カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東南部に沿岸前線発生。

2005-03-28 22:55:57 | 日記・エッセイ・コラム

2005032818_Kaze

2005032818_Kion

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28日は、低気圧が本州南岸を東進したため、本州の南岸沿いの地域では全般的に雨となりました。南西諸島の一部ではかなりの大雨となったところもあります。

て、引用図の28日18時の天気図、関東地方のアメダス風向風速図と気温図をみると、低気圧が関東南岸にありますが、関東平野では、千葉から横浜を結ぶ線上より南側では、気温が概ね13℃から15℃程度となっており、風向は南側では南よりの風、北側では北よりの風となっており様子が判ります。なお、画像にはありませんが、関東地方上空では1000メートルあたりより上空では南よりの暖かく湿った風が吹いています。言ってみれば、地表付近の前線が発生していると言えますね。

この状況は、関東以西の太平洋側の沿岸部で発生し易く、沿岸前線と呼んでいます。

特に関東平野では、低気圧が西から接近通過する場合、内陸部に冷気が溜まり易く、関東南岸で南よりの風となる場合は、沿岸前線が発生し易くなります。

この沿岸前線を境にして、直線距離で10キロ程度しか離れていなくても、気温差が10℃以上となることは珍しくなく、冬季の関東平野では、雨と雪との境目となります。。

沿岸前線付近を中心に雨量がまとまるものですし、時には沿岸前線付近では、短時間強雨や、竜巻、突風が発生することもあります。昨年6月30日にに静岡県静岡市で360ミリを超す豪雨となったり、本年1月16日に千葉県銚子で200ミリを超す冬の大雨となったのはこの沿岸前線の影響と考えられます。