ヒイラギ日記 ~Holy Holly's Diary~

小粒でも ぴりりと辛い 博士な日々。

「巨星墜つ」

2011-03-31 22:45:21 | ヒイラギのひとりごと

そんな言葉がぴったりくるかたの葬儀。
案内された席に座って遺影の懐かしいお顔を見上げた途端、
ぽろぽろ、ぽろぽろ、と涙がこぼれた。

本当に可愛がってくださった。
懐の深い、広い、愛情あふれるゴッドファーザーだった。

「こんな良い子、給料はずんであげないとよそに行かれちゃうぞ」
「お、元気でやってるか
「残念だったなあ、もう少し早けりゃ、息子のお嫁さんに来てもらったのにな」

いつも豪快に笑っておられた。

東京国際ブックフェアに出展するたびに、ブースをのぞきに来てくださったなぁ。

フランクフルトのブックフェアに出張したときも、
ひとりで退屈していないかと父子で代わるがわる声をかけていただいたなぁ。

次から次へと、そんなこんなのことが思い出される。

じかにお顔を見るのは、きっと悲しすぎて耐えられそうにない。
お別れと出棺には残らずに、青山を後にした。

大学の近くまで戻ったころ、それまでの快晴から一転、すうっ、と日が陰った。
あぁ、天上へ向かわれたな、と思った。

大学に戻って、建物に入るのを見届けたかのように、
ぱらぱらぱらっ、っと雨が降り出した。
ありがとうな、」って上の方から手を振ってくれている気がした。

こんなことって、あるのだろうか。
最後の最後まで、
気にかけてくださっていたみたいな空だった。

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心がこわれそうだ

2011-03-29 22:47:49 | ヒイラギのひとりごと

悲しい出来事というのはどうしてこんなにも続くのだろうか。

いまの自分があるのはここで働いたおかげ、
ともいえる時代の上司の訃報。

豪放磊落で、カリスマ性があって、それでいて情が深い、
思いっきりでっかくて、どっしりと頼もしくて、温かいかただった。

間違いなく、日本の出版界に大きな大きな一時代を築いたお一人だった。

とても可愛がっていただいた。
転職した後も、相談に乗ってくださったこともあった。

なんだかもう、この世がどうなっていて、
何が悲しくて、何が嬉しくて、何が苦しくて何に憤っていたのか、
わけが分からなくなってきた。

身も心も、涙が流れ続けているみたい。

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東京でソメイヨシノの開花宣言

2011-03-28 20:20:02 | ヒイラギのひとりごと

お昼前に、速報が流れた。
桜は咲いても、どうもなんだか、感情的には晴れないものがある。
今年は特に。

毎年思うけど、どうしてソメイヨシノだけこんなに特別扱いなんだろう。
ほかにも春の息吹を感じ取れるものは身の回りにたくさんあるのに。

どうもお花見のシーズンにやけに周囲がそわそわ、わさわさ、
気もそぞろな雰囲気になるのが嫌い。
ブルーシートを敷き詰めて、乱痴気騒ぎが繰り広げられるのも嫌い。

町内の名物〝さくらまつり〟は、今年は取り止めになった。
花を愛でるのならば、〝まつり〟じゃなくても、ほかにもやりようがあるしね。

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本番一週間前

2011-03-27 20:49:00 | 芸能人ヒイラギ

昨夜の天気予報の花粉マップが真っ赤っかだったので、
家から一歩も出ずに引きこもり。
こんな日に外出たら、顔じゅうぜんぶダメになる。

明るいうちに、譜面への書き込みの清書と稽古おさめ。
直前にラストスパートかけると本番にヘタる癖があるので、
あとはもう、本番しか弾かない。

今回演奏する予定なのは4曲。
筝が3曲と、痛めた右腕の回復が思わしくないので三絃は1曲だけ。

この1曲だけの三絃の手事部分が、撥を持つ手に負担大。
休符ほとんどナシでひたすら弾き続けるのはつらいけど、
古事記に題材をとった「神楽初め」という内容の珍しさを楽しんで弾いている。

筝曲も、3曲のうち1曲は組歌と呼ばれる曲。
今年演奏する「若葉」は1700年代に作曲された古いもの。
メジャーな生田流筝曲とは少ーし奏法も違ったりして、責任を感じる。

残る筝曲は、そのメジャーな筝曲の一つ「八千代獅子」と、個人舞台曲。
どれも、弾くたびに、前には気づかなかった新しい味わいに気がつく。
どれも、歌うたびに、まだまだもっと深いはず、と力不足を感じる。

いつ何が起こるか分からない、と痛感している今日このごろ、
古きよき伝統芸能を伝えることが、ほんのちょっぴりでもできたら、
っていうのも、こんなことやってる者の使命かなという気がしている。



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ファストフード日本代表

2011-03-26 20:26:30 | ヒイラギのひとりごと

今日はお昼前から、ひと駅むこうのスーパーへ。

いつも週末に入荷してすぐに売り切れてしまう美味しい牛乳が、
久しぶりに手に入った。
また買い占められたらヤだから、詳しくは書かない。

ついでに、そろそろ乏しくなってきた新鮮なお野菜とお肉を補充。

帰ってきて、お昼ごはんを作る。
使うのは、こないだ立川でゲットした鶏肉と、買い置きしてあった新玉ねぎと三つ葉。

久しぶりに作って思い出した。
そういえば親子丼ってびっくりするほどすぐできるんだった。
さすが昔ながらのファストフード。
しかも匂いかいだだけで、もう美味しい。

そうそう、これをなんか無性に食べたかったの♪と、
仕上げに海苔をもみ散らす。

ニッポンの食文化って、素晴らしい。

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Firefox 4

2011-03-25 14:10:54 | ヒイラギのひとりごと

愛用しているブラウザの最新版・正式版がリリースされたので、
さっそくダウンロード。

単純にすぐ目につく変化は、メニューバーがなくなったこと。



トトロの姿が楽しめるスキン部分がだいぶ狭まったのはちょっぴり残念な気もするけど、
ブラウズできる面積が「広くなった!」って実感。
表示も、さくさく、というより、シャッ、て感じでたしかにスピード感あり。

“バージョン・アップしました”っていうのはこういうことよね、って感心してたら、
あぁやっぱりね、大人気のFirefox 4。

Firefox 4、公開24時間ダウンロード数はIE9の約3倍の710万本
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1103/24/news018.html

この記事書いてる間にも、2,200万本を突破

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さまざまな〝余震〟

2011-03-24 22:00:00 | ヒイラギのひとりごと

本日も仕事で早朝から立川へ。

ぶっ通しで4時間超にわたるインタビューを終えて、
都心に戻る前に立川のデパ地下へ。

さくっと余裕でゲットしたのは、
なぜかいまだに近所のスーパーでは手に入らないこのふたつ。

牛乳
かしわ(鶏肉)

牛乳は大手メーカーのものから地方ブランドのものまで、
かしわも大身のもも肉から部位別・お料理別に切り分けたものまで、
いずれも十分な量の商品が並んでいた。

同じ都内だというのに、
計画停電に甘んじてくださっている地域の方々のほうがこんなに理性的…
とさらに感謝しつつ、電車で居眠りしながらオフィスに戻る。

こちらは諸事ふだん通りになりつつあるものの、
某メガバンクのシステムトラブルのせいで、経理総務さんから、

「ヒイラギさん、そういうわけで今月のお給料はこんな形になりました」

と生まれて初めてお給料袋で現金をいただく。
なんか微妙な感動。

しばらくしてひょっこりオフィスに顔を出した先生。
忙しそう~に年度末の決算処理に追われながら、

「ヒイラギさんのおかげですよ。
 早く入金してくれるように話つけといてくれたから、無事に年度が越せます」

いえいえ、とか言いながら、積み上がった残務をわしわし片づけて、
貴重な牛乳が悪くならないうちに、そそくさと帰宅。

家に入ると、どこかから見てたみたいに狙い澄ましたタイミングで電話が鳴る。
ストーカー被害経験者としてはややびびりつつ受話器を取ると、男性の声で、

「タグチと申しますが、○○○様のお宅でしょうか、ヒイラギ様は…」

自分が知ってるタグチさんはみんな女の人だし。
もしやだれかに何かあってお身内の人からか、それとも胡散臭いセールスか
おそるおそる自分だと答えると、

「わたくし、テ○○○○○・パ○○○○○でお世話になりましたタグチです」

彼が口にしたのは、房総半島にあるタラソテラピーのスパ施設の名前。
お世話した覚えはないけどなと思って聞いていたら、
利用者が20万人を突破したので、ファンの皆様に記念サービスのご案内で、という。

なんのことはない、
昔来てくれたお客さんにセールス電話をかけてきただけなのだけど、
これもやっぱり、某原発問題で房総半島にみんな行かなくなったにちがいない。

――そういうお話なら、メールか郵便にしていただいたほうが。ちょっと今忙しくしているので。

いつもなら機嫌が悪いと邪険に断るこの手の電話も、なんとなくソフトに辞退。
すっかり遅くなった夕食のしたくをして、ニュースは終わったかなとテレビをつけると、
ひと月前に出たオペラの前半を放映していた。

(あぁぁ、この騒ぎで録画するのすっかり忘れてた

節電に一生懸命になってたし。
HDDレコーダも電源根こそぎ抜いちゃってるし。

こんなに無事に暮らせている自分たった1人だけとっても、
いまだにこんなに色々さまざまに、何かしらのあおりをくってる。

被災された方々はさぞやと、12日目になってもやっぱり、心が痛む。

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お願いだから

2011-03-23 09:54:11 | ヒイラギのひとりごと

地震だわ 原発だわ 花粉だわ 寒いわ。

どれか一つだけでも ここらへんで勘弁してくれないかな。

そうしたら ニッポン全国 もすこし元気がでると思う。

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ただ、歌う

2011-03-21 22:18:22 | 芸能人ヒイラギ

葛藤、迷い、不安、希望、祈り、、、
ありとあらゆる感情と想いのなかで十日が過ぎた。

「命が助かったら、次に支えてくれるのはプライスレスな存在」

友人の言葉どおり、
この十日間の感情をどうにかコントロールしきれたのは、
この友人をはじめ、かけがえのない人たちとつながっていられたから。

関西から、外国から、心にしみわたるメッセージをもらったり、
情報の取捨選択の判断が同じ友人がメールをくれて心を強くしたり、
そんな親しい人たちと「いま自分たちにできること」をメールで話し合ったり。

日を追うごとに痛ましさの増すニュースと容赦なく普段通り過ぎていく時間のはざまで、
色々な感情が混乱して疲れてきた、とつい吐きだした弱音に、
すぐさま長い返事をくれて、癒してくれる人がいたり。
(彼の人間の大きさを、いままでにも増して尊敬し誇りに思う

そんなこんなの、言葉では書き尽くせないめくるめく想いをのせて、
いまはただ、筝を弾き、心とお腹の底から、無心に歌う。
組歌でご一緒する大先輩が、

「本当にね、きれーいな声なのよー」

と言ってくださって、なんか泣きそうになった。

今日は、そんな総リハーサルだった。

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遅ればせながら、ドキュメント・東日本大震災(4)

2011-03-19 22:56:47 | ヒイラギのひとりごと

もうすぐ夜の9時になろうとするころ、
ようやく先生と連絡がついた。

「明日のイベントは予定通り開催」

という判断。
取り急ぎ、参加予定者全員にメール配信を行う。
道中、くれぐれも十二分にお気をつけて、と添える。

明日も徒歩出勤かもしれない。
しっかり疲れを取っておかなければならない。

遅い夕食をとり、しっかりお風呂に入り、
お風呂掃除をして浴槽に非常用の水を貯めて、就寝。


翌朝、電車は復旧していて、
いざ家を出るというときに電話が鳴った。
オフィスで一夜を過ごした同僚から。

「先生からお電話があって、今日のイベントは中止だそうです」

マンションのロビーですぐさまパソコンを開き、
イベント中止とお詫びの緊急メールを配信する。

オフィスに移動して、その間にあまり反応がなかったらしいのが心配になって、
もう一度、同じ連絡を一斉配信。
肝心の講師陣に連絡していないらしいと言われて、全員に連絡。

開場するはずだった時刻に、会場前でチラシを持って待ち受ける。
このイベントですかと言われて頷いた人に、
1人ひとり、事情を話して頭を下げる。

大学の判断で中止になった証明書が欲しい、という人が来られた。
せっかく来たのに、建物の中にすら入れないのかと残念がる方も来られた。

そんなことを1時間半ばかりやっているうち、
通りすがりのおじさまたちが、

「昨日はすごかったねえ」
「この辺で、昼ごはん食べられる店は開いてるかな」
「大変だね、がんばって」

話しかけてくれたり、ミルクキャンデーをひとつかみくれたり。

ひとしきりの対応が済んで、自宅に戻ったのがお茶の時間くらい。
都心にいて大震災を直接体感したのはこのあたりまでだと記憶している。

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