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鉱物の部屋へのいざない

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ジャパン・デコ

2014-04-11 13:14:01 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ジャパン・デコ」です。「ジャパン・デコ」という言葉は先日読んだ「日本のアール・デコ建築入門」という本の中で出てきた言葉です。これまであまり聞いた事のない言葉です。今、この「ジャパン・デコ」が気になっております。

「ジャパン・デコ」とは日本のアール・デコという意味として捉えて良いと思います。そもそもアール・デコという様式は世界各地の地域独自の造形要素も取り込んで広がって行ったという歴史もありますので、「ジャパン・デコ」とは和風を加味したアール・デコという日本独自の様式です。それは大正期から昭和初期にかけて広まりました。

私は鉱物マニアであって、同時にガラス好きでもあります。ガラスの世界も古代ガラスから現代ガラスまで魅力的なものが多いのですが、長いガラスの歴史で中で、特に好きなものが昭和初期のガラスです。その時代はちょうどアール・デコの時代でもあり、その鉱物的なデザイン様式に魅かれます。アール・デコのガラスでは何と言ってもルネ・ラリックのガラスは最高です。ただ、それらは高価で中々手が出ません。そのような高嶺の花とは違って、比較的安価で身近に感じてしまうのが昭和初期の日本のガラスです。

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ジャパン・デコ ガラス

これは私の名古屋時代に住まいの近くでやっていた大須の骨董市で購入したガラスです。昭和初期のアール・デコ風のガラスです。今日の「ジャパン・デコ」のひとつの例になると思います。このガラスを見ると、昨日出した二つの照明の形態的要素をひとつにまとめたような印象を受けてしまいます。昭和初期にはこのような和風なアール・デコ=「ジャパン・デコ」のガラスはたくさん製造されたようです。このような「ジャパン・デコ」のガラスは今でも骨董市などで比較的安価に入手可能です。私が日本人だからでしょうか?このような「ジャパン・デコ」には親近感と共に無条件の愛着を感じてしまいます。身近にあってしかも安い、こうなるとコレクションは自然に増えていきます。私は金沢に来てからはあまり骨董市には行かなくなりましたが、名古屋時代には鉱物コレクションと同様に「ジャパン・デコ」のガラスコレクションも増えてしまいました。それらは自宅はもとより実家にも置いてあるという状態です。

「ジャパン・デコ」と言うと、「日本のアール・デコ」(著者 末続 堯 1999年 里文出版)を思い出します。私はその本に刺激を受けて「ジャパン・デコ」のガラスを集めました。名古屋の骨董市ではその本に載っているものと同じものが実際に手に入りました。例えば、柘榴石と同じ菱形12面体の形態をした香水瓶(青海波の文様になっている)はお気に入りです。それは今朝、自宅を探したのですが、残念ながらすぐには見つかりませんでしたので写真は出せません。

どうも私の中の美意識では、鉱物と「ジャパン・デコ」のガラスの親和性は非常に高い、と言えそうです。

コメント
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