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鉱物の部屋へのいざない

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私設博物館

2013-09-09 11:00:52 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「私設博物館」です。

鉱物趣味に限らず、あらゆる分野の研究者またはコレクターという人達の究極の夢は、自分の研究成果または集めてこられたコレクションを展示する「私設博物館」を持つ事だろうと思います。そのような夢を叶えるのは主に予算的な問題で非常に難しいのが現実だろうとは思います。「私設博物館」を造るには多くの費用がかかります。それを実現できるケースは希だと思います。

ただ、世の中にはそのような希なケースを実現できる方もいらっしゃいます。そのような好例は、鉱物趣味の世界では、京都の「高田クリスタルミュージアム」の例が挙げられると思います。そこへは私はまだ行けていませんが、そこはいつか行ってみたいと思っている施設のひとつです。

「私設博物館」をつくりたいのにつくれない人は多いと思います。そのような人達にある現実的な選択肢は晩年に公的な博物館に寄贈する事かも知れません。公的な博物館側にも受け入れ体制やキャパシティ等の問題があるかも知れませんが、運良く寄贈できた場合にはその貴重なコレクションは有効活用されていく可能性があります。ご自身の亡くなられた後にご遺族にそれらへの理解がなかった場合等にはそれらの運命はどうなってしまうか定かではありません。

昨日のブログは関戸信次先生のお通夜の話題だったのですが、関戸先生の採集された標本の事が気になります。既に小松市立博物館には多くの化石標本が保管されているとは思いますが、それらが常設展示される事を望みたいと思います。確か十数年前位に白山の植物化石の企画展があった事を憶えております。その時は関戸先生達が使っていたテントやハンマー等の展示もありました。先生の業績に対するご遺族の理解は一昨日のお通夜で良く分かりました。すばらしい常設展示コーナーが出来る事に期待したいと思います。

そういえば、北陸中日新聞の関戸先生のお悔み欄には遺族の話として「おじいちゃん、天国でも化石博物館をつくってね。」とありました。そのお孫さんの話から、もしかすると関戸先生も「私設博物館」をつくりたかったのかも知れないと思ってしまいました。そのように思えてしまったのは、ある事を思い出してしまったからです。それは石川県鉱物同好会の設立準備の宴会を催した時に、ちょうどその頃、先に挙げた「高田クリスタルミュージアム」がオープンするという情報があり、その話に関戸先生が興味を示されていたのです。先生が「高田クリスタルミュージアム」に行かれたかどうか?は定かでありません。先生の主なご興味は化石のはずですから、あの時のあの反応が鉱物結晶へのご興味だったのか?それとも「私設博物館」そのものへのご興味だったのか?真相は分かりません。

先生のお孫さんの話は、小松市立博物館を化石博物館として捉えて、天国でも同じような博物館をつくって欲しいという意味にもとれます。その話だけで「私設博物館」をつくりたかったのでは?というのは単なる思い過ごしかも知れません。ただ、化石好きならではの博物館をつくりたいというお気持ちはあったのではないかと推測されます。

関戸先生の研究成果と化石標本、それから連続地学講座のお話の資料、等々、小松市立博物館には貴重なものが豊富にあります。常設展示コーナーの実現に期待したいものです。

コメント
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