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聞き慣れない罪名かもしれませんが,この罪名で元警察官が起訴されました。特別公務員暴行陵虐罪は,刑法195条に,「裁判,検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が,その職務を行うに当たり,被告人,被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐行為をしたときは,7年以下の懲役又は禁固に処する」と規定されています。暴行が典型でしょうが,今回は,「踏み字」で自白を迫ったことなどが特殊性でしょうか。以下西日本新聞からです。


鹿児島「踏み字」捜査 元警部補在宅起訴へ 特別公務員 暴行陵虐罪 高検も違法性認定

 被告12人全員の無罪が確定した2003年の鹿児島県議選公選法違反事件で、福岡高検は19日、任意捜査中に親族の名を書いた紙を踏ませる「踏み字」で自白を迫るなど違法な捜査をしたとして、同県警の元男性警部補(45)=退職=を特別公務員暴行陵虐罪で在宅起訴する。

 踏み字を強要された同県志布志市のホテル経営川畑幸夫さん(61)が訴えた国家賠償請求訴訟で鹿児島地裁は今年1月、違法捜査と認定(一審で確定)。川畑さんが元警部補を特別公務員暴行陵虐容疑で鹿児島地検に告訴し、福岡高検が川畑さんや元警部補から事情を聴くなど捜査していた。

 鹿児島地裁判決によると、元警部補は03年4月、自供を得る目的で川畑さんの父や孫の名前のほか、「早く正直なじいちゃんになって」などと書いた紙3枚を床に置き、川畑さんの足首をつかんで少なくとも3回踏ませた。

 川畑さんは19日、「元警部補を逮捕してほしかったが、高検も重く受け止めて捜査してくれたのだと思っている。どうして冤罪(えんざい)が起きたのか、さらに明らかになるよう期待したい」と話した。



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