ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
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NEXO dayというスピーカーの発表会イベントに行ってきたのでした

2009年06月12日 22時25分17秒 | Photo&エッセイ
違反切符にもめげず、私が行ってきたのはフランスのNEXOというPA用スピーカーのイベントです。

PA用のスピーカーの音ってのは、ホールでないと聴けないし、聞き比べなどは通常全然できないのでとても貴重な機会。セッティングの説明もあったりして、PA系コピーライターとしてはとても勉強になりました。

それにしても(以下専門的な話です)サブウーハー(以下SW)に指向性を持たせることができるという技術はスゴイと思う。

通常100Hzなど、超低域は指向性を持たない、無指向性であると言われている。実際、ホームシアターの5.1サラウンドなどの場合、0.1であるサブウーハーは聴取ポイントからの距離が合っていればどこに置いてもいいとされる。逆に言えば、超低域で指向性を持たせるのは、理屈としては不可能なはずだ。

ところが、SWにおいて二つのスピーカーユニットを使い、周波数の1/4波で干渉する距離に離し、さらにディレイで一方のスピーカーユニットを1/4波分遅延させる。
それを作ることで、前の方向では位相による加算を、後ろ方向では逆相になることで減算を行うことができる。前方向で5dBの増加、後ろ方向で-15dBもの効果を発揮する。これは最近はやりで俺も使っているノイズキャンセリングヘッドフォンと多分同じ原理だ。つまり位相を正相と逆相とぶつけ合うことで後ろ側ではキャンセリングになっている、ということだともう。15dBって、ものすごいからな。それを減らせるというのは凄い。

面白いことに、これはスピーカーの向きの真横やや30度前向きに指向性が発生するようになっている。
さらにバスレフも仮想音源とし、同じように位置を決め、ディレイをかけることで、もっと低域でも同じ指向性のコントロールができるため、非常に顕著に位相を作り出すことができる。

これにどういうメリットがあるかといえば、SWはいまやライブのセットでは不可欠といえるが、ステージ脇に置くことが多いので、どうしても重低音がステージにまわりこんでくる。しかし板上のプレイヤー達にとっては重低音は不要で、いや不要であるだけでなく有害だ。明瞭なモニターを妨げるからだ。
今回はこれを実際にステージに載って体感することができた。いや、素晴らしい。ほんとうにSWの音が来ないデットポイントが見事にある。こんな事ができるんだな、素晴らしい!

で、SWをステージ上に回り込まないようにセットすると、外には重低音、板上はクリアなモニターというPAシステムが構築できる。これは素晴らしい。特に野外みたいなデカイステージだと、強力なSWが必要になるから、おれは大きい。

いや、SWってこんなに進化してるんだな。驚きました。

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1 コメント

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NEXO day Spについて (panag)
2013-06-18 17:38:26
只今、南こうせつと杉田二郎のJoint concertから帰宅しました。Pa担当者にお聞きましたところ、南こうせつさんはこのスピーカーを希望されたとのことでしたが、今までに経験したことのない臨場感溢れるものでした。
 帰宅後、本ページを拝読させて頂き、改めて勉強させられた次第です。
 ありがとうございました。
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