日本裁判官ネットワークブログ

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はじめての裁判員裁判

2009年12月15日 | 
先日,はじめての裁判員裁判を弁護人として体験しました。

まず,弁護人の複数選任の手続をとり,またパワーポイントを使える若手弁護士を補助者として裁判所に申請して認められました。彼は法廷で発言こそしないものの,準備会議や接見に参加してもらい,立派なプレゼンソフトを作ってもらい操作もしてもらったので大変助かりました。

次に,被告人の法廷での解錠手順や弁護人の隣への着席申請などをしましたが特に問題はありませんでした。


公判前整理手続ももちろん初めてで,いろいろまごつきました。類型証拠開示請求をして主張書面を作成するまでは順調でしたが,検察官から弁護人請求証人について供述すると思料される内容を記載した書面(刑訴法316条18第2号)が出ていません,と電話があったときは,思わず「そうだたっけ」と叫んでしまいました。

公判前整理手続きは被告人も出頭し,法廷で行われましたが,やはり非公開で証拠の採否まで決めてしまうのはどうかと言う気がしました。

事件は量刑を争う事件でしたが,事前に弁護団が何回も接見を重ね,さらに弁護団会議,といっても3人ですが,十分議論したため,審理自体は冒頭陳述から証拠調べ,弁論まで,充実した内容だったと自負していました。

しかし,検察官が論告で予想外の論陣を張ったため,あわてて口頭で反論し,弁論を書き直して提出するという事態もありました。

結果は,求刑8年に対し,執行猶予相当の弁論をしましたが,懲役3年・5年間執行猶予の判決でした。(未確定)

裁判員裁判では,求刑にとらわれず,裁判官と裁判員が納得できる判決するという
強いパワーを感じた裁判でした。

                    初めての体験に緊張した「花」