名古屋季節だより

京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより

緑の空気の中に

2013-04-24 08:48:48 | 日記
無数の楓の葉が重なり合って、枝がゆったりと揺れている。
紅葉の楓も一入でしょうが、太陽の陽を透かして見る若葉の緑が格別です。
あたかも、辺り一帯が楓の緑に染められたように映ってくる。

色彩豊かな花も然ることながら、
さまざまな木々の葉の美しさに優るものはないかのように感じる。
その中で楓が殊の外、見事。

       

   


東京にも多くの森があることに気づく、
武蔵野の雑木林、鎮守の森、湧水池を囲む木々、高層ビルの植栽、屋敷の庭木、
それが人の手によって植栽された木々、林、森だとしても、
遠くを見据えた心で作られた森は、
年月を経ると、森以上に森となる。

   


宮脇昭著「鎮守の森」新潮文庫、「木を植えよ」新潮選書、
この本は、実に共感するところ多々。
振り返って、関西学院初等部の校庭の木々は、この思いで造られたのでした。



附けたり

希望に満ちて、新しい先生となられた皆さん、
4月1日より、十分に全てが理解できないまま、ひたすら走ってきた日々、
連休まであと一歩、
ここまで、よくぞ堪えてきました。
休みの日々には、やわらかな木漏れ陽を受けて、緑の空気に包まれてください。
爽やかな皐月の空気を胸いっぱい吸って、
そして、ちょっぴり授業を振り返ってみましょう。
見えなかったことに気づくでしょう。

ツルニチニチソウの花一輪
木の下の半日陰に咲く、明るい青紫の可愛い花を見つけました。

   




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穀雨の日々に冷気が流れ込む

2013-04-22 08:40:20 | 日記
穀雨の候
日本を寒気が覆い、穏やかな雨が一転、氷雨となり、
北国では春の雪に見舞われる。
東京も身震いするほどに寒さを感じる。
天候の変化に驚き、自然現象に驚異。


西南学院のドージャー記念館(1921年建設)に、緑のツタが絡まる。
冷気の中にも、暖かな雰囲気の漂うレンガの建物。

     

レンガ塀の傍らに
見過ごしてしまいそうな、
薄い青緑の小さなすみれが可憐に咲いている。

     



一つの学校に一つの歴史があり、
その歴史の中で生活する日々を通して、
そこに学ぶ者は、無意識のうちに学校の香りを吸い込む。
その者を形づくっている土台ともいうべき価値観が、
その学校で過ごした日々に培われていたことに気付くには、
それから数十年の年月が必要なのかもしれない。

どこで生活するかは、とても重要。
しかし、同じところで生活したにもかかわらず、
一人の者はその香りを、さらに自ら身に纏い直す、
一人の者はその香りに気付かないまま過ごしていく。
外に向かってのみ突き進むことから、一時、静かに自身のこれまでを振り返ってみると、
忘れていた大切なものに気付きだす。
野の花も街の木々も、気付かなければ無きに等しい。
あることに気付く大切さを教えたい。



附けたり

教職に就いた先生、
これまで学んできたこと、そしてこれから学んでいくことを、
教室で教えるとともに、
忘れていることを思い出すこと、
見ていたのに、見ていなかったとに気付く大切さを、知らせてください。
自然を通して語りかけられている驚異ともいうべき節理にも気付きたいものです。




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花の中を往く

2013-04-18 00:35:39 | 日記
清明 末候(15日~19日) 虹始見(虹はじめて現れる)

春の虹は、微かに霞むように現れて、消えていく。
まだ、夏の鮮明な七色の虹が現れるには、
時に夏日となっても、早過ぎるのでしょう。

虹を見つけると、誰もが、小さく叫ぶ、「虹が・・・」。
そして、その声を聞いた者は、空を見上げて、虹を見る。
子どもも、大人も、その時、一緒になる。
スウェーデンで見た虹は、日本で見る穏やかな、誰もが描く曲線ではなく、
地上にすっくと立つ、アーチの門のように見える。
その虹の中に入っていく時、いつも、わくわくする。
虹の門は、別の世界に通じているような錯覚を覚える。


何時も通らない道を歩いていると、
マンションの玄関横に咲く、
深紅の虹色を感じさせるシャクナゲに出会う。
バンクーバーの住宅街、家々の道路に面した庭には、
色とりどりのシャクナゲが何株も植えられている。
その花弁は、優雅に舞う蝶々のように、ゆったりと風に揺れる。
シャクナゲの花に似たツツジ、
日本では、生垣、公園、道路沿いと、どこででもツツジの花と出会える。
花弁が見事なまでに繊細なものもある。各地に、ツツジの世界が広がっていく。
見とれていると、早々と目的地に着く。

   

   

   


柳は緑、花は紅。銀杏の新芽も殊のほか美しい、
早稲田大学の銀杏並木。

     


附けたり

ユングに言わせると、夢には、大きな夢と小さな夢とがある。
大きな夢は、人の深層に宿る夢、
誰の心にも共通してあるけれど、
しかしそれは深く深く心の奥底に潜む故、誰もが気付くとは限らない夢。
小さな夢は、一人ひとりが心に描く夢、その人によって大きくも小さくもなる。
諦めると夢は消える、夢だけでなく、気も消える。
「せん方つくれども、のぞみを失わず(新約聖書)」、この言葉を思い出してください。




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卯の花の匂う

2013-04-15 08:35:51 | 日記
卯月 
卯の花と聞けば、思い出すのは、
「夏は来ぬ」(佐々木信綱 作詞 小山作之助 作曲)
卯の花の、匂う垣根に
ほととぎす、早も来鳴きて
忍音もらす、夏は来ぬ

毎年行われていた、あるバンド・クリニックの開会式で、
必ず出席者で斉唱するのがこの「夏は来ぬ」でした、
もう、廿数年も前のことですが。

この卯の花は、別名、うつぎ(空木)とも呼ばれています。
まだ、4月であり、夏を待つには早過ぎるようですが、
この歌は、わたくしにとって、
さわやかな感じのする、不思議な思い出の歌なのです。


別儀
JR新宿駅東口改札横
「BERG」
何時も雑踏のよう、
ほんの少しのテーブル席と、あとはスタンドだけが、
そこに見つけたのが、「姫うつぎ」でした。
無造作にガラスの花瓶に投げ入れられていました。
似合わない所に、似合っていたので、
一人、嬉しくなる時間でした。

   



附けたり
教える人も、教えられる人も、
新学期の慣れない疲れが、少しずつ蓄積し出す頃です。
でも、黙ってここはハヲクイシバッテ歩いて行きましょう。
あなただけではないですよ。何年もやってきたキャリアにとっても、
そうなのです、誰にとっても疲れる頃なのです。
ひたすら連休を待ちましょう、もうそこまで来ています。
暇は来ぬ。




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緑いずる池畔

2013-04-11 08:57:35 | 日記
春が目まぐるしく移っていきます。 
その季節の移り変わりに感じたことを、つれづれに、
昔、東京都が東京市であった頃、
互いの友好を願って桜の木をワシントン市に贈りました。
贈られた桜の木はポットマック川の岸に植えられました。
時を経て、桜は、川岸を埋め尽くすほどに咲き誇るようになりました。
その返礼に日本に贈られてきたのが、ハナミズキでした。
まさに桜の花が散りだす頃、
その後を追いかけるようにハナミズキが空に向かって咲き出します、
互いに呼応しあうようにです。
一興、ハナミズキはその木よりも高いところから眺めるのが良いようです。
白いハナミズキからは清楚さを、紅色のハナミズキには暖かさを感じます。
ところで
桜とハナミズキとは、その花から醸し出される雰囲気がとても違うように思いますが、
皆さんはいかがでしょう。

桜でもなく、ハナミズキでもなく、
石神井公園の三宝寺池の畔に、これまでと少し違った萌えを見つけたので皆さんに、

   

   

   

   
   

附けたり

新しき先生、新しいが故に、知らないことが次から次へと起こってきます。
人は誰しも、慣れ親しんだこれまでの居場所から飛び出した時、
その新しい環境に慣れるには、多少の時間がかかるものです。
失敗を重ねながら、その失敗を簡単に取り繕うことなく、
背中に背負って、少し辛いあなたの道を歩いてください。
回り道をしても、誠実さが何よりです。
この何でもないことに、確かにそうだと思うには、長い年月が必要です。
生徒も、またあなたと同じです。
少し待ってあげてください。






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