京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより
本日も東京の空には朝陽はなく、
どんよりとした曇り空、
陽は雲を突き通せず、
鈍く輝くのみ、
6時45分に通勤電車に乗る、
乗り継ぎながら西早稲田に着き、
事務所に向かう、
最初に目に入ったのは、
明治通りの車道と歩道の間の、
名残りの曼珠沙華、
立ち止まって見て見ると、
繊細な線が幾何学的に交差する、
暫く歩くと、
何時も不思議に思う民家が見えてくる、
マンションの間に、
ぽつねんと建つ、
その扉と歩道との隙間に、
一本の無花果の木が、
不釣り合いにある、
近づいて匂いを嗅ぐと、
まさしくあの懐かしい無花果の香り、
トウカエデの街路樹の下を歩くこと数分、
駐車場の狭いスペースに、
これも名残りのニガウリの小さな花、
良く見ると、
体長1㎜にも満たない小さな一匹の蜂を見つける、
ビルの前庭に植栽されたエゴノキの実、
元大店の材木問屋の庭に、
白いエンジェルズトランペットが清楚に咲く、
足元を見ると歩道脇に苔が光る、
美しい緑を発色、
街路樹、
トウカエデの木の根元に、
ランタナ一輪、
横道にある小さな忘れられた公園に、
オシロイバナが静かに咲く、
確かに確かに、
朝には花は萎んでいる、
帰り道のこころとする、
東京は今まさに金木犀が、
空間を甘い香りで満たしている、
香りの中を泳ぎながら、
事務局にたどり着く、
早稲田教会の前庭に、
花水木の赤い実が顔を覗かす、
夕刻、
微かな西陽がビルを金色に輝かす、
帰り道、
オシロイバナは恥ずかしげに顔を出す、
日が暮れ、
本日の勤務終了、
皆さんの通っておられる、
何時もの道にも、
新しい世界が潜んでいるかもしれません、
早朝一瞬、
太陽に出会う、
しかし瞬く間に、
厚い雲が現れ陽は失われる、
休日のある日、
原宿、
明治神宮の森を抜ける、
暗く深い森の奥に吸い込まれていく、
森を抜けると、
原宿、
やがて建て替えられる原宿駅、
駅より歩いて数分、
日本陶芸倶楽部で一刻過ごし、
その後、
東京駅鍛冶橋通りから、
日本橋通りを京橋に、
明治屋本店前の通りを骨董通りに、
茶の湯のおさらい、
大徳寺管主による月下、
カリガネソウ、
中置、
続き薄茶、
暮れなずむ頃、
そぞろ帰る、
休日の妙、
秋分の日が過ぎたとは言え、
太陽が失われたかのように、
曇りそして晩秋の雨の日が続く、
湿度90%、
はたまた100%と表示されたのに驚く、
毎日が亜熱帯気候の中にある、
雨の日、
7階の教育同盟事務局の窓から、
下を見ると緑青の大屋根、
東京西早稲田の穴八幡宮、
冬至の日に一陽来復、
江戸時代から冬至祭として大いに賑わう、
朝7時過ぎ、
馬場下交差点から階段を登る、
随神門、
先に本拝殿、
振り返ると、
敷地は台地の先端、
大きな石垣の上、
脇の階段を上がると、
随神門の横に出る、
楼、
ずらりと並ぶ蔵を見ながら、
緑青と朱紅と黒漆の絶妙、
何時もの道と違えて、
事務局に行く、
梅雨のごとく降らせる秋雨前線、
都心は靄の中に沈む、
日本橋川は江戸城外堀と重なり、
さらにその上を首都高速が走っている、
雉橋、
掘割を覆う首都高速、
その先に江戸城の当時の石垣が見えて来る、
江戸時代の水路が現在の高速道路となっている、
やむを得ないが、
濠の石垣は悲しい、
船から見上げると、
ジブリが、
神田橋、
新常盤橋、
一石橋、
日本銀行を垣間見る、
一巡して日本橋に戻る、
要石、
日本橋橋脚、
石の窪み、
ここに何が埋め込まれていたのだろうか、
130分に渡る江戸掘割クルーズ、
日本橋・深川・神田界隈の江戸町が彷彿してくる、
楽し、
万世橋の袂に幻の駅舎「万世駅」がある、
その向こうに昌平橋、
近くには湯島聖堂・神田明神、
聖橋から御茶ノ水橋、
お茶ノ水分水、
水害時に水を分散させるという、
見上げれば、
JR御茶ノ水駅が神田川に並行してある、
駅舎拡幅工事が続く、
後楽園橋を過ぎて、
ビルの狭間から後楽園を垣間見る、
ここから神田川を離れ、
出会う日本橋川に戻る、
南堀留橋、
俎板橋、
深川から神田そして日本橋、
江戸の町は水路網によって行き来された、
往時の運河の上を首都高速が走る、
)
江戸城外堀に重なる、
その4、