東京に戻ると、
何時もの森と湖に出向く、
森にはすべてを包み込む精神が宿っている、
メタセコイヤの木の狭間、
落ち葉の向こうに湖が広がる、
楓の枯葉がざわざわ落ちて来る、
深い森に鳥の声が響く、
陽が落ちる、
小さな沼に近づくと、
何時もの枝に来ている、
翡翠が、
沼の水面に写るピラカンサの赤色、
常緑樹の緑色もまた色を添える、
沼の水面に写る赤と緑が揺れる、
翡翠はその中に溶け込んでいく、
かと思うと、
遠くの中之島に青鷺が佇む、
イイギリの赤い実の房が揺れる、
枯れ木の枝の先端に、
青鷺が寂しそう、
下では水鳥が別世界を作る、
森と湖と沼も暮れなずむ、
一日が終わる、