出勤前の未明、
葉の落ちた欅の大木に、
無数の鳥が飛び交っていた、
まだ太陽が昇る前、
薄暗い中、鳥の色は灰色に溶けていた、
昨年、同じ頃に訪れてきた、
青い鳥、黄緑色のインコ、
何処に行っていたのだろうか、
一年ぶりの出逢いに、
懐かしさを覚える、
辺りが白じんで来ると、
木の隙間から、隠し絵のように、
富士が現れる、
ほんのりと赤富士、
翌日の朝、
何時もより静かな朝、
雪の朝を迎える、
青い鳥は消えていた、
白い屋根と化している、
四谷駅前もまた、
雪が、
深々と降る雪の日、
別の世界に紛れ込んだ、
不思議な気持ちに満たされる、