京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
陽はまた昇る、
厚い雲の隙間を縫って、
陽はまた昇る、
美しい地球の朝が来る、
ハナミズキの柔らかな葉が色付く、
赤い小さな実を宿して、
ピラカンサの棘の垣根も、
赤い実と黄色い実を賜う、
クロガネモチも負けじと、
数多の赤い小さな実を付ける、
トトロの森から、
トトロのトンネルが消えても、
森は静かに賑わう、
ツリバナの実がはじける、
地に落ちた実は春まで眠りにつく、
晩秋はドングリ王国の門が開く、
今まさに時が来た、
クヌギの木にも実が二つ、
マーガレットと見間違う白いデイジー、
コスモスに代わって辺り一面に広がる、
ガザニアは陽射しが弱いと、
花は閉じられたまま、
厚い雲が動くのをじっと待っている、
遠くに続く山茶花の生垣に、
さきがけの一輪、
凛と咲く、
掘割の壁の蔦はなお時を待つ緑深し、
掘割の土手に青い柿、
ドングリの仲間たち、
街のドングリ王国に寄ってみる、
朝夕、
急に冷え込む、
朝焼けに晩秋を思う、
テラスから東の空を眺める、
6時、
ビルの間から太陽が覗く、
待たれた朝、
東南の方角に新宿が霞む、
機関誌の校正に木場に向かう、
トトロのトンネルが消えて久しい、
レッドロビンの生垣に沿って歩く、
どこまで続くのだろうか、
静寂の中を暫く歩くと、
築地塀に突き当たる、
ここにはこれまで来たことがない、
笹と竹が植栽された塀、
そこで道は行き止まりとなっていた、
屋敷は見えない、
不思議な塀、
小路の向かいに、
この場に似つかわしくない、
姫向日葵が風に揺れている、
愁いを含んだような、
夏を忘れてしまったかのような、
名残りの一輪の下に、
閉じたままの固い蕾、
季節は急激に変わっていく、
風蝶草が冷たい風に揺れる、
終わったと思っていた萩の花、
枝先には小さな蕾が控えている、
青紫の、
それは美しい色彩を放っている、
名残、
基督教独立学園、
本館2階、
パイプオルガンから聞こえて来る、
校舎のあちこちの扉に、
青銅の彫刻が嵌め込まれている、
紋章のよう、
ノブのようでもある、
敷地の端の小さなとある建物に入ると、
天井が小さな円となり光が漏れていた、
そして吊り下げられていたオブジェ、
床にやはり青銅の彫刻、
イタリア在住の彫刻家、
加藤朝美氏の作品群、
一点、
一点に心が吸い込まれていく、
驚くばかりの世界が広がっていた、
立ち去り難かったが、
外に出る、
地上の世界にもその世界は繋がっていた、
バスに乗り山を下る、
ダム湖を通り、
影が迫ってくる、
陰影の湖、
異次元の世界が広がって行く、
山を出ると、
美しい学校と美しい世界があった、
JR米沢駅から日本海側の坂町駅に走る米坂線、
日に10本しか運行しない路線、
その途中の駅「小国」、
別儀ながら、
豪雪地帯、
幾つか米沢よりの駅「羽前小松」に、
雪の降りすさむ厳冬期に降り、
樽平酒造の蔵元に一人出向いたことが思い出される、
「樽平」「住吉」
ブログに掲載、
今は秋、
錦秋の時とまではいかないが、
ダム湖を通り、
バスでようようたどり着く、
山峡に建つ小さな学校、
日本の原風景のような地、
川水も鮮烈、
突然白亜の校舎が現れる、
ここかしこに何棟かの建物が建つ、
蔦が寄り添う、
グラウンドが河原近くに設けられている、
自然が守る学校、
基督教独立学園、
内村鑑三に端を発する、
在校生67名、
全寮制高等学校、
小国駅に通じる道、
寮、
雪、
優しい目の乳牛が生徒によって飼われていた、
晴耕雨読、
独立、
自立、
信じるこころ、
沼の水が秋の空を写す、
傍らに、
米沢城跡(上杉神社)から歩くこと数分、
途中、
米沢牛を提供する「吉亭」を素通りし、
山形大学工学部の前身、
旧米沢高等工業學校に行く、
明治43年竣工、
重要文化財とか、
意匠の美しさ、
車寄せの天井、
豪雪地帯からか、
雪から植木を守る囲いが頑丈、
キャンパスにナナカマドが紅く色づく、
キャンパスの隣に林泉寺、
米沢藩上杉氏の菩提寺、
直江景次夫妻の墓が静かに寄り添っていた、
柿一つ、
米沢から米坂線に乗り小国に、
列車の本数が少なく、
バスにて移動、
基督教独立学園、