ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【9月も毎週日曜日は休業します。】

ギウダ

2014-04-10 15:43:58 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ギウダ」です。「ギウダ」、聞きなれない言葉だと思います。

「ギウダ」とは白濁している不透明なサファイア結晶の事です。それは大量に採れるものの宝石にはならない為にかつては放棄されていたそうです。それが近年なって加熱処理を施して宝石質の美しいサファイアに生まれ変われるようになり、ギウダ・サファイアとして流通しているようです。

Photo
スリランカ産ギウダ

このようなギウダはコランダム特有の形をしておりますが、色が地味で魅力的ではありません。そのままでは宝石にならないので鉱物標本市場では安価で入手できます。

今日の話題はこのような安価なギウダに付加価値を付けて宝石に磨き上げるという喩の話です。

今日の「ギウダ」はひとつ前の「アール・デコ」から繋がります。

「アール・デコ」の記事で最後に出した写真は「アール・デコ」的なフランク・ロイド・ライトのガラス・アートの写真でした。実は、その写真に似ている造形をこのブログの「柱」(2013.10.04)の時に出しております。それは金沢市尾張町の旧村松商店ビルの1階にある柱です。旧村松商店ビルは金沢に現存するアール・デコ建築のひとつです。残念ながら「日本のアール・デコ建築入門」という本には出ていませんでしたが、それは私のお気に入りの金沢建築のひとつです。(実は「石の華」を開店する際の場所探しの物件候補のひとつでもありました。その物件は市指定保存建造物になっており、当時は私は最初から断念してしまいました。)気に入っている理由のひとつはその柱の存在でした。そのアール・デコ調の柱には無条件に反応してしまいました。その後、そのビルは改装されタイ料理店やまた別のレストランに生まれ変わったようです。

その旧村松商店ビルを昨日見に行きました。昨日はまた何かに改装されるようで、まだ改修工事中でした。今度は何に生まれ変わるのだろうと思い、調べてみました。

すると、どうもそこは若手の創業を支援する「ギウダ」という一般社団法人になるようです。「ギウダ」はサンスクリット語で「無色に近い」という意味らしく、宝石になり損ねたギウダをサファイアのように磨き上げるという意味で、若手クリエーターらの創業支援の場に変身するようです。

確かに金沢は創造的な活動に適した街だと思います。そこで若い才能が集まってくる事は望ましい事だと思います。「ギウダ」という名のシステムが動き出した事は歓迎すべき現象だと思います。

今日の写真はその旧村松商店ビルにあるアール・デコ風の照明と自宅にある照明の写真です。その両者も何となく雰囲気が似ています。

Photo_4

Photo_6

両者はアール・デコ風の照明と言えると思います。どちらも鉱物的なイメージから成り立っているような気がしてしまいます。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする