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今日も塔についてです。
今日の塔はお寺にある五輪塔についてです。石造物の石塔の話題です。
五輪塔は古代インドにおいて宇宙の構成要素・元素と考えられた5大を象徴しています。その構造は下から方形=地輪、円形=水輪、三角形=火輪、半月形=風輪、宝珠形=空輪によって構成されます。(三角形は笠形または屋根形になっています。)
「地・水・火・風・空」、密教的な思想の影響が強いようです。
「地・水・火・風・空」、カンの良い人は古代ギリシアのエンペドクレスのとなえた四大元素「火・水・土・空」を想起すると思います。さらにプラトンは五つの正多面体に関連付けて正四面体=火、正六面体=土、正八面体=空気、正二十面体=水、正十二面体=エーテルまたは宇宙としています。正多面体がプラトン立体と呼ばれる由縁です。
実は五輪塔とプラトン立体の関連性を説いたのは高次元幾何学の第一人者である宮崎興二京都大学名誉教授です。この仮説はかたちに興味を持つ人にとっては魅力的な仮説だと思います。古代ギリシアと古代インドの思想と幾何学の関連性、この不思議な符合、興味深い説だと思います。
さらに、何年か前に、宇宙の大規模構造がどうも正十二面体であった、という報道があったと記憶しております。ケプラーの魅力的な正多面体宇宙論はトンデモ説だった訳ですが、こちらの真相は果たしてどうだったのだろう、と思い出してしまいました。