先住民族関連ニュース

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アイヌ教育、積極的に 文化機構、教師用の指導書作製

2010-05-19 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 05/19 07:12)
 アイヌ民族の歴史や文化を紹介する小中学生向け副読本の活用を広げようと、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)は副読本の教師用指導書を作製、全国の小中学校に配布した。指導のポイントを分かりやすく解説しており、同機構は「アイヌ教育に積極的に取り組む学校が増えてほしい」としている。
 「教師用指導書 アイヌ民族 歴史と現在」は、A4判61ページで4万部を作製。道内には各校3部ずつ、道外には1部ずつを3月末に郵送した。副読本の縮小コピーを中央に示しながら「アイヌ語地名から、そこにはアイヌ民族が先住していたことを気づかせたい」などと指導のポイントや民族の歴史のエピソードなどを記している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/education/232163.html

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銃・病原菌・鉄―1万3000年にわたる人類史の謎 [著]ジャレド ダイアモンド

2010-05-19 | 先住民族関連
(週刊朝日2010年5月21日号)

[評者]永江朗
■よくぞ絶版にせず耐えた
 あちこちの書店のランキングにジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』が登場している。どうして? と思った。というのも、この本が出たのは2000年の10月。もう10年も前の本なのだ。なんでいまごろ? という疑問はすぐ解けた。「朝日新聞」読書面の企画、「ゼロ年代の50冊」で1位に選ばれたのである。
 「ゼロ年代の50冊」は、書評の書き手など151人からのアンケート結果。ゼロ年代、つまり2000年から2009年の間に出た本から50冊を選んだ。ちなみに2位は村上春樹『海辺のカフカ』で、3位は町田康『告白』。
『銃・病原菌・鉄』は人類史に関する本である。問いがユニークだ。なぜ人間はその住む地域によってまったく違う発展をとげたのか。たとえばヨーロッパ人はアメリカ先住民を征服した。どうして逆じゃなかったのか。人種間、民族間で、知的能力の差はないことがわかっている。ならば同じように発展してもいいはずではないのか?
 キーワードとなるのが、書名になっている銃と病原菌と鉄だ。これはもう偶然の産物としかいいようがない。たまたま与えられた条件がそうだったから、ヨーロッパ人とアメリカ先住民の文化の違いが生まれたのである。いわゆる先進国は、べつにその地域の人たちが他の地域の人より優れていたり努力したから成功したわけじゃない。たんにラッキーだったのだ。本書はまるでミステリーのように読め、知的興奮を味わえる。
 それにしても、と思う。出版界では「いまどき新聞書評なんて効かないよ」などとよくいわれる。書評が載っても本は売れない、という意味である。ところがどうだ。読書面の企画で取り上げられると、10年前の本でも全国の書店で売れるのだ。まだまだ書評欄には力がある。しかも出版元の草思社は、この間いちど“倒産”して文芸社の支援で甦った。よくぞ『銃・病原菌・鉄』を絶版にせず耐えたものだと思う。その意味でもこのベストセラーは感慨深い。
http://book.asahi.com/aisare/TKY201005170190.html

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