先日、自転車に師匠であるウメダ師匠から、会社の帰りがけ一緒に走りませんか、と誘われた。前回の同伴ランの経験が、もうとてつもないいい経験になったので(それでロードを買ったようなものです)、今回も半ば強引に仕事を強制終了し、一緒に走らせてもらった。集合場所は新宿高島屋のHMV。失礼にも弟子が予定よりやや遅れて到着し、師匠とともに代々木を抜けつつUターンして甲州街道へ。甲州街道から西へと走り、井の頭通り。ややゆったりとした登り坂を師匠が吹っ飛ばすのひ必死の形相ですがりつき、永福で北上。方南通り、五日市街道を抜けて、青梅街道についたときには、すでに南阿佐ヶ谷、という見事なルートである。
それにしても、師匠のおかげでロッシンというイタリア製のグレードの高いロード車を入手してからはじめての同伴帰宅なわけで、これは勉強になるなという気持ちと同時に、「仮免検定みたいだな」という緊張もあった。
甲州街道をズバっと西へ向かっているときの師匠の走りは非常にきびきびしたもので、平均で25km/hぐらい(手加減してくれてる)、道路状況とクルマの走りを常に冷静に観察しており、場合によっては自動車を一気にゴボウ抜く。その時の加速のスゴさといったら、同じ自転車に乗っているとは信じられないぐらいだ。遅れながらもなんとかちぎれないようにすがりつく。ときどき師匠の真後ろで走っていると、これが得も言えず気持ちいいわけで、ドラフティングってのにはなってないと思うが「おー、なんかツールみたい」と悦にいる。
瞠目すべきは、後続車(僕のこと)への進路の指示が手信号でなされるのだが、これが正確かつ明瞭で、ピヨピヨのビギナーにとっては心強いことこの上なし。実に頼れる師匠なのだ。誰かと走るときはこれを実践しようとココロに誓った。
ケイデンス(一分間のペダリングの回数)についても、これまた実践で教えてもらい実に勉強になった。理想的と言われるケイデンス90は、やはり思いの外速い。上級者ほど非常に軽いギアで走る。理由は最も筋肉が太い大腿筋(ハムストリング)をフルに使うことで、非常に長く速いペースで走れるそうだ。僕はまだ完全な通勤ローディではあるが、いつかは長い距離を走りたいので、ケイデンスをあげて走ろうと思う。
たぶん90を超えるアタリだとおもうが、前を行く師匠のケイデンスをまねて漕いでいると、あるスピードからカラダが上下に揺れてしまい、足がそれ以上回らなくなった。
阿佐ヶ谷に着き、駅前の旨いたこ焼きと白ビールを出す店で、「イケヤさん、すっかり通勤ローディになったですね」と、嬉しいお言葉。一応仮免の許可はおりたようだ。ケイデンスがあがったときのカラダの上下運動のことを聞くと「イケヤさん、それ、つまり足が回ってないんですよ」とこれまた貴重なアドバイス。ペダリングの極意はどうやら上下運動ではなく、前後運動のようだ。つまり、ピストンでいう上死点(時計で言う12時)から力を入れ真下(6時)に踏み抜くのではなく、3時のあたりからから9時までは押す、9時からは引く。(ちなみにこのたとえだとペダルの回転は時計の逆です)これが引き足であり、この漕ぎ方こそが、大腿筋を使う漕ぎ方だそうだ。
うーん、深い。そしてまたクオリティの高い課題をもらった気がする。さすがです師匠。もはやウメダ師匠はヨーダかも。
さて、阿佐ヶ谷でウメダ師匠と飲んでいると、師匠の奥様がこれまた素晴らしい自転車「バイクフライデー」でおでましに。そのお話は、また後日です。
↓これは師匠の通勤用ロード、フルカーボン。超カッコイイですがな。