【ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】その83 】
海外滞在が長く、外国語にもご堪能な方ですが、
一週間程度で 物凄い量のものを見る、読む、聴く。
とにかく私もビックリ。見習いたいと思っております。
読者の皆様、感想等ございましたら 私が責任を持ってお伝えしますので ぜひコメント欄にお願いします。
◇2ヶ月ぶりで甲府に行ってきました。 昨年末の「渋さ知らズ」の公演後、
駅裏の焼き鳥屋で知り合った女性が企画した「吉野寿（eastern youth）」
のライブを観るのが目的でした。 ほったらかし温泉で「こっちの湯」に入り、
開演前に会場近くの四半世紀を超える老舗の喫茶店で、ドイツ語の恩師
と大学の先輩に再会しました。 2人と会うのは、昨年4月半ばに北杜市の
満開の桜を一緒に見に行って以来。昨年9月のウィーンに引き続き、来月
ドレスデンを中心にドイツ旅行を計画中とのこと。お元気そうで何よりです。
http://d.hatena.ne.jp/lyoryo/20110627/p5
◇「2011年は震災の影響で結婚するカップルが増えた」というニュースが
流れ、個人的にも直接或いは間接的に 「結婚」の言葉を友人や知人から
計5件聞いていたので、『あー、今年は増えてるんだぁ』と実感してました。
ところが実際は“戦後最低の67万件”だそうです（笑） ま、ちょっと冷静に
考えてみれば、「3.11」以後、計画停電や自粛ムードが続き、夏には節電
対策で業種により休日変更があったりして、前年比4.3％減（▲3万件）は
よく持ちこたえたというか、決して“悲観的な数字”ではないと思いますが。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120201-00000005-jct-soci
◇書籍や雑誌を毎月街の大型書店で5000円以上購入しているひとなら、
常識で当たり前のことなのかもしれませんが、商品券や切符・チケットを
扱っている店で、“全国共通図書カード”が3、4％引き（5000円カードなら
4800～4850円）で売っています。おつりは出ず使いきりが原則で不足分
がある場合は現金払いになりますが、2枚所持していればそのまま継続
して残金処理も可能です。 最近、書店側でも独自のポイントカードを作り、
ユーザーに割引を行ってますがコレ定価販売維持の苦肉の策でしょうか。
◇年間100本以上の映画を観ていると、正規入場料（1800円）と数回3D
の特別料金を払うと単純計算で年20万円弱。 ところが夫婦50割引（2人
で2000円）や前売り券、毎月1日と14日（tohoシネマズ）の“1000円ディ”
や20時以降の深夜割引を使い、さらに、「tohoシネマイレージ会員」には、
6本観ると1本無料、6000分（約50本）で1ヶ月無料のフリーカードが発行
されます。 つまり平均単価は多分1200円にも達せず、年間12万円以下
なんですね。1月1万円なら飲み代2、3回分で、安くて楽しめる娯楽です。
【コンサート】
■吉野寿（eastern youth） 「歌の番外地」（桜座、12/02/11 ★★★★）
イースタン・ユースのトリオ演奏ではなく、【SG-1000】のギター1本でソロ
ライブ。 17才で高校中退、帯広から札幌に出たころを歌った「札幌1985」
や「インサイド・アウトサイド」、「hang around 杉並」、「足」など缶ビールを
飲みながらの約2時間。 懐かしいザ・ディランII の「君の窓から」（1972）
のカバーは意外な選曲でした。それにしてもエレキギター1本を弾き続け、
最後まで激しいストロークとカッティング演奏をこなし、本人曰く「ほとんど
演奏後チューニングする必要がなく狂わないギター」は隠れた名器です。
http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/guitars-basses/artists/interviews/yoshino01/
http://www.yoshino-seisakujyo.com/
【映画】
■ドラゴン・タトゥーの女 ＜原題 The Girl with the Dragon Tattoo＞
（★★★★） 2年前のスウェーデン語版に続く、ハリウッド製作リメイク版。
経済ジャーナリスト（ダニエル・クレイグ）が、40年前に起こった少女失踪
事件の調査依頼を受けて、女性ハッカー（ルーニー・マーラ）と問題解明
に当たる内容。ハッカーがなぜ保護観察下にいるのか説明不足ですが、
衝撃的なシーンが続き 158分がアッという間のスリルとサスペンスです。
冒頭1970年に日米でヒットした超有名曲のカバーが使われますが、これ
はよくよく考えてみると最終的には「ネタバレ」です。 ご注意ください（笑）
公式HP ⇒ http://www.dragontattoo.jp/
■ゴーストライター ＜原題 The Ghost Writer＞（★★★★☆）
昨年8月末に封切られたロマン・ポランスキー監督・脚本のスリラー映画。
元英国首相の自伝を依頼されたゴーストライター（ユアン・マクレガー）が、
執筆作業に取り掛かろうとしたところで、元首相のスキャンダルが起こり、
大騒動に巻き込まれながら、前任者の不可解な死亡事故の原因究明と
元首相の大学時代の謎に迫ります。 後半は緊迫感あふれる映像となり、
フェリーにおける追っ手からの逃亡、専用ジェット機内で元首相との激論、
出版記念パーティにおける“どんでん返し”と結末の音処理が見事です。
公式HP（音声注意） ⇒ http://ghost-writer.jp/
【Book】
■石川直樹 「最後の冒険家」（集英社文庫、11/09/25 ★★★★☆）
ひとはなぜ冒険に駆り立てられるのか。 公務員でありながら、熱気球に
よる太平洋単独横断を目指した神田道夫の元パートナーで写真家による
記録。 第6回開高健ノンフィクション賞受賞作。 2003年夏の出会いから、
翌年1月末彼らは太平洋横断失敗。 2008年2月北太平洋上空で神田が
行方不明になるまでを記載。彼の冒険は近代の冒険であり、「植村直己
の系譜の最後尾付近に位置する」と考える著者。最初の失敗から4年半
後、トカラ列島の悪石島に漂着したゴンドラとの再会が感動的な最終章。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-746742-0&mode=1
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最後の冒険家 (集英社文庫) |
| 石川 直樹 | |
| 集英社 |
■石川直樹 「世界を見に行く。」（リトルモア、12/01/17 ★★★★☆）
“ほぼ日”（ほぼ日刊イトイ新聞）で連載されていた52回分を1冊のポスト
カード集にまとめて、奥野武範（ほぼ日）が構成と説明文を担当。世界の
あちこちで撮影された風景や人物や動物の写真と、出入国時のスタンプ
まで押印され、表紙裏には著者によるまた別のコメントを収録。知らない
場所がほとんどで、「世界が広いこと」を視覚的に実感できます。 巻末に
書かれた著者と糸井重里の旅に関するエッセイが素晴らしく、もうこんな
“行き当たりバッタリの旅”をしなくなってから、何十年も経つ自分を発見。
http://www.1101.com/naoki_ishikawa/sekai/index.html
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世界を見に行く。 |
| 奥野 武範 | |
| リトル・モア |
【オマケ、今週の気になった言葉】
■僕の人生に必要ありません。 向こうも同じだろうけど（笑）
（by 山下達郎、ぴあ100Qインタビューより）
http://www.pia.co.jp/interview/198/page3.php
「AKB48についてどう思うか？」の問いに対して山下達郎が答えたもので、
その後「山下達郎、AKB48を“ディス（dis）る”」で、2チャンネル内で大騒ぎ
になったそうです。“ディスる”は「disrespect：失礼、無礼」の動詞で「バカ
にする」という意味。 本人には全くAKB48をバカにしたつもりはなく、熱烈
なAKBファンが過剰に反応した結果で本人曰く『“しゃれ”が全く通じない』
しゃれ（洒落は当て字）って、言葉遊びや機知（ウイット）に富んだ言葉で、
ひとを笑わせて和やかな場を作りますが、受け手に精神的余裕がないと、
その言葉の裏にあるユーモアを考えず“言葉尻だけ”捕らえる傾向にあり
ます。 竹内まりやと彼の娘が中学生のとき、学校で「両親について、ひと
こと書く」という課題を出され、彼女が書いた答えが“ウザイけど、ときどき
使える”で、これを名言だと思う父親（達郎）の感性と寛容は素敵ですね。
では。