名著ではないかと思う。
三十代の、繊細な女性作家が、狭いベランダでくり広げる園芸エッセイ。人はなぜ種をまくのか、なぜ植物に癒しを求めるのか、に一定の結論を出してみせる。その結論に作者本人が惑ったりする。
植物のすばらしいところは、決して語らないことなのではないかとわたしは思う。彼ら(という言い方も変だが)の自己主張は微かだし、人間の思い入れを受け止めるふうでもない。
愛玩物である以上に、まず、生きている。そこですかねえ。とりあえず広大な畑を維持するのもたいへんだということももわかってくださいね。
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太陽がもったいない (単行本) 価格:¥ 1,620(税込) 発売日:2014-07-12 |