ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

避けては通れないもの

2017年05月02日 22時12分26秒 | Weblog
GWを挟んだこの期間、今年も山岳事故が相次いで起きてしまっている。
それは雪山に限ったことではなく、岩山でのクライミングにおいても例外ではない。

群馬県にある妙義山は、山岳クライミングのメッカであり、多くのクライマーで集う山だ。
その岩場で70歳を過ぎた方が滑落事故で亡くなった。
「70を過ぎてなにもクライミングなどという危険を冒さなくても・・・」
そういった意見があるのは事実だ。
確かに年齢からくる身体能力の衰えは歪めない。
しかし、だからといって本人を止める権利は誰にもない。
趣味で登るのであれば、あくまでも自己責任の世界。
それが「山」だ。

自分は亡くなられた方を知っている。
「知人」とまではいかないが、クライミングギアに関して何度か相談されたことがあり、その時にお互いに山談議に花が咲いたものだった。
「今度はどこへ登るのですか?」
「そうですねぇ、○○にでも行ってみようかと思っているんですよ。いやぁでもこの歳だから大したことはできませんけどね(笑)」
そんな会話をしたことを覚えている。

まさかあの人が・・・。

期待と希望と夢を持って笑っていたあの時の顔が忘れられない。

自然を相手にするスポーツである以上は、自然の力に逆らうには限界がある。
そして道具を駆使して登るということは、その道具を使いこなす知識と技術がなければ怪我につながる。
自然を熟知し、畏怖し、道具を知り、自分自身の体を知っていても避けては通ることができないことがある。


もうすぐ今期最後の雪山に登ることになっている。
今日は、そのための準備に追われた。
一つ一つのギアのチェックをしながらも、その人のことを思い出していた。
そして「俺だけは大丈夫だ」などという愚かな考えを改めて自己否定した。
山が怖くなった。
今までとは少し違う怖さだった。

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