日本裁判官ネットワークブログ
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 福山の事件の審理について報道がされています。刑事裁判を担当していると,事件として来る可能性の高い類型の事件ではないでしょうか。私も担当したことがあります。悩む親御さんが多いのはよくわかります。孤立しないようにと言うのは簡単なのですが・・・。日本自閉症協会の支部や都道府県や政令指定都市にある発達障害者支援センターに相談することができるようです。以下,共同通信からです。

 広島県福山市で昨年、自閉症の長男(5)と二男(3)を殺したとして殺人罪に問われた無職泉ひろみ被告(35)は25日の広島地裁(奥田哲也裁判長)の公判で被告人質問に答え、「世間では障害者は不幸という見方が強く、生きていても幸せになれないなら一緒に死んだ方がいい」と殺害を決意した心境を話した。

 泉被告によると、二男は知的障害もあり、パニックになると手に負えなかったといい「わたしの養育方法が間違っていたのか」と悩んでいたと説明。一方で「かわいいという気持ちはなくなっていなかった」と言葉を詰まらせた。

 また「夫に助けを求めたが、『おまえの育て方が悪い』と言われた」「自閉症は障害なので薬をのませるものではないのに、母親に『のませろ』と言われ無理解だと思った」と孤立感を深めていった状況を話した。

 奥田裁判長は、弁護側が求めた精神鑑定の実施を決めた。


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 少年事件に詣の深い方のコメントをお願いします。以下,共同通信からです。

少年調書引用本を閲覧中止 京都や山形の図書館

 奈良県田原本町の医師宅放火殺人事件で中等少年院送致となった長男(17)らの供述調書を引用した単行本について、京都府や山形県などの一部の図書館が閲覧中止などの措置を取ったことが16日、分かった。

 単行本は、フリージャーナリスト草薙厚子さんが5月に出版した「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)で、供述調書や精神鑑定書の内容が記述されている。

 奈良地検が14日に長男を鑑定した精神科医が草薙さんに調書の写しを渡したとして秘密漏示容疑で精神科医や草薙さんの自宅などを捜索した。

 京都府亀岡市立図書館は、7月に東京法務局が「プライバシーを侵害し少年法の趣旨に反する」として、講談社と草薙さんに増刷中止を求める勧告をしたため、閲覧と貸し出しをしていない。

 山形県河北町立中央図書館も6月から書棚に並べず、貸し出しをやめており、同館の理事(59)は「取材の違法性が取り上げられており、理事などが話し合った結果、当面貸し出しなどを控えている」と話している。



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