京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
東京も氷点下となる、
寒さも本格化する日々、
雪の美しさと過酷さが表裏となって現れる、
日中は穏やかな温かさが僅かに広がる、
神田川沿いの坂、
永青文庫(旧細川家下屋敷)への道筋、
胸突坂、
事務局から徒歩15分、
その横に関口芭蕉庵がひっそりとある、
塀越しに芭蕉、
その先に椿山荘の裏門(冠木門)が控える、
潜ると閉じられた茶店、
坂を登ると先に、
蕎麦老舗、
小さな神社を見ながら、
小高い丘に登ると、
冬枯れの芝生に、
松の雪吊りが並ぶ、
その奥に三重塔、
温かな日を浴びて、
十月桜が花開く、
銀杏の落葉が舞う中、
一足も二足も速き初春を夢見ながら、
裏木戸を出る、
事務局季節だより、
朝陽が殊の外遅く感じられると思うと、
6時46分にまで遅くなっていた、
かと思うと、
夕暮れが少し遅くなって
暮れなずむ頃が楽しい、
時は止まることもなく、
早まることも遅れることもなく、
過ぎて行く、
しかし、
陽の出時と陽の入り時とは違っていく、
季節の移り変わりに気付くと、
心愉しくなる、
切られてしまった欅の巨木、
それでも徒長枝がツンツン伸びている、
陽はまだ昇らず、
やがて彼方に陽の気配が立ち込める、
欅の木も生気を発し出す、
影絵の世界が現出する、
新宿の街を遠望、
陽が登る、
陽が広がり出す、
スカイツリーが陽炎のように、
電信柱にツグミが囀る、
一日が始まる、
事務局季節だより、
5年が過ぎる、
第1318便、
青山学院、
間宮記念館、
車寄せから振り返ると、
クリスマスツリーが見える、
シンプルなイルミネーション、
青山学院本部に再び出向く、
玄関にクリスマスリース、
正面階段踊り場、
1時間後、
礼拝堂に立ち入り座る、
静かな時間が流れる、
振り返ると、
側面の窓、
誰も居ない礼拝堂、
心落ち着く居場所場所、
外に出ると枝ぶりの不思議な木に出会う、
葉の落ちた銀杏並木を帰る、
東京に戻ると、
何時もの森と湖に出向く、
森にはすべてを包み込む精神が宿っている、
メタセコイヤの木の狭間、
落ち葉の向こうに湖が広がる、
楓の枯葉がざわざわ落ちて来る、
深い森に鳥の声が響く、
陽が落ちる、
小さな沼に近づくと、
何時もの枝に来ている、
翡翠が、
沼の水面に写るピラカンサの赤色、
常緑樹の緑色もまた色を添える、
沼の水面に写る赤と緑が揺れる、
翡翠はその中に溶け込んでいく、
かと思うと、
遠くの中之島に青鷺が佇む、
イイギリの赤い実の房が揺れる、
枯れ木の枝の先端に、
青鷺が寂しそう、
下では水鳥が別世界を作る、
森と湖と沼も暮れなずむ、
一日が終わる、
真言宗大覚寺、
旧嵯峨御所大覚寺門跡、
嵯峨御所とも呼ばれている、
嵯峨野路をそぞろ歩きながら、
狸たちに出会い、
小倉山二尊院の楓をめで、
大覚寺に辿り着く、
明智門を通り、
坪庭を通り、
回廊を巡り、
宸殿に出る、
勅使門、
さらに回廊を通り、
村雨の廊下とか、
正寝殿、
名残りの一輪、
大沢池、
竜頭鷁首、
束の間、
何時もの嵯峨野路を歩く、