3人きょうだいの真ん中に生まれついた宿命か、
はたまたそれゆえに身についた対人スキルの副作用か、
自分ではニガテだと感じる相手から好かれることも少なくない。
好かれるといってもホレタハレタではまったくなく、
純度300%ぐらいのビジネスパートナーとしてなのだが、
こんだけ生きてきて依然としてこうなのだから偶然ではなかろー。
仕事だからしょうがないわいと淡々粛々とやり過ごしてるけども、
正直に吐き出してしまえば、めんどくさい。
ハイ、めんどくさいこと、この上ないです。
そもそも、何がニガテって、早口にうわーっとまくしたてるように話す人がね。
よりにもよってそういう相手のほうから寄ってくるわけだから、
英語のリスニングばりに集中力が要って疲れるんですわ。
そんなわけで近ごろ、おやつ代がかさむ。
こういう疲れ方には甘いもんが必要だからね。
通勤電車のなかで、はす向かいに座る女性に、
なぜか目を引かれた。
デニムのひざ丈スカートにニットのタイツ。
背中の中ほどまでの長い髪にはアクセサリーもなく。
色白ですうっと鼻筋の通ったやや面長のその顔立ちは、
どこかで見かけたことがあるなと思った。
電車に揺られながら考えていて思い出した。
女優の真野あずささんに似た風貌。
だけどそれで目を引かれたわけではない気がした。
ただ、座って電車に揺られているだけ。
なのに彼女の周りの空気は、なんだかふうわりと澄んでいた。
ひざをつけてまっすぐに揃えた両脚。
軽く結んだ唇の両端は微かにきゅっと持ち上がっている。
この、居ずまい。
こういう人を「美しい」というのだろうと思った。
同じ電停で電車を降りて、
なんだかつい、背筋を伸ばしたくなった。
今年の温習会本番まであとちょうど三週間。
後にも先にもこんなに練習不足な温習会もなかった気がする。
演奏予定は箏が3曲、三絃が1曲、そのうち新たに習ったのが2曲。
習ったといってもどちらも師匠について1回ずつ通しただけの、ほぼ自習。
2ヶ月かけて4回ほどあるリハーサルは、出席できるのがどの曲も1回だけ。
その貴重な1回のリハーサルが次の週末。
それでいて、まだちゃんと歌えない箇所もある。(さすがに独唱部分ではないけど)
こうしてエアーのテクニックばかりが天才的に上達していく。
いいのかそんなんで。
乗らないときには、来る。
乗らないときには、時間通りに、来る。
なんなら、2台か3台、団子になって、来る。
乗るときには、来ない。
時刻表よりもずいぶん早めにバス停に行っても、来ない。
時間をだいぶ過ぎても、どんなに首を長くしても、来ない。
乗らないときには、来る。
あんまり来ないから諦めてタクシーに手を挙げた途端、
向こうの角を曲がって、来る。
来ないに決まっているからと電停に向かえば、
ちょうど引き返すには遠いあたりにさしかかると、来る。
なんかアタシに恨みでもあるんか。
んなお気楽なノリでひょいひょい書けるもんでもなく。
人によって違うだろうけど、まあ大体は、
テーマ(仮説)決めて
→構成(目次)考えて
→必要な知識(先行研究)はメモしながら頭にインプットして
→とりあえず粗く書いて
→行間埋めたり段落ごと入れ替えたり
→指定された書式に流し込んで
→気が済むまで推敲
てな感じで壮大な手間暇がかかる。
しかもこだわりが強い性分なので、
すっかり書きあがって推敲段階まで来てからも、
いつまで経ってもためつすがめつ原稿をもてあそんでたりする。
そんな調子なうえに、業績評価の点数とか全然考えてなし子。
ものすごく一生懸命がんばっていたって、
どこかへまともに出すのは2年に1本くらいなていたらくであ~る。
などと胸張ってるようなヤツなのに。
周りからおしりをたたかれている。
しょうがないから連日ラップトップに向かっている。
今日一日かかって3行目くらいまでだらだらやってみた。
明日は祝日だー
自由すぎる人生を華々しく生きているせいか、
こう見えて一般常識を知らないことも多々あるてんやわんやな毎日。
初めての本格的な“教え子”が巣立つセレモニーがいよいよ今週てことで、
さっき配信されてきた通知メールを見てビックリ。
そうだったのかー。
こないだ会議で「略礼装」って言われたのは、
「ダークスーツ」のことだったんか。
イヤちょっと待て。
“ダーク”な礼装つーかフォーマルスーツなんてこっちにないぞ。
それでなくとも着倒れ国出身者のフォーマルって、
ちょいと“はんなり”しちゃってるもんだから。
うっすーいグレーにちょいキラキラ入りだったり、
胸元にキラキラ縫い付けてあったりするぞ。
周りがみーんなダークだったら目立つかもねイヤ間違いなく目立つよね。
やだなー買いに行かなきゃじゃん。
てことで、明後日の祝日はデパートへGO!
が決まってしまったヒイラギなのであった。
弱り目に祟り目というほうがフィットするかな。
新しい組織って、えてしてこういう感じだけど、
昨日の午後は半日にわたって、
面白いくらいに必殺“ちゃぶ台返し”に翻弄された。
前日の会議で全員の合意が取れた話を、
蒸し返してはひっくり返し×2ラウンドに、
行きがかり上しかたなく巻き込まれ。
最後にかかってきた電話が、
トイレに行こうと席を立った瞬間でもあったので、
いいかげんにうんざりして。
――だったらもう昨日決まったままでいいじゃないですか、全員で合意したんだから。
その一言で半日間のあーだこーだはなかったことになり。
(ここら辺はさすがの“チチは裁判官”の血であるな)
やれやれと気が緩んだのがいけなかったか、
仕事を終えるころから吐き気を催す程度の偏頭痛。
帰りの電車の中でいよいよ本格的に気分が悪くなり。
マンションに駆け込むと同時に買ったばかりの体温計をわきに挟むが、
どうやら熱はない、けど、なんかぞわぞわする。
めちゃ空きっ腹だけど頭が痛くて上体起こしてテーブル着席はしんどい。
早々とコンセント抜いて部屋の隅っこだったヒーターをベッドわきに戻し、
念のために○カロンを1個背中に貼りつけて、
とにかくちょっと眠ろうと頭痛薬飲んでベッドにもぐりこんだのが夜8時。(!)
1時間かそこらで一回起きて野菜の豆乳スープ煮を温めてちょっと食べ、
律儀に歯を磨いてから再び寝て、
野性の勘で目が覚めたのが朝8時。
うっすら頭は重いけど、昨夜のような頭痛は引いて、
氷のようだった指先にも体温は戻ってる。
買い置きは何もないからとりあえず着替えて朝食を買って出勤する。
ハタから見れば何事もなかったかのように、
いつも通りの午前9時ギリ敷地内セーフ。
なんだろうな。ヤだな、この感じ。
過労でダウンしてたころは、休みになると知恵熱だった。
気をつけよう。
傷口に塩、的なタイトルにしてみました。
もうほんとに。
この西の国の気候は過酷です。
最低と最高の気温変動幅が2℃とか、
ありえない極寒の季節だったのが、
ようやく一歩移り変わろうとしているかな。
と思い始めた矢先の、
春を呼ぶ雨かと思いきやの土砂降りで
靴の中がたぷんたぷん化しながら出勤とか。
そんな雨の翌日だからと用心に用心を重ね、
昼休みすら外に出かけずに引きこもった努力もむなしく、
くしゃみ連発に次ぐ連発で目も鼻も大騒ぎ。
さらに翌日は朝から拭ってもぬぐっても涙目で、
これだけ本格的に花粉が飛んでるならさぞや春めいて…と思うのが人情だが、
ところがどっこい、吹きすさぶ強風は塩を含んで肌を突き刺す氷のような冷たさ。
それでも着倒れの町に育ったプライドゆえ、
いまさら厳寒期仕様のダウン部厚い冬コートに逆戻りは許せなくて、
■ートテック下着にダウンのライナー付きダスターコートを羽織って今日もゆく。
□ニクロさん、鳥さん、ありがとう。
瀬戸内=温暖なんて、夢だ、マボロシだ、うそっぱちだ!
最初の職業がああゆう感じだったので、
(知ってる人は知っている)
誰かから突然声をかけられても動じるということはほぼない。
そしてどういうわけか、少し変わった人から声をかけられることが、
わりかし多い。
今日も地下街への階段を下りているところで、
背後からさかなクンに似たハイトーンボイス。
「おねえさん、こんにちは!」
ほとんど何も考えず、ふつうに、
こんにちは~と返事しながら階段を降り続けていたら、
追いついてきたハイトーン君が、
こちらの顔を笑顔でのぞきこみながらもう一度、
「おねえさん、こんにちは!」
に続けて、
「靴のなかみが見えているよ!」
立ち止まって自分の足元に目を落としてみる。
はてな。
「おねえさん、靴のなかみが見えているよ!」
ハイトーン君が下を指さしながら畳みかけてくる。
靴のなかみってなんだろ。
今日は黒タイツに黒のスリッポンで透けてるわけじゃないんだけどな。
う~ん、なんかよく分からんけど、
――ああそうだねー、教えてくれてどうもありがとう。
そう言うと、ハイトーン君は満足げにうなずいて、
残りの階段を楽しそうに駆け下りていった。
街でひとしきり買い物と食事をして、
帰宅した今もって、靴の中身ってなんだったのか分からないけど、
このうららかに晴れた日曜日の午後をひとりの青年がごきげんよく過ごせたのなら、
まあそれでいいや。
弥生三月桃の節句に突入して早々、
人間ドックの病院から電話がかかってきて。
人生初の精密検査指令だったのだけど、
これまでずっと「大丈夫だけど様子見」だった項目なのでそれはいいとして。
ひとしきり日程調整の話をして、
それじゃあこの日のこの時間にって電話も終盤になったところで、「それで、検査のお部屋の場所は分かりますか?」
て言われても、地元のかかりつけってわけじゃないしなー。「最初に機械で受付していただくんですけど、機械の場所は分かりますかね?
それで○階に上がって左に行くと○○科があって・・・」
えっと・・・
それ、いま?
丁寧っちゃあ丁寧に応対していただいてるんだけど。
たぶん普段から心細げなおじいちゃんおばあちゃんにそうやって説明されてるんだろうけど。
でもこれ、“予約”のときの、声だけの電話で言われて、
よその人はみんな、分かってんのかなあー・・・
と、よけいなことばかり心配になってしまう今日この頃。
ちなみにヒイラギの検査日は来月だったりする。