ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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「ピアノノート」の余波

2011年12月30日 22時24分50秒 | what's New Today

 

 

「ピアノノート」の余波にひたっております。

 


ピアノ・ノート
朝倉和子
みすず書房

 

実に、実に、スバラシイ本でした。

ちなみにこの「ピアノノート」はピアノ雑記帳、という意味にとれるが

本文を読むと、ピアノの音、と訳した方がピッタリ来る。

多分本人もそういうことを言いたかったんだなとお思うのです。

 

平均律を導入しなければ量産できなかったピアノ。

4度圏のフラット方向で下がっていった最果てのGフラットと

同じくシャープ方向で上がっていったFシャープは本来別の響きであり、

そこはベートーベンなどが厳しく峻別したらしいが

ピアノにとっては、それは同じである。

なのでドミナントモーションの真のパワーも

平均律では損なわれた。

それを普通のことにし、耳もそれを慣れさせたという意味で

ピアノは罪深い、などの記述は

本当に面白かった。

 

●奏者が自分でピッチを変えることができないという楽器の異端性、

ビブラーをもかけることができない。

●持ち運ぶことができない。(実は1960年代頃はスタインウェイのピアノは

海外遠征の時まで大西洋を渡って、費用は請求されなかったそうだ)

●いったん出した音のクレッシェンドが機構的に不可能。

 

なるほど、ですね。

 

これもね、面白かった。

マイ・フーリッシュ・ハート
南 博
扶桑社
鍵盤上のU.S.A.
1900
小学館
   
 

 

 



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