カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東平野は、ぽっかりと雨雲の切れ間

2005-03-17 20:26:25 | 日記・エッセイ・コラム
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17日は、低気圧が発達しながら日本海を北東に進んだため、ほぼ全国的に天気が愚図ついてしまいました。
特に、本州南岸では、雨量がまとまった地域もありました。

関東地方も、低気圧に伴う温暖前線が通過した昼前から昼過ぎを中心に広範囲で一時雨が降りましたが、温暖前線の南側に入ると、すぐに雨は止んだ所が多くなりました。

ところが、関東に隣接する、東海地方や北陸地方など、全般的に雨で、雨脚が強まっている所もあるようです。

引用図の左側の、全国の雨が降っている様子をごらんいただきましょう。関東平野だけ、ぽっかりと雨が降っていない地域が広がっていますね。これに対して、関東地方でも神奈川県箱根周辺、それに中部地方では、雨が降っていて、一部でやや雨脚が強まっています。

このように、関東平野と周辺地域での雨の降り方のコントラストが大きくなることは、実はそんなに珍しいことではありません。
17日のように、低気圧が日本海を東進して、関東以西の各地が、当該低気圧の南側に入って、各地とも南から南西の風が吹くときに、関東平野と周辺地域での雨の降り方のコントラストが大きくなります。

その訳は、関東平野を取り巻く地形のためです。

まず、関東以西の各地が、当該低気圧の南側に入って、各地とも南から南西の風が吹くときには、本州の山脈で風が上昇して雲を発生発達させて、東海地方など、山脈が南に開いた地域でまとまった量の雨を降らせることが多くなります。

一方、東海地方の東側に隣接する関東平野には、北~西側をせる山脈で囲まれて(特に西側の山脈が東海地方にまとまった量の雨を降らせるものです。)いますね。東海地方に雨を降らせた風が、関東平野には山脈から吹き降りる形になります。
山脈から風が吹き降りるようになるとは、雲は逆に発生発達しにくくなるため。このような雨の降り方のコントラストが現れるわけです。

低気圧が日本海を東進して、関東平野の沿岸部が全般的に南~南西風となるときは、関東平野は前記した理由で、雨が振りにくく、箱根や静岡あたりが土砂降りの雨となっても、雲の切れ間から青空がのぞくこともあります。

ところが、低気圧が日本海を東進してきても、関東の南部沿岸部でみ南~南西の風入っても北関東や内陸部まで吹かずに、気温の低い北東~東よりの風が吹くときは、、関東平野の内陸部では気温が低い状態が持続し、関東平野沿岸部に局地的な前線が発生して、関東平野各地でも雨となり、茨城県の南部から千葉県、東京23区や多摩東部地域、それに神奈川県を中心にまとまった雨量となってしまうことがあります。

※引用図は17日15時の天気図と、17日15時の関東甲信越方面のレーダーアメダス合成図です。(双方とも気象庁HPより引用いたしました。)