ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
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久々の雪山テン泊:フロントポインティング

2017年04月27日 23時24分05秒 | Weblog
大した距離でもなく、大した難易度でもないが、先が読みにくく、ましてや雪の下がどのようになっているのか十分にわからない。
不安はあるが、それでもこの先がどうなっているのだろうという期待感の様なものが勝っていた。


ルートはここしかないというポイントを選び、ピッケルを刺して雪の状況を確かめる。
確実に確保できるポイントに刺し、次にアイゼンの前爪を蹴り込む。
「何とかキックステップで・・・」と祈る思いだったが、どうしてもフロントポインティングでしか登れないピンポイントがあった。

一端自分が上まで登り、そこからフロントポインティングの場所を指示するしかなかった。
フロントポインティングは、AM君は二度目、OC君は初めての経験となる。
道具(アイゼンの爪)を信じなければ絶対にできない登攀技術だと思う。


AM君が登ってきた。
先ずは、刺したピッケルが確実に動かないことを確認してから次の動作に移るよう指示した。
大丈夫だ。彼ならできる。


次にOC君の番だったが、この場合、登る順番を間違えてしまった。
経験値から言えば二番手はOC君で、AM君を最後にすべきだったと反省している。
つまり、ほぼ初心者のOC君を間に挟み、何かあった時に前後のどちらかからでも対応できるようにしなければならないということだ。


距離はいたって短いが、斜度のきついルートが続く。
ここでも数カ所はフロントポインティングでの登りとなった。
今度は岩の窪みに前爪を引っかけてのフロントポインティングだ。
しかし考えようによっては、他の二人にとって技術や経験値を高めるにはお手頃のポイントであるには違いない。
とにかく距離が短いことが幸いしているのだ。


ザイルは無かったが、この程度であればOC君でも登ってこられるだろう。


ピッケルの刺し方がまだぎこちないが、それも「慣れ」だ。


少し距離のある急斜面の登りとなった。
それでも荷物が無く身軽である分楽な登りだろう。
「赤岳になったら、これくらいの斜度の登りがずっと続くし、風だってかなりの強風だからね。」
上からそう言い、AM君を励ました。


「ガンバー! 三点支持でゆっくりと確実に登れば大丈夫だから!」
顔では笑っているが、こんな経験はOC君にとって生まれて初めてのことだろう。

何とか三人とも登り切った。
だが、残念なことにここより先へと進むことは叶わなかった。
何故なら、この先は全面ほぼ絶壁に近い状況であり、最低でもザイルがなければどうすることもできない。
できればスリングやカラビナも欲しいところだ。


「う~ん、残念! もう少し行ってみたかったなぁ・・・。」
時間にして僅か1時間程度のルートだったが、全くの初ルートは楽しいものだった。


これから氷柱ポイントまでもどり、再度滝壺へと向かう。
今回の予定はそこまでだが、下山後の楽しみが三人を待っている。

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