カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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地上天気図からはよくわからない! 降水域はこんな所で発達

2011-10-22 23:54:24 | インポート

①10月22日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月22日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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③10月22日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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④10月22日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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10月21日より西日本の太平洋側を中心に所処で激しい雨が降り続き、降り始めてからの総雨量が300㎜を越えた箇所も発生しました。

引用図②より、22日9時現在、東北地方太平洋沿岸から関東地方茨城県から千葉県太平洋沿岸部と東海地方に発達した降水域が見られます。

当該発達した降水域というものですが、

引用図③の上側図より、

Ⅰ:500hpa(上空およそ5500m付近)の谷の前側に分布し、

Ⅱ:当該箇所は引用図③下側図より、上空1500m付近では、本州の南海上から、南東~南西風となって本州付近へ吹き込み、気温が高くなっており(暖気移流で暖湿流が入り込んでいる状態です。引用図④の白輝域と対応しております。)、上空3000m付近の上昇流域となっています。これらの地域では、併せて、引用図④の白輝域と対応しております。

つまり、今回の大雨、500hpa(上空およそ5500m付近)の谷の前側の下層に流れ込んだ、南海上からの暖湿流と、上空3000m付近の上昇流域が根源と言えます。

当該、下層暖湿流に伴う大雨と言うもの、本州の地形的特性に敏感に感応して、非常に局地性の富んだ降水分布します。上空1000m~1500m付近の地形的鞍部や、斜面沿いにあたる地域、それに、関東平野や東海道沿岸など、内陸部に相対的に気温の低い気流が対流しやすい地域に暖湿流が衝突しやすい地域で降水量が多くなる特性があります。

今回の場合も、内陸部に相対的に気温の低い気流が対流しやすい地域に暖湿流が衝突した関東平野の茨城県~千葉県周辺では降水量がまとまり、24時間降水量が軒並み100㎜~150㎜もの大雨となりました。


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