ロシアの水道水は、ものすごくものすごーく、ミネラル含有量が多いみたい。
顔を近づけると、ツンと鉄のような金属の臭いがする。
とことん硬度の高い硬水は、
外国人だけでなくて地元ロシア人の口にも合わないらしく、
水道の水を料理や飲用にする習慣はない様子。
レストランでもサービスで水が出てくることはないし、
小さな食料品店には必ずミネラルウォーターが大量に売られている。
日本の水とはまったく成分が違うんだなぁと実感するのは、入浴(シャワー)のとき。
なんだか知らないけど、とにかく、石鹸もシャンプーも、泡がほとんど立たない。
石鹸つけたのに、とか、シャンプーと間違えてリンスしちゃったのかな、とか、
思ってしまうほど、ホント、泡が立たない。
これで洗えてるんかな、と不安にかられつつシャンプー。
流しながら、なんか髪の毛がぎしぎしする。
旅行にドライヤーは持っていかないので、暖房のきいた部屋で自然乾燥。
乾いた後は、しっとりというか、ややべったりというか、
うまくさらさらヘアーにはならない。
歯磨きのときにうがいする程度だとお腹はこわさずに済んだけど、
まるでお風呂に入ったという実感がもてないまんま、
髪の毛だけ微妙にホームレス感覚で過ごした一週間だった。
しかも音楽院のゲストハウスは、使いこなすのにちょっと慣れが必要。まず、「Hot」と書いてあるカランをひねって出るのは水で、
「Cold」と書いてあるカランをひねって出るのがお湯。洗面台の蛇口も、レバーを赤い半円の側に寄せて出るのは水で、
青い半円の側に寄せて出るのがお湯。
一応バスタブは付いてるシャワールームだけど、
切り替えレバーをシャワーに切り替えて出すと、お湯はチョロチョロ。
切り替えレバーを蛇口にしたままお湯を全開にして、
それからシャワーに切り替えれば、ジョロジョロくらいに湯量が増える。
でもそれが限界。
シャワーッとは出ないのね。
「湯水のごとく」という表現があるほど、ふんだんにお水もお湯も使える日本。
ロシアに来て、お風呂で不自由な思いをするたびに、
日本は何て恵まれた国なんだろうなと、ありがたさを実感する。
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