25日の日本列島各地では、一時的に冬型気圧配置が強まり、日本海側では各地で雪となりました。また、全国的に風が強く、伊豆諸島の三宅島では午前10時20分頃、最大瞬間風速34・7mを観測したほか、関東地方では、午前中、JR鹿島線の延方~鹿島神宮間で、運行規制値の25mを観測したため、列車の運行が見合わせとなったりしました。
引用図では、25日9時の天気図と、関東地方周辺のアメダスの風向風速図をご覧頂いていますが、関東地方の風向風速の情況をつぶさに見ると、埼玉県より北側では、北西風が、そして、伊豆諸島から伊豆半島では西から西南西の風が吹いており、この風向の異なる風同士が神奈川県三浦半島から相模湾沿岸で衝突しています。すぐ東側の千葉県でが西よりの風が強まっていますが、この2つの風が衝突している三浦半島から相模湾沿岸付近を中心にして、神奈川県西部や東京多摩地区では、風は弱めとなっています。
実は、このような現象は、関東平野では冬型気圧配置時には良く見かけることです。2つの風が最も衝突し易い地域は伊豆大島近海から神奈川県箱根周辺ですね。
冬型気圧配置時には、季節風は日本列島の地形的特性の為、関東地方には、上信越の山岳や福島方面から関東平野に向かって吹く、北~北西風と、静岡方面からの西から西南西の風が関東南岸で衝突するようになりますが、静岡方面からの風の南分が大きくなり、その風が強まるほど(言いかえれば西南西風から南西風となる場合)、前記した、2つの風の衝突する地域は、北側に移動するようになります。概ね、本州付近の等圧線が、北北西から南南東に走っている時は、当該衝突する地域は東京地方から神奈川県付近、日本海北部に低気圧があり、本州付近が西より風が卓越する場合は、栃木県南部あたりまで北上することもありますね。
このように関東地方は、全国でもあまり例がない、本州の地形的特性で分断された冬型季節風同士が衝突する場でもあるんですね。
※引用図は3月25日9時の天気図とアメダス風向風速の関東の画像です(気象庁HPより引用致しました。)