事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

福田靖講演会その4

2014-09-25 | 日記

その3はこちら

しかしそんな逆境に置かれても、とにかく福田氏は「HERO」を書き上げた。それにはいくつか要因があったという。

まず、自分がもう若くなかったということだ。

HEROの脚本が、シナリオの賞を受けた若手にまず託されたのは有名な話。しかしそんな有能で筆力のある人物も結局はギブアップしている。それは、若いがゆえに自分を中心とした世界が狭かったからではないかと。

自分はもう若くなかったし、芝居で挫折もしている。妻に食べさせてもらっていることに内心忸怩たるものもあっただろう。その思いが、企画がまぼろしになりかけた「HERO」を救ったともいえる。

また、月9という強力な枠には強力なスタッフが用意されていて、さまざまなスキルを与えてくれたとも。なるほど。

それにしたってやはりこの脚本には苦労させられたとか。早朝のファミレスで(いまも×××のジョナサンに午前5時ぐらいになるといるそうですよ)、パソコンが電池切れになるまでひたすらキーを打ちつづける。

「自分が、機械になったみたいでした」

結果として「HERO」の第一話(これだけ、さっき話の出たフジテレビヤングシナリオ大賞をとった大竹研が書いている)は33.4%の視聴率をゲット。なによりこのドラマがお化けあつかいされているのは、以降最終話まで一度も30%を切らなかったからだ。

普通のドラマは洗面器型といって、初回に高視聴率をとるものの二回目以降は下がり、最終話に向けて持ち直すというカーブを描くものなので、ほぼフラットに高視聴率なのは確かに驚異的。そして、福田が書いた最終話は36.8%の最高視聴率を記録している。

世間は騒然となった。いったいこの脚本を書いた福田靖とは誰だと。

「調べてみたらこれまでたいしたものは書いていない。お局様殺人事件とかそういうたぐいの(笑)。でもこれでようやく脚本家として食べられるようになったんです。ファミレスでパソコンを相手にすることはまったく変わらなかったんですけど」

そんな彼に、NHKがアプローチしてきた。以下次号

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