裁判官ネットワークのこれまでの10年とこれからの10年」というシンポジウムが行われ,第二次司法改革の必要性などが提言された。

3 ところで第2部の冒頭に会場で放映するために,裁判官ネットワークのこれまでの10年を,ビデオに15分程度に編集する作業を私が担当した。全部で13巻のビデオテープが私の元に集められて,それを編集したのである。重複しているものも多かったが,これまでの10年間には,ネットの設立総会を始めとして,ネットのメンバーは結構多数回,NHKほか全国的なテレビ放送に登場していたことが再確認され,改めて驚いたり,新たな感慨を抱くことになった。編集したのは結局7回のテレビの放映(その中に模擬裁判に関するものが1回あった)と,その他にテレビ放映はされなかったが,ネットによるおそらくわが国の最初の裁判員模擬裁判が含まれており,年代順にその冒頭部分の2分ないし3分を編集したのであるが,結局全部で38分になっていた。

4 ところで,私の事務所には1年程前に購入した最新式(?)のテレビセットがあるが,未だに充分使いこなせない代物である。これを使用してのビデオの編集は結果的には上手くいったのであるが,一時肝を冷やした。説明書も出来が悪く,使用方法がよく分からず,結局上京前夜一睡もできなかったのである。

5 当日の放映は,DVDだと確実に放映出来るか不安があるということで,VHSビデオテープを使用することになっていた。そこで編集の際,一旦VHSからDVDに編集し,更にDVDからVHSにダビングし直したのである。例えばニュースの場合,冒頭部分と当該ニュース本体部分の2駒になり,全体では30数駒に分断した。ところが,1枚のDVDでは18駒分しかダビングできないことが後で判明したため,約半分の作業をやり直したのである。作業の約半分が無駄と分かった瞬間に徹夜を覚悟した。というよりも,一体編集が間に合うのかと肝を冷やしたのである。説明書には何の説明もなく,途中ダビングできていないという表示も出なかった。結局作業が完了したのは,乗車予定であった朝1番の新幹線が既に発車した後のことであった。

6 編集を終えたVHSテープが上手く編集できているかどうかを確認する時間もないままに,天に祈る思いで,講演会の2時間半前に設定されていた集合時間に1時間遅れて到着した。新幹線に乗り込んで,買った弁当とビールで朝食を済ませ,すぐに熟睡してしまい,気がついた時は既に新横浜を過ぎていたので,3時間余りは寝込んでいたことになる。あわて気味に品川駅で山手線に乗り換えた。

7 編集したビデオは,放映時私が簡単に解説したが,会場で試写してはじめて上手く編集できていることが確認できてホっとした。会場では参加者は熱心に見てくれた。阪神ファンであるネット裁判官の夫婦の話の場面では,会場は大爆笑に包まれた。編集したビデオが好評であり,ダビング希望者が多く,今事務所で量産中で嬉しい悲鳴を上げているが,メンバー裁判官の1人が,「徹夜した甲斐があってよかったですね。」と喜んでくれた。

8 当日の企画は大成功だったと思う。ビデオもよかった。会場での懇親会では久しぶりに会った友人も多く,大学時代の友人も来てくれており,旧交を温めた。夜は宿の狭い1室に宿泊者が大勢集まって,ギューギュー詰めの楽しい2次会を行なったが,私は途中から部屋の隅に座り込んで,深い眠りに落ちていたようである。(ムサシ)



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