ヒイラギ日記 ~Holy Holly's Diary~

小粒でも ぴりりと辛い 博士な日々。

ちょっと余談なロシア最終章

2008-12-09 21:13:16 | ロシア

海外に行くと意外とストレス感じるのが、トイレ。

自分でバケツに水を汲んで流すとか、
紙を使っちゃいけないとか、
国によって事情はさまざま。

生理現象にかかわるこのテの“思うようにできないこと”って、
長期滞在では結構こたえるもの。

昔々、ロシアにバレエ留学をした友人がいた。
最大の、どうしても慣れなかったカルチャーショックはトイレ、
と帰国してから嘆いていた。

「仕切りが何んにも無いねんもん

チュチュやレオタード姿のバレエダンサーたちが、
便器がダーッと並んだだけのトイレで平気な顔して用を足すのだとか。
なんだか変な想像力を掻きたてられる光景だ~・・・

さすがに21世紀のロシアでそれはなかろうと思いながらも、
若干の不安を抱えつつ、さて、初めての“ホテル滞在”。
モスクワのホテルのトイレ事情はどうだったかというと。

やっぱり、ノー・ストレスではなかったんだな、これが。

つい最近まで“アゼルバイジャン大使館”だったというこのホテル。
建物は古いけれども、部屋はこざっぱりと清潔にしつらえてあって、
ちゃんとバスタブがあって、蛇口からお湯も出るバスルーム。

タンクのてっぺんの丸い金属のボタンを押して水を流す、
一見ふつうの、ところがどっこい、これがクセモノだったトイレ。

用を足して、ボタンを押す。

「スコン…」

あれ ボタン全然きかないぞ
何度か押してみる。 力加減を変えてみたり、指を変えてみたり。

「スコン…、スコン…」

やがて試行錯誤の末、コツをつかんだルームメイトの先輩名取。

「ボタンごと“1時の方向”に少ぉ~しだけずらしてプッシュするみたい

この“1時の方向”がまた、ビミョ~なことこのうえない。
ボタンを押下できる引っ掛かりが感じられる部分の狭いこと、狭いこと。

無事に水が流れるまで延々繰り返す「スコン…」は、
夜中なんぞ、ものすごく虚しく響いて、ちょっとイラッと来たりして。

結局、ただの一度もできなかった「スコン…」なしの一発水洗。
日本の暮らしってありがたいほどベンリ、って思い知った。

そんなこんなのロシアでの日々。

あれからちょうどひと月という時間が経って、
ぼちぼち細かな記憶の断片も薄らいできたところで、
『ヒイラギ日記 in Moscow 2008』は幕といたしましょう。

До свидания(ダ・スヴィダーニヤ)

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