蒸し暑さが漂い出す日々、
時々風が吹き、涼が、
ここ東山麓、
岡崎には、別邸が広がる、
その懐に南禅寺が、
時代が違うが、
石川五右衛門の絶景かな、絶景かなと、
山門が、
額縁となって淡い緑が、
影絵の山門が、
緑の隙間から鬼瓦が、
その木々の下は、このましきもの、緑の空気が充ち満ちていた、
ここには、老木の楓もまた新たな生命を伝える、
苔むした地面に、実生1年の楓が、
小さな苔盆栽に持って帰りたくなってしまう、
誰かが音もなく通り過ぎていった、
方丈への入口に、待合腰掛けが、
正門の白い砂利石が光を浴びて輝いている、
光は、影を
塔頭が周りに並ぶ、
流れる山水が、
地上は余りにも生命に満ちあふれている、四季の地なればこそ、
このましきこと、