名古屋季節だより

京都・静岡・宝塚・東京・横浜、
そして尾張名古屋からの季節だより

127 「早稲田が杜に」

2013-11-30 19:57:23 | 日記
 事務局の隣、早稲田大学キャンパスの晩秋、

    

 早稲田が杜の紅葉の輝きに、心が躍る。

 

 

 大隈講堂に銀杏の黄葉、紅葉が良く似合う。

 

 

 かつての学園紛争、学生運動のページを知っている人は幾人いるのだろうか。
 大隈重信先生は、黄葉の下を通る学生の皆さんに、何を思っておられるのでしょうか。

    

 紅葉の下、せせらぎが流れている、造作された鑓水、大熊庭園。

 

 

 

 早稲田大学旧図書館に、
 横山大観、下村観山との合作、「明暗(1927年)」が掲げられている。

 雲間から昇る太陽に
 当時の学生の皆さんは、何を見、何を思ったのでしょうか。
 
 

 その「明暗」の反対の壁に、掲げられていた額、

 






 大河ドラマでの徳富蘇峰の言葉、
 日本に二人の私学の人が、
 東に慶応義塾の福沢諭吉、西に同志社の新島襄、
 慶應義塾は物質的知識の教育を、同志社は精神の教育をと。

 同志社正門の碑に、
 「良心之全身ニ充満シタル丈夫ノ起リ来ラン事ヲ望テ止マサルナリ」とある。
 新島襄先生の言葉(1889年)。

126 「根津美術館の庭園に」

2013-11-28 08:48:59 | 日記
 東京、青山に根津美術館がある。
 日本・東洋の古美術品コレクションが保存されていて、
 その中でも、茶の湯の道具に秀逸品がある。
 12月15日まで「戦国武将が憧れたうつわ 井戸茶碗」展が行われている。

 国宝 大井戸茶碗 銘 喜左衛門、
 中箱蓋裏に「越後殿井戸」と書かれている、越後殿が誰をさすか不明ながら、
 井戸茶碗 銘 越後、
 織田信長から柴田勝家に贈られた、青井戸茶碗 銘 柴田などなど70点余り、御見事。


 この南青山の地に、深山幽谷の庭があることに、東京の不思議を感じる。


 美術館の裏手から庭に下りると、杏色の楓が覆いかぶさってくる、

 

 扉を開けて結界を越える、

    

 錦秋の下、そこかしこに茶室が据えられている、

 

 湧き出る水が辺りを清める、

    

 さらに、細い路を降りる、

    

 陰影の紅葉・黄葉に深い気を感じる、
 
 

 その奥に、隠れるように小さな茶室が、

 池には、落葉が彩りを縫っている、

    

 石橋の向こうに、もやう舟、

 

 水面に映る彩り、

    

 

 小半時、ひっそりと佇む石灯籠に送られる。

    

 日本の晩秋を堪能する一日。

125 「真白き富士の嶺」

2013-11-27 14:14:06 | 日記
 新幹線の車窓から富士を仰ぐ、
 
 新富士駅近く、

 

 富士川近く
 「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の
   富士の高嶺に雪は降りつつ(山部赤人)」

 

 東京から見る富士山とは違って、迫りくる何かがあり、
 実際に目で見ると、凛冽さが伝わってくる。

 


 30余年前、
 静岡英和女学院の
 中学2年生全員250名と共に5合目から8合目まで登り、山小屋に宿泊、
 翌早朝2時過ぎ、その中から多くの有志が頂上を目指した。
 帰りは、全員が「須走り」を転がり下りた思い出。

 駿府城跡の外掘
 
 

 復元された「巽櫓」と「東御門」をバックに静岡県庁、
 その塔の横に、朝ぼらけの月が、微かに、

    

 城内に「紅葉山」庭園、

 

 

 この駿府城跡外堀に面して静岡英和場学院中学校・高等学校が建つ。




 浜松三方が原に、聖隷事業団 
 聖隷クリストファイ大学を訪問、
 
 

 

    

 メイプルツリーが幾本も植えられていて、見事な深紅を周りに醸し出している。

124 「晩秋の三渓園 その弐」

2013-11-26 07:50:53 | 日記

 関東での木造最古の塔である、旧燈明寺三重塔が丘の上にシルエットで立つ。
 京都、木津川から移築されてきた。

 

 暮れなずむ空に、鐘の音が聞こえてきそうな、
 
    

 緑青色の孟宗竹の狭間から茶室が見え隠れする、

 

    

 
 何の木かと思ってしまう幹の造形に出会う、
 その朽ちた幹から若枝が伸びていた。

    

 一枚、また一枚と落ちていく桜の葉、
 その枯れ葉の後に、
 もうすでに春を待つかのように葉芽が育っているのに気づく。



 目を遠くに向けると、名残の紅葉と尾花が重なって風に吹かれている。

 

 すでに冬枯れの蓮、しかし泥の中、地下茎はすくすくと育っているのでしょうね。

 

 池の水面に映る紅葉を橋の上から逆さに見る、

 

 水面が揺れると、幻想的な世界が現れる。


 


 水鳥が、冬の陽射しを浴びて、動かない。

 


 眠るがごとくの水鳥を後に、門に戻ってくると、江戸菊が見送っていた、御見事。

 

123  「晩秋の三渓園に」

2013-11-25 09:27:33 | 日記
 横浜の本牧に位置する三渓園。

 明治時代末、製糸・生糸貿易で財をなした実業家・原三渓が、

 東京湾に面した広大な谷間に築いた庭園と邸宅。

 そこかしこに、京都・鎌倉などの各地から歴史的建造物が移築されていた。
 
 茶の湯の人でもあったのだが。
 
 ここは、臨春閣、
 
 紀州徳川家初代藩主、頼宣が紀ノ川沿いに建てた数寄屋風書院造りの別邸の晩秋。

 

    

 

 

    

 

 見つけた、手水鉢にぐるりと太閤瓢箪が囲んでいる、これはどこから取り寄せたのだろうか。

 

 周りには瀟洒な茶室が点在する。
 そのひとつに、織田有楽斎作と伝えられる三畳台目の茶室がある。
 ここでも、時代が語られたのだろうか。




 わたくたちは、どこで時代を語っているのだろうか。
 学校で語る言葉にも、時代が生きているのだろうか。
 教科・科目にも時代の息吹を感じさせているのだろうか。
 今を生きるとは、これからを生きることに外ならないと思うのだが。