カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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天気図には現れない今日の悪天域。天気を読むには衛星画像図も重要。

2005-03-15 23:27:51 | 日記・エッセイ・コラム
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15日は、天気図を見ると、日本の東海上にある高気圧が本州付近に張出して、関東以西の各地では、一見、天気が良いように見えますが、実際には、雲に覆われたところが多く、弱い雨や雪がちらついた所もあったようです。
まさに、関東以西の今日の悪天は、低気圧や、前線などで表現されていません。

ところが、気象庁や民間の気象関係の方々が天気予報を出す際に見る専門天気図や気象衛星画像より、本州付近の気流の立体的な情況を調べると、ちゃんと、その痕跡が現れています。今日の、この悪天域は、上空の気圧の谷に伴うもので、気象衛星画像上では、大きな雲のかたまりが現れています。この雲の塊が、上空の気圧の谷の東進にともない、西から東に本州上を移動したためです。
今日のように、天気図上に低気圧や前線が現れていないからといって、好天を予測するのは早計というもの。昨今の天気予報番組や、新聞やインターネットの天気予報のコーナーには、気象衛星画像の雲の様子がありますので、気象衛星画像にも気を配って下さい。

さらに、気象衛星画像では、、天気を崩す低気圧や前線が発達の度合いを見極める事も可能です。

ちなみに、天気図上に低気圧が表現されていて、その低気圧が小さいものであっても、気象衛星画像上で、その低気圧の北側前方に向かって、お椀を逆さまにした雲が大きく広がっている場合は、その低気圧は、確実に発達するとみて良いでしょう。天気図の前線上で、気象衛星画像では白く輝いている場合は、その前線上の雲は発達している証拠です。そして、そのような白く輝いている雲が一定の場所に停滞してあり、南海上からその地域周辺に向かって刷毛で書いたような形の雲が合流していれば、当該雲が停滞している地域には、集中豪雨の発生を懸念する必要があります。

※引用図は15日15時の天気図と気象衛星画像です。(気象庁HPより引用致しました。)