カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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本当に変りやすい秋の空 関東では午後から天気急変 夜には雨

2010-09-26 23:47:06 | インポート

①9月26日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月26日9時気象庁発表AXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③9月26日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④9月26日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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⑤9月26日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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⑥9月26日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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9月26日は、台風12号は千島近海で温帯低気圧にかわり、東北地方から九州地方まで、日本海に中心がある大きな移動性高気圧に覆われました。

このため、関東地方では、午前中はすがすがしい秋の青空が広がり、絶好の行楽や運動会日和となりました と言いたかったのですが、午後から関東地方南部よりみるみるうちに雲に覆われて、夜になると各地で雨が降り出してしまいました。

本当に変りやすい秋の空 ですが、天気図上は、この、関東地方で天気が急変する兆しが現れているのです。

引用図①より、26日9時現在、日本海に大きな移動性高気圧がありますが、この移動性高気圧、その外縁が南東方向へと広がっており、関東平野南東沖まで張り出しています。この様子が、引用図②の下側図より、26日9時現在、上空1500m付近で、関東平野周辺では、弱い北より風で寒気移流となっていますが、関東平野南東沖では東風~南東風 東海道沖では南~南西風となって、暖気移流に替わっています。引用図③④より、26日9時、15時とも、上空1000m付近で、関東平野の各地では、おおむね北東~北より風で風速は弱めですが、伊豆諸島八丈島のみ、9時と15時は南南東風 で15時には、風速が10m以上と強まっています。

これらのことより、26日9時には、下層でが、関東平野の各地は寒気移流に対して、伊豆諸島南部から東海道沖辺りは暖気移流となっていることが推定されます。

さらに、引用図②上側図より、26日9時には、山陰地方に500hpaの気圧の谷があり、関東地方から東海地方では、500hpaの気圧の谷の前面に入り、上空3000m付近で上昇流が卓越してきています。特に上空1500m付近で、南より風と南西風とが衝突し、暖気移流が特に顕著になっているのが推測される東海道沖では、とりわけ上昇流が顕著となっていますね。

引用図⑤⑥より、前記した上空3000m付近の上昇流卓越地域の東海道沖で、26日9時には降水域がまとまりはじめ、26日15時には、降水域はさらに北方向へ広がり、一部、発達した降水となっています。降水域がこのように、時間が経過するに従い広がり発達してきたのは、引用図②上側図での、500hpaの気圧の谷が東進して、東海道沖から関東平野上空3000m付近の上昇流が一層顕著になったためですね。

今回のように、本州付近が大きな移動性高気圧に覆われる場合で、当該高気圧の外縁に入る場合、下層の寒気移流と暖気移流の分布具合に注意!特に、寒気移流と暖気移流とが衝突している箇所は、思いのほか悪天となってしまいます。さらに、当該、寒気移流と暖気移流とが衝突している箇所に、500hpaの気圧に谷が進んでくるパターンになると、当該、寒気移流と暖気移流との衝突箇所で局地的に降水域がみるみるうちに発達し、強い降水をもたらすようになりますから、何卒ご用心ください!


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