先住民族関連ニュース

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没後30年、山本多助さんの功績紹介 釧路文学館で「アイヌと文学」企画展

2023-07-30 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年7月29日 21:36(7月29日 22:57更新)

山本多助さんの胸像がある企画展会場でトンコリなどを演奏する阿寒口琴の会(国政崇撮影)
 釧路地方のアイヌ文化伝承者である故山本多助さんの功績やアイヌ文学を紹介する企画展「アイヌと文学」が29日、釧路文学館(釧路市北大通10、市中央図書館内)で始まった。
 釧路市生まれの山本さんは、1946年の社団法人北海道アイヌ協会(現在は公益社団法人)設立など、アイヌ文化の保護と振興に生涯をささげた。93年に88歳で亡くなるまでに、古老から聞き取ったアイヌ伝承などを多数の著書に残した。
 ・・・・・・
 10月22日までで、期間中にアイヌ文様の切り絵作成や朗読会なども開く。祝日を除く月曜と毎月最終金曜日は休館。午前9時半~午後7時半。無料。(古市優伍)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/885573/

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無意識の差別や偏見 ウポポイ職員悩ます 「アイヌも進歩」「もういない」… 専門家「組織が対応を」

2023-07-30 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年7月29日 19:36(7月29日 21:22更新

開業3周年を迎えたウポポイ。無意識の差別や偏見による来場者らの何げない言動が職員を戸惑わせている
 【白老】マイクロアグレッション(小さな攻撃や、けなし)と呼ばれる無意識の差別や偏見に基づく何げない言動が、今月開業3周年を迎えたアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)で働く職員を悩ませている。中にはアイヌ民族の存在を否定するような発言もあり、専門家は「発言した側に悪意がなくても、アイヌ民族にとって深刻な精神的ダメージにつながる」と対策を訴えている。
 「床暖房が入っている。アイヌも進歩してるんだね」。2021年冬、チセ(家)の中で来場者を案内している時、若い男性が発した言葉に、体験教育課の杉本リウさん(27)は違和感を覚えた。「アイヌは粗末な家で昔ながらの生活をしているという偏見に基づいたような発言で、言葉が出なかった」と振り返る。
 杉本さんは和歌山県生まれ。父方の祖母がアイヌ民族にルーツがあるかもしれないと聞き、大学卒業後の19年にウポポイを運営するアイヌ民族文化財団に就職。現在はウポポ(座り歌)体験など文化解説を担う。チセで耳にしたような発言に「とっさに反応できないこともあり、後からもやもやしてしまう」と話す。
 国立アイヌ民族博物館の学芸員でアイヌ民族の北嶋イサイカさん(50)は、来館者に「もうアイヌ民族はいないんでしょ」と言われ、自身がアイヌ民族だと伝えると「アイヌに見えない」と言われた。
 北嶋さんは「自分の存在を否定されるのはつらい」とした上で「全員ではないが、同じようなことを聞いてくる人は多い」と明かす。
 また「アイヌ民族の身体的な特徴は何か」と聞かれることもある。「毛深いと言われている」と答えるときもあるが、北嶋さんは「そもそも誰でも、背が低いとか太っているとか身体的な特徴を聞かれるのは嫌なはずだ」と話す。
 ・・・・・
(斎藤雅史)
☆北原モコットゥナシ教授のシは小さい字
<ことば>マイクロアグレッション 日常のちょっとした言葉や行動に現れる、人種や性別、性的指向など特定の集団を軽視したり、侮辱したりするような否定的表現。意図的かどうかは問わない。加害者は偏見や先入観に基づく言動が相手をおとしめたと気づいていないことが多く、被害者を沈黙させる影響などがあるとされる。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/885516/

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切り絵や刺しゅう、木彫り体験3年ぶり再開 アイヌ文化交流会

2023-07-30 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2023/07/29 16:40
 国連の「世界の先住民の国際デー」(8月9日)にちなんだ毎年恒例の「アイヌ文化交流会」(帯広市アイヌ生活文化展実行委員会主催)が29日、帯広市内のとかちプラザで開かれた。新型コロナウイルスの感染拡...
●この記事は会員限定です。勝毎電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=2023729163026

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超絶技巧で食っていく! 木彫作家の原点は「おと高」とビッキの魂

2023-07-30 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/7/29 08:00(最終更新 7/29 08:37) 1800文字
 「今は作家一本で食えていますが、スリル満点です」。大阪で開催中の展覧会「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」に最年少で出品した木彫作家、福田亨(とおる)さん(28)。北海道北部の過疎の村で腕を磨いてきた。「安定」に背を向け、大好きな世界で勝負する福田さんの歩み、そして思いとは?
 超絶技巧展は木彫や漆工、陶磁、金工などの現代作家17人による作品を、ルーツとなる明治時代の工芸とともに紹介する。ここに並ぶ福田さんの木彫作品「吸水」は、立体木象嵌(もくぞうがん)という独自の手法で3匹のアゲハが水を吸っている姿をかたどっている。黄や黒の色合いが美しいが着色は一切せず、さまざまな木で作ったパーツをはめ込んでいる。工房には常に150色以上の木片を保管しているそうだ。水滴は土台の黒檀(こくたん)の一部をろうで磨き上げて表現した。展覧会を監修した山下裕二・明治学院大教授をして「驚嘆すべき完璧な出来栄え」と言わしめた。
福田さんは、札幌から電車で約40分の小樽市出身。幼い頃から絵や工作が好きで、小中学生時代は折り紙作家を目指していた。進学先に悩んでいた時、音威子府(おといねっぷ)村にある全国唯一の村立全日制高校、北海道おといねっぷ美術工芸高(おと高)を知った。稚内と旭川の中間にある音威子府はかつて林業が盛んで、1984年に誕生したおと高は芸術で活性化を図ろうとする村の顔。全国から集まる生徒100人余りが村に住民票を移し、寮生活を送る。
 おと高での学びは多かった。木工の授業で、走ると尾びれや背びれを振るサメ型の車を作った際、サメ肌のグレーに似た色のホオノキを探し当てた。木が持つ多様な色彩に感動し「木で絵を描きたい」と思った。ある時は、枯れ葉模様の皿作りに挑戦。別に用意した模様を貼りつけるとでこぼこになるため、模様と同じ形、大きさに皿を掘り込み、埋め込んだ。すると先生から「へえ、象嵌やってるんだ」と言われ、初めて伝統技法だと知った。やがて、平面ではなく立体的な象嵌の技をつかんだ。
 音威子府はアイヌ民族にルーツを持つ現代彫刻家の砂澤ビッキ(1931~89年)が「匠(たくみ)」の象徴として招かれ、暮らした村だ。福田さんはおと高在学中、ビッキの記念館「エコミュージアムおさしまセンター」でボランティアリーダーを務めた。来館者に解説しながら作品に触れるうち、自然を敬愛するビッキのスタンスが染み込んできた。「朽ちてゆくのも芸術だ」と、木工の彫刻を野外に展示してあるがままに任せる破天荒さにも打たれた。

砂澤ビッキ=河上実さん提供
 卒業後は京都伝統工芸大学校(京都府南丹市)で木の板を組み合わせて家具や器具を作る「指し物」を専攻。いったん埼玉県の家具工房に就職したが、22歳になって自分の生き方を考えた時、頭に浮かんだのは象嵌と、その原点になった音威子府だった。
 音威子府は40年以上前から「森と匠の村」として芸術による活性化に取り組んできた。だが昭和30年代に4000人前後あった人口が今ではわずか約650人。村はおと高卒業生を迎え入れたがっており、福田さんが「作家として食っていけるまで頑張るから仕事がほしい」と直談判すると、木工体験施設の指導員として受け入れてくれた。村の嘱託職員だ。働きながら創作に没頭した。
 ビッキの魂を思い起こし、題材の多くは地元の自然に求めた。中でもチョウに魅せられ、標本を作って凝視。「繊細なチョウを作って初めて、木をこんなに細く、薄くできるんだとか、こんな色を持ってるんだと気付くことができた」。春の訪れを告げるカタクリにヒメギフチョウが飛んでくる様子を捉えた「Niwa―カタクリ」(超絶技巧展で展示中)は、音威子府で最も感動したシーンそのものだという。
 芸術一本で食べていく手応えを少しずつつかんできた福田さんは昨年7月、埼玉へ移った。「まだ作家としての芯が通っていない」。新たな刺激を得て芯を通し、さらに太くしようという狙いだ。テーマである自然が豊かな山梨や長野に行きやすく、東京都心に近いため個展を開くにも都合がいいという。
 いったん離れたものの、北の大地、音威子府への強い思いは増すばかりだ。「ビッキという支えがなくなって30年以上たった。自分が作家として食べていくことで在校生の希望になりたい」【山本直】
超絶技巧」展は大阪市阿倍野区のあべのハルカス美術館で9月3日まで。
https://mainichi.jp/articles/20230725/k00/00m/040/208000c

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日本語が地球から消える? 日本語学者が考えた現実的なシナリオ

2023-07-30 | アイヌ民族関連
J-CAST_BOOKウォッチ2023年07月29日 19時03分

日本語は日本人が使う言語であることは言うまでもないが、その日本語が地球からなくなる可能性について書かれた本『日本語が消滅する』(幻冬舎)が出た。著者は有名な日本語学者である山口仲美さん。
岩波新書の『日本語の歴史』など、日本語に関する著書も数多い山口さんが、日本語の消える危険性を真剣に憂える本を書いたというのだから、穏やかではない。
「日本語が消える」というと、「日本人がいなくなるということか」と考える人も少なくないだろう。本書でも、その可能性について触れている箇所はあって、なんらかの原因で日本人が一気に減った場合(そのケースついては本書で確認されたい)、日本語を話す人間はいなくなり、日本語も消滅に向かうだろうが、そうした極端なケースを想定して書かれた本ではない。
◼️母語話者がいても言語は消滅する
現在、1億2000万人いる日本人は人口の減少が続くとされ、100年後には5000万人になるとも言われている。だが、世界中には話者数が数百万人、数十万人単位の言語は山ほどある。なにしろ世界の言語の数は6000とも7000とも言われているのだ。そう簡単に日本語が消える可能性などないのではないか、と思う。
だが、本書を読んでいくと、日本語と日本語を取り巻く環境、とくに日本語に対する日本人の姿勢と外国人の母語に対する姿勢とを比較したとき、日本語の前途は確かに危ういと感じる。
いくら岸田政権が異次元の少子化対策を取っても、即効性は期待できず、人口減少の流れは当面、避けられない。とすると、日本という国を維持するためには、日本人以外の労働力に頼るしかない。日本政府は認めない移民である。その移民が日本語を話すようになれば、日本語は消えないだろう。
だが、本書では、日本の言語政策の議論では、仮に移民が来ても会話に困らないように、日本人も英語を話そうという議論がまじめに行われてきたという。また、国際人を育てるという名目で、小学校からの英語教育が始まり、中学校に至っては国語の授業時間より英語の方が多いというのが現実だ。
本書には、地球上から消えていった言語の歴史も少なからず詳述されているが、植民地支配などによる同化政策で消えざるをえなかった言語もあれば、民族が自ら便利な言語として世界共通語を選択したケースもある。必ずしも母語話者の数が減らなくても、言語は消えていくのである。
◼️言語の多様性こそ文化の多様性
日本でも、明治維新の後や第2次大戦の敗北の後、日本語がなくなる可能性はあった。公用語を英語かフランス語にしようとか、日本語をローマ字表記にしようとか、著名な学者や政治家、文化人がまじめに主張していたのである。そうした痕跡は、現在も漢字の数を制限している「常用漢字」の思想にも残っている。
ただ、「日本語消滅の危機」を強調する議論を始めると、「日本語はすばらしい」=「日本はすばらしい」的なナショナリスティックな主張にすり替えられることも多い。しかし山口さんは、様々な言語の多様性を保つことこそ、文化の多様性を維持することになるとして、むしろ世界で絶滅の危機にある少数言語(アイヌ語もそのひとつ)の保護や「復活」の動きにも目を配る。
国名を聞けば誰でも知っているような外国の小学校の国語の教科書で使われている文字を並べた解説ページでは、母音の表記のない文字、右から左に読んでいく横書き文字が出てくる。他のページにも1行ごとに上下逆さまにして読む文字などが次々に登場し、欧米語と中国語、ハングルくらいしかなじみのない大方の日本人は、世界の言語はこんなにも豊かなのかと驚くだろう。
さらには、山口さんの専門である日本語の特徴が発音、文法、文字などの項目ごとに説明されているだけでなく、他の言語との比較で興味深く理解できる。
本書は専門雑誌「日本語学」(明治書院)の連載をまとめたものであり、学術書的な性格も持っている。しかし、新書という形で出版するための加筆修正がなされたこともあり、専門外の読者でも読みやすい。
言語とは何か、言語が消えていくとはどういうことなのか、自分の日本語生活史を振り返ることもできる1冊である。
■山口仲美さんプロフィールやまぐち・なかみ/1943年生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は、高く評価されている。論文「源氏物語の比喩表現と作者(上)(下)」で日本古典文学会賞、『平安文学の文体の研究』(明治書院)で金田一京助博士記念賞、『日本語の歴史』(岩波書店)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。また、「日本語に関する独創的な研究」が評価され、2022年に日本学賞を受賞。2008年紫綬褒章、2016年瑞宝中綬章を受章。
(BOOKウォッチ編集部 N.S.)
https://news.nifty.com/article/item/neta/12319-2471699/

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ヤポンティー 米国で注目

2023-07-30 | 先住民族関連
日本経済新聞2023年7月29日 14:30 [有料会員限定]
今、米国で注目されつつある茶がある。オーガニック食品を販売するスーパー、ホールフーズ・マーケットが2023年のトレンドフードに選んだ、ヤポンと呼ばれる木の葉から作る「ヤポンティー」だ。
ヤポンは米国南東部に分布する植物で、先住民族がその葉を煎じて飲んでいた。しかし、アメリカ大陸に入植したイギリス人が茶を独占的に販売し始めたことから、ヤポンティーは飲まれなくなってしまう。
近年、考古学者が掘り起こ...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り939文字
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73177060Z20C23A7KNTP00/

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【お先見】エミリー・ブラントの演技が光る!19世紀の大西部が舞台の『The English』

2023-07-30 | 先住民族関連
エミリー・ブラントの演技が光る!19世紀の大西部が舞台の『The English』
海外ドラマナビ2023年7月29日
19世紀後半のアメリカ西部を舞台に、運命的な出会いを果たした男女を描いた歴史ドラマ『The English(原題)』。新作映画『Oppenheimer(原題)』や大ヒット作『クワイエット・プレイス』シリーズにも出演する英国女優、エミリー・ブラントが主演・製作総指揮を手掛け、英米メディアからも高く評価された話題作を、今回はいち早く紹介していこう。
『The English』は、英BBCと米Amazon Primeの共同製作により、アメリカ西部で生きる人々の人間模様を壮大なスケールで描いた全6話のリミテッドシリーズで、イギリスでは2022年11月から12月にかけて毎週日曜日夜9時のゴールデンタイムで放送された。
脚本・監督を担当したのはヒューゴ・ブリック(『オナラブル・ウーマン 熱砂の女』『ブラック・アース・ライジング』)。英Guardian紙は5つ星の満点、映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」でも83%という高評価を受け、BAFTA賞(英国アカデミー賞)では主演男優、監督、衣装デザイン、作曲、美術の5部門でノミネートされた。
https://www.youtube.com/watch?v=UC6HUZsvCtM&t=95s
運命的な出会いを果たした男と女
物語の中心になるのは、1890年にイギリスからアメリカ西部にやってきた貴族女性のコーネリア・ロック(エミリー・ブラント)と、先住民ポーニー族の元騎兵隊偵察兵イーライ・ウィップ(チャスク・スペンサー)。コーネリアは息子の死の原因となった男に復讐を果たすために西部を旅し、イーライは退役軍人としての権利を使って自身の土地を請求するためネブラスカ州を目指していた。この二人がカンザス州で偶然出会うところからドラマは始まる。

彼らに加えて、ワイオミング州で牧場を営む英貴族のトーマス・トラッフォード(トム・ヒューズ)、彼の元会計士で現在は町の有力者であるデイヴィッド・メルモント(レイフ・スポール)、ワイオミング州の保安官ロバート・マーシャル(スティーヴン・レイ)など、それぞれに思惑を巡らせる謎に満ちた人物が次々に登場。一見、何の関係もない登場人物たちが徐々に繋っていき、やがて1875年に起きたシャイアン族の大虐殺(架空の事件)が鍵を握ることが明らかになっていく。
西部の大平原で運命的な出会いを果たしたコーネリアとイーライは、ともに旅を続け、星空を眺める中で、お互いに心の安らぎを見出す。彼らの愛は単なる男女の恋愛ではなく、より精神的な人間愛だ。特に、第4話以降、コーネリアの悲しい過去と秘密が明らかになってからの展開は目が離せない。果たして、コーネリアは復讐を遂げるのか? そして、コーネリアとイーライの運命の行方は?
個性派俳優たちの競演!
コーネリア役のエミリーはもともと演技派として知られるが、そんな彼女とともに今回演技力を絶賛されたのがイーライ役のチャスク・スペンサー(『トワイライト』シリーズ)だ。前述の通り、BAFTA賞主演男優賞にもノミネートされている。さらに、トビー・ジョーンズ(『SHERLOCK/シャーロック』)やキアラン・ハインズ(『ゲーム・オブ・スローンズ』)といった名優も端役で出演。キアランは、コーネリアの殺害を企むホテルの悪徳オーナーを怪演している。
さらにドラマを盛り上げるのが、美しいアメリカ西部の風景だ。果てしなく広がる大平原、メサと呼ばれるテーブル状の台地など、様々な地形の大地や赤く燃える夕陽、夜空に輝く天の川といった美しいシーンが展開。この西部の景色がストーリーテリングの一部となって、見終わった後も心に余韻を残す作品となっている。
一方で、本作は過酷な西部の現実も描き出す。弱肉強食の無法地帯のような世界で、人々は殺すか殺されるか、成功するか失敗するかという博打のような人生を送る。強奪、レイプ、首吊り刑、頭皮剥ぎのように目を覆う残虐なシーンもあるこのドラマは、それぞれに目的を持ってこの厳しい土地で必死に生きる人々の群像劇でもある。
イギリスとアメリカ、貴族と平民
西部劇=アメリカの作品というイメージがあるが、実は世界で初めてのウェスタン映画は1899年にイングランド北西部で撮影されたという。近年のイギリスにウェスタン作品のイメージはあまりないが、1960~1970年代にはイギリス産のマカロニ・ウェスタン(英語では"Spaghetti" Westernsと呼ばれる)映画が製作された。ベネディクト・カンバーバッチが主演した2021年の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でもBBC Filmsが共同製作に名前を連ねている。
本作では、貴族出身のコーネリアやトラッフォード、労働者階級のメルモントを通して、イギリスの階級社会システムとあらゆる手段を使って自由な国アメリカで成り上がろうとする人々を対比させるとともに、彼ら白人に土地を奪われた先住民の悲しみ・怒りと、この国を侵略した白人たちと先住民たちの血塗られた戦いの歴史を綴っており、幾層にも重なるストーリーを描いている。
19世紀後半のアメリカ西部で生きる人々の人間模様を描くドラマ『The English』。日本で放送・配信された際にはぜひチェックしていただきたい。
(文/Yoshie Natori)
https://dramanavi.net/articles/222089

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本邦初公開「赤の女王」のマスクにご対面…古代メキシコ展で文明の興亡に思いを馳せる/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

2023-07-30 | 先住民族関連
SmartFLASH 2023.07.29 16:00

国立博物館入口のポスター
 特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」が、現在、上野の東京国立博物館 平成館東京で、9月3日まで開催中。その後、福岡の九州国立博物館(10月3日~12月10日)、大阪の国立国際美術館(2024年2月6日~5月6日)を巡回します。
 マヤ、アステカ、テオティワカンというメキシコの代表的な古代文明の全貌を、
第1章 古代メキシコへのいざない
第2章 テオティワカン 神々の都
第3章 マヤ 都市国家の興亡
第4章 アステカ テノチティトランの大神殿
 という構成で、本邦初公開の「レイナ・ロハ(赤の女王)」のマスクはじめ約140件の貴重な出土品を紹介しています。
 古代メキシコ文明は、マヤ文明の都市遺跡チチェン・イツァ、都市遺跡のテオティワカン、メキシコシティ中央広場のアステカ文明(14~16世紀)の遺構であるテンプロ・マヨール(中央神殿)などが世界遺産に登録され、世界的に人気の観光地として開放されている一方、いまだ解明されていないことも多い文明です。
 個人的には、マヤの子孫のお尻に、私たちと同じ蒙古斑がついていることに、とても親しみを感じています。
 公式の図録に、岡山大学の杉山三郎特任教授の解説があり、「ベーリング海峡が陸続きだった1万年以上前、日本を含む北東アジア沿岸の海洋民が海岸づたいに北米、中米、南米へと渡っていった」とあります。アジアから渡ったメソアメリカ先住民が、16世紀にスペインに征服されるまで、旧大陸とはまったく異なる高度な文明社会を築いていたのです。ある意味、わたしたちと共通の先祖を持つ文明です。いったいどんな世界だったのか、興味がわきませんか?
 メソアメリカで展開された多彩な文明のルーツともいわれるのは、紀元前1500年頃、メキシコ湾岸部に興ったオルメカ文明です。広大な自然環境のなかで人々の暮らしを支えたのは、トウモロコシをはじめとする栽培植物と野生の動植物でした。やがて、天体観測に基づく正確な暦が生み出され、豊穣と災害をもたらす神々への祈りや畏れからさまざまな儀礼が発達し、生贄(いけにえ)が捧げられたとのこと。
 展覧会場を歩いてみると、オルメカ文明と同じく、自然との共存は古代メキシコにとって大切なキーワードだったと感じられます。
 また、展覧会のポスターに掲げられた「祈り、畏れ、捧げた。」のキャッチコピーは、生贄を意味しているに違いありません。展示説明を読むと、人間も動物も、おびただしい数の生贄が、副葬品とともに捧げられていたことがわかります。
 生贄が生きたまま心臓を取り出して、その新鮮な血を太陽の神に捧げないと、太陽が昇ってこなくなると信じられていたとも、生贄の数は為政者の力を示したとも言われます。「チャクモール像」という横たわった人の像は、見た目ちょっとかわいいのですが、人身供犠の犠牲者から取り出した心臓を置くこともあったようで、それを知ってからはどんな感想をもったらよいか、なかなか「深い」と見入ってしまいました。
 それにしても、この展覧会の展示物は、現代のメキシコに通じるような、独特な色や形、ユーモラスな表情など、どれもとても魅力的です。
 とくに、「レイナ・ロハ」は必見。紀元前1200年頃から16世紀までメソアメリカ一帯で栄えたマヤ文明は、1世紀頃には王朝が成立します。こちらは在位615年~683年の支配者であるパカル王の妃のもの。石棺と遺体が発見されたのは1994年のことでした。遺体が辰砂という水銀朱で覆われていたことから、「レイナ・ロハ(赤の女王)」と呼ばれています。
 埋葬時に被葬者の顔面にかぶせて副葬された可能性が高いと言われるマスクや首飾り、頭飾りなど、当時の生活を想像できる貴重な展示。でも、私の一番のお気に入りは、テオティワカン最大のモニュメントである「太陽のピラミッド」正面広場から出土した謎の石彫「死のディスク石彫」です。中央に舌を出した頭蓋骨、周辺に放射状に放つ光のような装飾ディスクが彫り込まれています。
 先住民の死生観では、西に沈んだ太陽は水の地下界をさまよい、夜明けとともに東から再生すると信じられていたそうです。太陽のピラミッドは言葉どおり、太陽を象徴し、この石彫は沈んだ夜の太陽を表すそうです。
 現代のメキシコに行くと、ドクロはどこでも大人気のモチーフですが、古典期のテオティワカンでは頭蓋骨のモチーフは稀だったとか。そんな人気の変遷も想像しながら、古代メキシコに思いをはせました。
 涼しい会場で、ひとつひとつゆっくり見ていけば、あちこちに発見がありそうです。
横井弘海
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)
( SmartFLASH )
https://smart-flash.jp/showbiz/245965/1/1/

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幻の古代都市に世界最長の地底の川!インディ・ジョーンズ気分が味わえる世界遺産【プエルトプリンセサ地下河川国立公園(フィリピン)】

2023-07-30 | 先住民族関連
TBS NEWS DIG2023年7月29日(土)8時0分 

インディ・ジョーンズ気分が味わえる世界遺産
ハリソン・フォード主演の映画・インディ・ジョーンズのシリーズ最新作が公開中なので、今回は「インディ・ジョーンズ気分が味わえる世界遺産」を紹介したいと思います。(※本記事後半に、最新作の一部内容に言及する箇所があります)
まずはシリーズ第三作「最後の聖戦」で出てくる、中東ヨルダンの世界遺産「ペトラ」。ここは実際に映画の撮影でも使われた所です。砂漠の中に現れる巨大な岩山、その中の迷路のような岩の裂け目を進むと、突然、巨岩を彫って作った大建築群が現れます。
ペトラは岩山の中に隠されるように築かれた、2000年前の都市の遺跡。「幻の古代都市」とも呼ばれ、まさにインディ・ジョーンズ的世界そのものです。特にエル・カズネという高さ40メートルもある巨大建築は圧巻で、映画でも聖杯(キリストが最後の晩餐で使ったとされる杯で、映画ではこれの争奪戦が繰り広げられます)が隠されていた場所としてクライマックスで登場します。
このようにインディ・ジョーンズのロケ地になったことで、ペトラは一躍有名になりました。番組でもペトラを撮影したのですが、この地では珍しいことにゲリラ豪雨のような土砂降りになりました。実は岩山のいろいろなところに細い水路や貯水槽など、雨水を集める仕掛けが残っているのですが、この土砂降りのおかげで実際に水路を雨水が流れ、貯水されていく様子を撮影することが出来ました。砂漠の中に築かれた都市で、古代人は工夫をこらして水を得ていたのです。
船で行ける地下の川としては世界で一番長いもの
ペトラは文化遺産ですが、自然遺産でインディ・ジョーンズのようなアドベンチャー気分を味わえるのが、フィリピンの「プエルトプリンセサ地下河川国立公園」。首都マニラから飛行機だと80分くらいで行けるパラワン島にあり、最大の売りは「船で行ける地下の川としては世界で一番長いもの」があることです。
地下河川への入り口は海岸にぽっかり開いた洞窟で、その洞窟の中を川が流れているのです。ボートで入っていくと、中は奇岩がひしめく鍾乳洞。「大聖堂」と呼ばれる巨大な空間もあり、照明を当てると無数のコウモリが飛び交います。地底の川に不気味な巨岩が林立する様子は、魔境というか奇観というか、これまたインディ・ジョーンズ的世界そのものです。
地底の川の全長は8.2キロ。番組では特別に許可を得て水中撮影も行ったのですが、魚のウロコのような文様がついた岩壁が水中に広がっていて、幻想的な映像を撮ることができました。これは満潮時に海から流れ込む水と川の上流から流れてくる水がぶつかり、その複雑な水流に巻き込まれた砂が洞窟の岩肌を削って出来たものです。
プエルトプリンセサの地底の川は、セントポールという山の地下を流れています。この山を登ると中腹に巨大な穴が開いていて、これも地底の川に繋がっているといいます。実はこの山全体が雨水に溶けやすい石灰岩で出来ていて、降った雨が浸食して山腹に巨大な穴を生み、さらに地中に染みこんだ雨水が浸食して奇怪かつ巨大な地下洞窟が出来上がったわけです。
世界遺産ではありませんが、パラワン島にはエルニドという青い海とサンゴ礁で有名なリゾートもあって、やはり石灰岩で出来た島々が点々としています。その島々も雨風に浸食されて不思議な形になっており、エルニドの見どころになっています。
2500年以上の歴史を持つ古い港町「シラクーサ」
そして最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」で登場する世界遺産がイタリア、シチリア島のシラクーサです。シラクーサは2500年以上の歴史を持つ古い港町で、海洋民族だった古代ギリシア人がシチリアに渡って築きました。今でも劇場や神殿など、ギリシア人の残した遺跡を見ることが出来ます。
最新作なので映画のネタばらしにならないように多くは語りませんが、番組で撮影したシラクーサの空撮と見比べると、街の全景など映画でも忠実に描かれています。シチリアは地中海のヘソみたいな位置にあるので、古代からさまざまな民族・文化が交錯してきました。
シラクーサも古代ギリシアの遺跡、古代ローマの遺跡、さらにギリシア人が渡ってくる前の先住民の遺跡も含めて、「シラクーサとパンタリカの古代遺跡」という名前で世界遺産に登録されています。
ご存じのように、インディ・ジョーンズは考古学者です。世界遺産には古代遺跡が多いので、この段階で親和性があります(ちなみに彼のモデルは複数いるとされますが、そのひとりハイラム・ビンガムは、有名なペルーの世界遺産「マチュピチュ遺跡」を発見した人物です)。そもそも世界遺産に近しい考古学者が、秘宝を求めて世界各地の名所旧跡を飛び回るストーリーなので、結構な頻度で世界遺産が出てきています。今回紹介した「ペトラ」と「シラクーサ」以外にも登場する世界遺産はあるので、チェックしながらインディ・ジョーンズのシリーズを観るのも一興かと思います。
執筆者:TBSテレビ「世界遺産」プロデューサー 堤 慶太
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0729/tbs_230729_8858468234.html

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双方向の交流=平山公崇 /北海道

2023-07-30 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/7/30 地方版 有料記事 509文字
 白老町にある国の民族共生象徴空間「ウポポイ」は7月12日で開業3周年を迎えた。新型コロナウイルスが猛威をふるう中での船出で、数字的な目標には届いていないが、新型コロナが「5類」に移行したことで、今までできていなかった体験交流に本腰を入れる。
 そもそも、ウポポイは職員が来場者と向き合い、交流しながらアイヌ文化に親しんでもらうことを目指していたが、コロナ禍の新語「ソーシャル・ディスタンス」がそれに待ったをかけた。手をつないで舞踊に加わったり、一緒に歌うことはできず、5メートルも離れて資料の解説を聞いても来場者は質問意欲をそがれていただろう。残念なことに、職員は一方的に伝えるだけになってしまっていた。
・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20230730/ddl/k01/070/015000c

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姉妹都市の方言織り交ぜ、ヒートボイスがイメージソング【釧路市】

2023-07-30 | アイヌ民族関連
釧路新聞2023.07.29

蝦名市長(右)にイメージソングの歌詞とCDを手渡すヒートボイスの2人
 釧路市と鳥取県鳥取市、秋田県湯沢市との姉妹都市提携60周年を記念するイメージソング「irwak(イリワク)」が完成し28日、作成した釧路市観光大使のヒートボイスの2人が釧路市役所を表敬訪問して蝦名大也市長に報告。両都市の方言も織り交ぜ、さらなる交流を深めることを目的にした楽曲を披露した。
 タイトルの「イリワク」はアイヌ語で兄弟姉妹を意味する言葉で、作詞はヒートボイスの目黒広幸さんが担当。作曲は伊藤カズヒロさんが担い、曲の始まりはムックリと和太鼓を織り交ぜて音頭調に。その後は一気にテンポアップしてポップス調の明るい曲となり、「知ればよ知るほどにさ魅力が溢れてる夢が広がる街へ」と歌い上げる。
 さらに鳥取市の部分では「がばち(おしゃべり)、きなんせ(来てね)」、湯沢市の部分でも「おぎに(ありがとう)、へばな(またね)」など、それぞれの土地の方言が歌詞に組み込まれている。
 この60周年記念イメージソングは、両市と釧路の交流を幅広くPRするとともに、姉妹都市との友好関係を次世代に継承していくために活用される。
https://hokkaido-nl.jp/article/30242

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