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今日は「恋路の霰石2」です。
昨日、北陸中日新聞の今月分の「鉱物のすすめ」が掲載されましたので、その紙面に出した写真を出します。地方面の記事はWeb上にはUPされません。
これは昔の道路工事の際に発見されたものだそうです。石川県産を代表する立派な標本だと思います。今ではこのようなものを採取するのは難しいとは思いますが、恋路はいつか採集会で行ってみたい産地のひとつです。
恋路の霰石(Aragonite)・重晶石(Barite)
もうひとつはTYさんが先日の「恋路の霰石」のコメントに書かれていた標本です。サンゴ虫みたいなものが霰石、板状の結晶が重晶石と思われます。重晶石が霰石に食い込んでいるようです。どうもこれらは同時に生成されたようです。不思議な事です。
鉱物の共生にはいろんな種類やいろんな組み合わせのケースがありますが、今回の場合は閉鎖された玄武岩の中の小さな晶洞内で生成されたものです。玄武岩は溶岩が固まったもので、晶洞は溶岩中にあったガスの抜け跡のように思われます。晶洞の内壁に張り付いているのはセラドン石です。
玄武岩内の晶洞は完全に閉じている訳ではなく外部からの液体が小さな隙間から出入りしていたのだろうと思われます。晶洞内は自然の坩堝となり、温度低下等の環境変化にともない鉱物の晶出や結晶成長が起きたのだろうと思われます。
それにしても自然は不思議です。このような標本にはそのような生成記録が秘められていると思います。そういう意味で貴重な標本だと思います。