ブリテンホールのステンドグラス、
ガラスはブロックガラス、
希望の三羽の白い鳩、
正門の山桜が満開、
しかしその下を行く人はいない、
校舎を背に花びらに光、
木の下にムスカリ、
薄青紫の帽子が幾つも咲いている、
その先に、
ニラハナの群生、
ハインズ記念庭園の群生が見事、
そして、
正門横の崖一面に、
フリージャの群生、
香る春、
咲き分け絞りの椿一輪、
藪椿の蕾、
正門を入った、
見上げると楓の新芽に光が輝く、
春の透き通った光、
春の微かな音しか聞こえない、
表敬訪問に訪れる、
横浜山手の丘に建つ、
横浜聖光学園、
カリオンの塔に迎えられる、
瀟洒にして、
統一されたデザインの校舎群、
校内は清潔な白に統一、
本館玄関、
長い廊下が続く、
隅々まで清掃の行き届いた校舎、
人工芝の校庭から、
カリオンの塔に続く、
正門、
新型コロナウイルス感染防止のため、
一斉休校中、
変らない太陽なのに、
弥生も過行く、
卯月がそこまで、
新たな学年に希望をもって、
何が起こったとしても、
わたくしたちの進むべき道は、
一つ、
いまこそ、
「心を清め 人に仕えよ」、
レンガ倉庫から大桟橋、
そして山下公園から山手の丘、
春の風に誘われて歩くと、
青紫のルピナスの先に、
異人館の廃墟に残る風車、
さらに丘を行くと、
横浜気象台、
異人館の庭に、
どこまで伸びていくのか一本のヤシ、
外国人墓地、
鉄門を潜ると、
こぶしの花びらが揺れる、
西洋料理店、
聖公会聖堂、
辺りに散在する異人館、
横浜に神戸の匂い、
薄紫の馬酔木も風に揺れる、
春に花とはな、
どこからか、
沈丁花の匂いがする、
はるはいい、
湊横浜、
遥か昔、
ここから世界に開かれていった、
塔キング、
そして塔クイーン、
港の小さな灯台、
その横に係留された、
往年の汽船、
氷川丸、
もう動くことはない、
錨にアホードリ、
昔の岸壁に波が洗う、
辺りは山下公園となり、
シャボン玉が空に舞う、
空は限りなく青い、
また、
新たに何かが始まりそう、
螺旋階段の先に、
大桟橋が海に突き出る、
甲板が海に誘う、
不思議な桟橋、
豪華客船との出入口、
その先にベーブリッジ、
外海に続く、
ランドマークタワーとレンガ倉庫、
世界は空と海とでつながっていることを、
こどもたちは、
新型コロナウィルスで改めて知る、
グローバルとは何か、
「持続可能な」と問うSDGｓとは何か、
ここにいて私に何ができるのか、
このことが鍵となる、
三月も最終週となり、
学年が変わる、
あなたは何を咲かせるのか、
自分を生きよ、
過ぐる１４日、
横浜に雪が舞った、
そして、
昨日、
児童の居ない終業の日を迎える、
一斉休校のまま春休みに突入、
新型コロナウイルスが、
世界中に広がっていく、
その対策に誰もが取り組んでいる、
子どもたちもまた、
一人ひとり考えている、
社会全体が一つとなって、
感染拡大に立ち向かおうとしている、
多くの痛みを伴いながら、
子どもたちもまた、
我慢しながら、
一人ひとり考えている、
自分にできることは何かと、
白い雲と青い空、
見えないけれど、
木は春の蕾を宿している、
港横浜、
旧港湾軌道をたどる、
木の枕木が優しい、
ここからは、
石畳に替わる、
煉瓦倉庫が並ぶ、
静かな佇まい、
往時の声は、
今どこに、
寒桜の蕾がほころびだす、
こちらは空を覆う桜花、
雪柳が揺れる、
花壇の彩りが優しい、
ベニバナトキワマンサク、
そして、
どこからともなく、
沈丁花の香り、
春です、
