京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
城の美しさ、
白壁と石垣そして濠割、
焼失した後、
再建されなかった天守、
天守台のみが残る、
見事な石組み、
鋭い稜線、
御殿跡を挟んで、
富士見櫓が、
ひっそりと佇む、
枡形を通り抜けると、
番所から石垣が続く、
さらに次の城門に、
稜線、
隅石の鋭角が天を突く、
側面は乱積みのような表情、
門扉は消失し、
今は石垣だけが静かに収まっている、
切石の妙、
銀色の尻尾が揺れる、
白鳥の濠割、
東京駅丸の内周辺の整備が整う、
駅前広場の石畳が旧江戸城に続く、
ドームを仰ぎ見れば、
迎賓正門、
見渡せば高層ビル群、
和田蔵門橋、
追手門の先に街が流れる、
その2、
江戸城、
旧天守台に向かう、
錦繍のモミジやイチョウの色変わり、
御見事と言葉を失いますが、
柿の葉の色変わりはまた格別です、
虫食いの穴すら趣を感じます、
空を見上げれば、
冷たい風が吹き荒れそうな秋の深まりの日、
木守りの柿も啄まれて、
枯葉が輝きだす、
これ程までに違う独創的な意匠に、
自然の御摂理を思う、
東の空には秋の雲、
朝ぼらけに残る月、
向かいの丘の上、
闇に中から大樹が浮かび上がる、
世界の目覚める前の束の間、
テラスから見える、
何時ものゴルフ練習場のネット、
静かに朝陽を待つ、
薄く朱が走る、
明るさが増す、
一転、
南の空に動きが、
まさに空は生きている、
ムンクの「叫び」の世界、
グラウンドのネットに、
夏のグリーンカーテンの残骸、
小学校の遊具はまだ眠りの中に、
ドングリ山のドングリが、
静寂の中にポトリ、
さらにその奥に、
寺院の大屋根に烏が飛び来る、
ブリテンホールのステンドグラスが、
静かに語りかける、
ホールの裏手の何時もの楠、
礼拝堂のステンドグラス、
静寂の中に、
屋上から久しぶりに富士、
附けたり、
ヒマラヤスギの実、
乾燥とともに、
種が剥がれ出す不思議、