京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
普代村(ふだい)駅に三陸鉄道を降りる、
此処にも北緯40度が走る、
日本海の男鹿半島入道岬が北緯40度だった、
「三陸復興国立公園」、
皆さまは、
この名前を聞かれたことがあるでしょうか、
津波と原発破壊による、
三陸の悲しみと苦しみを、
忘れないため、
そして、
復興と、
未来への歩みを祈って、
自然との新たな出会い期し、
多くの人たちが、
この地を訪れ、
思いを共にすることを願ってのことと、
感じる「三陸復興国立公園」、
『陸中海岸国立公園北山崎』、
雨が止む、
何日振りだろうか、
青い空が垣間見える、
バスを降り、
岬に向かって歩き出す、
時折、
霧が走る、
崖の上から海岸線を遠望、
霧の流れる合間に、
見事な自然の造形が現れる、
海の洞門が見える、
未来への海門、
この崖の上までは、
津波は来なかったのだろうか、
アカマツの松籟を聴く、
ナナカマドの木がゆさゆさと、
もう実は色付きだしている、
七度竈に入れても、
なおナナカマドであり続けるという、
この実が真っ赤に色付くことを祈って、
帰路、
盛岡駅に向かう、
トンネルの先に光が、
その先には緑の世界が広がっていた、
盛岡市、
バスの車窓から「石割桜」を見る、
恐山から久慈駅までバスは走る、
八戸駅から久慈駅までJRが来ているが、
本数は極めて少ない、
久慈駅からは三陸鉄道となる、
JR久慈駅とは隣り合っていた、
三陸鉄道久慈駅、
リアス式海岸であるが故、
津波は増幅されて内陸に至った、
高い防潮堤が築かれ出したが、
そこまでの高さと、
延々と続く長さとに、
これまでの地形が変わる、
狭いリアス式海岸の場合には、
ダムで陸地の入口が囲われていた、
まさに陸と海が遮断されている、
野田玉川駅に着く、
見下ろすと、
堀内駅、
美しいリアス式海岸と、
津波防御との相克、
海に迫る道路、
取り残された土手のコンクリートに、
自然の彩が、
ペンキを掛けたように、
車両1両が、
忘れないモニュメントとして、
三陸から希望の生まれることを、
下北半島に仏が浦と言う所がある、
船から眺め、
上陸することは稀という、
小さな船に乗り換えて、
佐井の港を離れると、
波が出てくる、
曇天のままだったのが、
やはり雨が降り出す、
ビニールシートを透して外を見ると、
海の中のように感じる、
30分ほど波に揺られると、
辛うじての岸壁に着く、
雨が止む、
不思議な土地に着いたような気配、
緑色凝灰岩のような、
砂岩のような、
言葉にならない景色が、
数十メートル直立する、
隙間を通って、
祠が一つ、
そこだけに、
緑が、
仏が浦とは、
仏宇陀とも言う
確かに、
確かに、
まだまだ知らないところが多くある、
不思議の国、
東京
連日35度を越す猛暑日とか、
されど、
下北半島に渡り岬をめざす、
本州最北端、
大間岬は崖ではなく、
意外、
静かな波打ち際となっていた、
海は曇天の中に霞む、
北海道は遠望できず、
大間鮪そして雲丹、
棘はまだ動いていた、
しかし、
曇天にもかかわらず、
辺りには、
天草が拡げられていた、
ふと見上げると、
店のトタン屋根の上から、
アホウドリが餌を狙っている、
店の中に入ると、
驚き、
燕の雛4匹と目が合う、
小雨が降りだしたので、
大間岬を後に、
恐山に向かう、
日本三大霊場、
比叡山、高野山、
そして、
恐山、
峠を越えながら、
森閑とした中をバスは進む、
冬の間は寺も閉ざされるのだとか、
僧坊が続く、
大祭を前に、
人はまばら、
なおさら、
辺りの雰囲気に、
恐山が迫る、
奥の院への道が続く、
振り返ると、
賽の河原が広がる、
賽の河原に石が積まれる、
硫黄の煙が流れる、
積まれた石を鬼が崩す、
積んでは崩され、
迫り来る鬼を、
転ばすためとか、
至る所、
草が結ばれている、
悲しげな景が続く、
帰りには、
参道に幟が出ていた、
地蔵様が守る、
男鹿半島の突端を去り、
五能線をめざす、
空は重い雲空、
日本海を縫って走るJR五能線、
能代駅より乗車、
気付いたことだが、
東北地方の、
海と森と空が深く重い、
ガラス窓を通して景色が走る、
真っ直ぐに線路が続くところも、
単線、
青田は続く何処までも、
かと思うと、
日本海すれすれを走る、
こちらは海を見つめながら畑が続く、
急に降り出す雨、
単線は駅で複線となるが、
また元に戻る、
途中、
バスに乗り換え、
七里長浜を、
竜飛岬までひたすらバスは走る、
降り立つと、
崖下には津軽海峡が、
崖下の港と岬の突端を結ぶ、
国道が走る、
それは三百数十段の階段国道だった、
さまざまな道があると言うが、
まさにその通り、
青函トンネルが地下深くを走る、
確かに、
ここに立てば、
誰もが歌いたくなるという、
風の音と共に、
歌が耳に残る、
外が浜、
そして蟹田、
ここからフェリーに乗り、
下北半島に渡る、
フェリー不通の場合は、
陸路、6時間とか、