①12月24日15時の天気図 気象庁HPより引用
24日クリスマスイブは、冬型気圧配置となり(と言っても、24日後半になると、本州付近で等圧線の走向が北北東~南南西ですから、ちょっと変則的ですけど。)、北日本、東日本で季節風が強まりました。
通常、冬の季節風と言うと、北西の風 と言うのが、よく知られているところですが、こと、関東周辺に限っては、冬の季節風=北西風 とは必ずしも当てはまりません。
これは、本州中央部に、3000メートル級の山々がそびえる中部山岳を控えていることが原因で、日本から吹き付ける北西の季節風は、この中部山岳を迂回するように、ひとつは1・会津方面から栃木県北部那須地域と、群馬県三国峠周辺、もうひとつは、2・若狭湾から関が原を通り、濃尾平野を通り、伊勢湾へと吹きぬける流れとに分断されるからです。
②12月24日15時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
③12月24日15時の東海地方周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
引用図②③より、前記の1の気流が関東平野で北から北西となっているのにたいして、2の気流が伊勢湾周辺を通り、東海道沿岸を西寄り風となっていることがわかりますね。
そして、この 1と2の気流が、伊豆半島沖から駿河湾沖で収束し、シアーライン(気流の不連続地域)を形成し、当該シアーラインでは風向がまばらで風速は弱目となっています。
実は、この北西季節風が中部山岳で分断されてできたシアーラインですが、
<1>本州付近で等圧線がほぼ南北で、関東平野中央部で、上空1500メートルの風向が北西から北北西の場合・・・・・ 当該シアーラインは 神奈川県西部から伊豆半島、伊豆大島近海に
<2>本州付近で等圧線が北西から南東に走り、関東平野中央部で、上空1500メートルの風向が北西風の場合・・・・・当該シアーラインは 神奈川相模湾沿岸周辺に
<3>本州付近で等圧線が北東から南西に走り、関東平野中央部で、上空1500メートルの風向が北から北北東風の場合・・・・・当該シアーラインは 駿河湾沖から遠州灘沖に
移動するようになりますね。
そして、前記シアーラインの周辺では、大気が不安定な場合、降水雲が発達し、局地的に雨や雪を降らせます。神奈川県箱根周辺や伊豆半島では、冬季、このように発生する局地的な降水雲のため、時ならず降雪に見舞われて、道路の通行規制がしかれたりなど、混乱することも多いですね。(本ブログ平成17年3月5日の記事を参照ください。)