太陽が葉を落とした欅を、
シルエットに浮き出させる、
晦日、
墨絵の世界に踏み入る、
尾花が微かに揺れる、
尾花の勢いは消え、
茎の間からも池が透けて見える、
まだ陽は池に射さず、
緑の館も、霞む、
水鳥が、
パンパスグラスは何を思うのか、
木々の間の小路には、
ラクウショウとメタセコイヤの、
枯れ葉が敷き詰められている、
束の間の早朝の静けさ、
水面に映る木々の枝が、
現と幻の世界を演出する、
朝霧が水面を動く、
水鳥たちも動きだす、
何時も出会う水鳥がいた、
そして、傍にはいつも一緒に居る白い水鳥が、
はて、少し目つきが違ってきている、
明るさが増して来た、
すべての生き物が朝と共に復活する、
森に囲まれ、結界となった池の世界が動く、
ここにも時の移り変わりが感じられる、