今回初めて音楽院でのコンサートを鑑賞させていただいた。
ラフマニノフホールでの本番前夜、
その同じラフマニノフホールでの、声楽と室内楽のコンサート。
真ん中にクラリネットとピアノの二重奏をはさんで、
前半と後半に3~4組の独唱。
年恰好から察するに、歌い手さんが音楽院の先生で、
ピアノ伴奏が学生さんらしかった。
とはいえ、このピアノ伴奏が、めちゃめちゃレベルが高かった。
歌のないところでは、時に繊細で、時にダイナミックな演奏と、
鮮やかな技巧の数々を惜しみなく聴かせてくれた。
決して歌の邪魔はせず、だけどものすごく存在感のあるピアノ。
伴奏だけを聴いていても、十二分にコンサートとして成り立つぐらい、
どの組も素晴らしかった。
歌もそれぞれに味のある歌曲を、
それぞれに個性がしっかりと確立された声で歌い上げていて、
聴き応えたっぷりだった。
無料で市民に開放されているコンサートのようだったので、
たぶんロシア国内でも名の知られているような声楽家たちではないみたい。
だけど、音楽院の学生に経験を積ませるためだろうか、
綺麗なドレスやタキシードに身を包み、決して手を抜くことなく、
その歌声を披露してくれた。
これだけの先生方が、これだけ全力で、これだけの学生たちを教えている。
チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院。
その底力は、本当に相当なものだという気がした。
こんな学生たちのなかから、世界の頂点を極める音楽家が生まれてくる。
またいつかモスクワに行くことがあったら、
大ホールで、頂点を極めた元学生さんのコンサートも、ぜひ聴いてみたい。
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