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鉱物の部屋へのいざない

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染めメノウ

2013-06-04 12:38:54 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「染めメノウ」です。

このひとつ前のブログで石の世界には怪しいものが多々ある、と書きました。染成オーケン石はその典型のようなものです。天然のままの石である方が良いのに、人の手が加わる事によって逆にその価値を落としていると思います。

ただ、人の価値観には多様性があり、そのようなものを好む価値観やそのようなもので儲けようという人の欲望も存在しているようです。そのような人の価値観は本来、石の方には関係ありません。石には意志等なく、ただ存在しているだけです。私が染められた石の事をかわいそうだと思う事も石の方には関係ない事なのかも知れません。

染められた石、というと「染めメノウ」の事を忘れてはいけません。

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ブラジル産 染めメノウ スライス

これらはブラジル産の染めメノウです。赤いものは染めているというよりも、加熱され鉄分が酸化されて赤く変色しているようです。青や緑のものは染色です。

このような染色は装飾品や工芸品の分野では古くから行われています。それは天然色のメノウよりも鮮やかに人に好まれるように加工されたものなのです。これらのメノウの印象はそれほど違和感がありません。むしろ染められる事によって美しく変身していると思います。

そういえば、宝石の世界ではエンハンスメント処理は普通に行われているようです。それは普遍的な人の価値観で、より美しくしようという価値観からきています。

人間世界では古代ギリシアの哲学者プロタゴラスの「人間は万物の尺度である」という言葉が生きています。

石の世界では、石の方には関係なくとも、人の方で様々な価値観から様々な加工処理が行われているいるのが現実です。

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