お役所から「行きなさい」と言われて、しぶしぶがん検診へ。
仕事を何度も休むのもかえって煩わしいので、
「1日でぜんぶやっちゃいたいんですけどぉ」という横着な電話をかけたら、
受付のおじさんが一生懸命、空いてる日を探してくれて、今日。
本日最後の検診が、近ごろ流行りのマンモグラフィー。
放射線科の前の長椅子に座って、名前を呼ばれるのをひたすら待つ。
前と後ろにひとりずつ、年配の女性が待っていて。
しばらくして、ちゃんといるか確認のために3人とも名前を呼ばれた。
「ワタナベマチコさん」
「ヒイラギ○○○さん」
「コバヤシサチコさん」
思わず両サイドのお顔ちらっと確認しちゃった。
いや、確認するまでもなく全然別人なんですけどね。つい。
自分の名前が印刷物やら何やらで出回るようになると、
それを見た方からメールをいただくこともあるのだけれど、
たいていは初めて見るお名前。
これも知らない人だと思うなー・・・、などとつぶやきながら、
「一度お会いしたいのですが」と飛び込んできたメールに返事を書いてたら、
横から〝○○部長〟にクギを刺された。「またそんなこと言って。 どこかで会ってるかも知れませんよ~」
会って話したことがある相手の、お顔はたいてい憶えている。
お名前を記憶していないことのほうが多いだけで。
これまでの華々しい経歴を通じて、
世間一般的な知名度ということでは名の知られている人とお会いすることが少なくないので、
お顔とフルネームを憶えておく必要がある相手が多すぎて、
人名を記録しておくメモリ領域がそれだけでほぼ満杯。
なんだろう、基本、視覚からの記憶力に依存してるらしい。
字面でお名前を憶えているか、
そうでなければお顔のインパクトから自分にしか分からないあだ名を連想して記憶している。
字面にうっすら記憶があるだけならば、たぶん会ったことはない。
うん、会ったことないんだ、やっぱり。
花火の打ち上げ会場に近いビルに東京事務所を開設するという友人から、
事務所開きの前祝いBBQをやるから、とお招きいただいて出かけた。
炎天下の埼玉は越生町まで古民家を見に行ったその足で、
都心に戻ってきたのは花火の始まる3時間近く前。
なのに、浅草に向かう地下鉄に乗り換える改札口に近づくってだけでも、
あちこちで警備員ががなり立てる中おしくらまんじゅうの大騒ぎ。
機動隊に急かされながら、吾妻橋を渡るだけで30分ぐらいかかる牛歩の雑踏の中、
いかにも慣れた着こなしの浴衣姿の、大学生ぐらいの女の子を見かけた。
着付けがラクだし、花火大会といえば浴衣、というイベント性も手伝って、
単衣の着物の季節よりも和装の女子がグッと増えるのは喜ばしいことと思う。
ただ、ショックだったのは。
その女の子の浴衣の柄が、椿と梅の花だったこと。
いやー・・・、どう考えても、熱中症の季節の花じゃないでしょう。
百歩譲っても、どうにか春先でしょう。
「若い人にも気軽に着てもらいたい!」って着物屋さんの叫びが聞こえてくるようで、
気持ちは分からないでもない。けど、ここ、肝心なとこだと思う。
四季折々の草花や風物を、その季節に身にまとう。
「ならでは」な和の文化の、キホンのキだと思うの。季節感て。
そこだけは、崩さないで伝えていくこと、無理なのかなあ。
うちのカイシャには、今年還暦を迎えられた女性社員もいて、
週に3日、研究員の事務的なサポートをがっちり担当していただいている。
ふだんは“○○さん~”とお名前で話しかけているが、
人生においても、女性としても大先輩ってことで、
お仕事ぶりへの敬意と親しみを込めて、ときどき、ちがう呼び方をする。
昨日は、
“○○部長~” って話しかけたら、
「ハイなんですか、ヒイラギ社長」と笑いながら返事された。
残念ながらヒイラギは社長ぢゃないので何言ってんですか、と流していたのだが、
それじゃあ社内でのヒイラギの立ち位置はどんなもんか、と思ってみる。
先生が社長で、○○さんが部長で、その間。
社長も、部長も、何かにつけ「どうしたらいいですかね?」と聞きに来る、って立ち位置。・・・
やっぱ、ウラ、ですかね。
なんでこんなぎちぎちなんだ。
仕事を片っ端からワシワシ片づけてるはずなのに、
がんばったらがんばっただけ、スキマが埋まっていくのはどうしてなんだ。
背中いっぱいに背負った荷物を次から次へ下ろしてってるはずなのに、
ちっとも軽くならないどころか増えてる気がするのはなんなんだ。
おっかしいなあ。。。
たまには毒もはいてみる。
小さな子どもとか、大きな荷物を持った女性とか、ご老人とか。
渾身の力で大きくて重たい扉を開けたひょうしに、
すい、と脇をすり抜けて出入りをする。
それが許されるのは、ハエとか、カとか、ゴキブリとかの、
いわゆる虫けらーズだけ。
それを平然とやる、いい年をした大人の人間の男に遭遇するなんてことは、
ふつうに考えて、人間社会ではまずあり得ない現象だと思っている。
ま、実際にはそこまで腹立ったりしてないんだけれども。
ああまたこのテの生物か、て程度で。
それはそれで、情けないやら、もうどうしようもないやら、
って事態なのだ、って気はする。
紳士でなく さりとてサムライでもなく。
観客とは別の空間にいることができる舞台とはちがって。
ちょっとしたセミナーや講演会で話をするというのは、
また独特の上がりやすい距離感。
ご依頼いただいたクライアントさんのキャラにもよるのだろうけど、
今日の講演は、50枚近く作ったスライドでところどころ端折りつつ、
完全なるぶっつけ本番で臨んだのだが。
(まあ色々いそがしかったんで・・・)
1時間ちょい話して、続けて1時間みっちり質問の嵐。
しかも、“最後にちょっとだけ”の約束だった評価の話にみんな鬼のように食らいつき。
終わってみれば、フロアからも次々に手が挙がって発言もとぎれることなく、
講演会としてはいい感じで盛り上がった2時間みっちりとなった。
帰り際、まだ居残って雑談に花を咲かせてる皆さんに向かって、
「ほら、先生お帰りよ~!」って主催者さんが声をかけるや、
いっせいに皆さんから拍手と「ありがとうございましたー
」の合唱。
すごいな、自分。 ぶっつけでもシゴトできちゃうじゃん。
夏の蒸し暑い日にワンピースで仕事に行けるのだけは、
働く女性の特権だなと思う。
照りつける太陽の下、大汗をかきながら、
首も手首もウエストも締め付けてフル装備の長そでスーツ姿の男性をみると、
すごーく気の毒になる。
上から下まで風通し良くすーかすーか爽やかにいられるワンピースが、
上着とスカートのスーツよりも格上の“きちんとした格好”であることに、
猛暑日のたびに感謝している。
本日も、もう十年来この季節の定番の、
ネイビーのワンピースできりりと出勤。
わあ、すごく素敵なワンピースですねーという声に、
普段着だよ~と答えても、どうもにわかに信じられない様子。
「ホントですか~? どちらでお求めに?」って念を押されて、
即答したら、重ねてビックリされた。――えっとね、ダイエー碑文谷店のセール。
肌触りがさらさらしてて涼しくて、
洗濯機でじゃぶじゃぶ洗えて、アイロン要らず。
あらたまった場所に着て行ってもバッチリの、百点満点の“普段着”です。
ちかごろ、同僚が自分に対して抱いているイメージを、
こうやってガラガラと無残に打ち砕く、ということに精を出している。
前に千円で買ったスカートはいて行ったときも、
「カッコイー♪」「どこで買ったんですか?」って訊かれてそのまま答えたら、「え! ヒイラギさん、“しまむら”なんて行くんだ・・・」
ええ行きますとも。
大事な会議のときはバーバリーのスーツだけどね。
上の世代は次の時代を担う世代へ未来を託すのだ、
というリーダーシップ論の本を読み終わったところ。
とても、胸にストンと落ちる内容の本だったので、
じっくりじっくり読んでいたのだけど。読み終わって、ハタとわが身を振り返る。
中間管理職世代ゆえ、上なのか次を担うのかは微妙なとこだが。
仕事では、幸福なことにリーダーシップ全開の上司に恵まれてやってきた。
託されつつあるんかなあ。。。って感じる場面もたま~にあると思う。
問題は、芸の道のほうだな。
師匠から課される課題は、どうも自分の可能性を超えている気がする。
師匠が求めている未来を、きっと自分は見せられていないって気がする。
たぶんここで、徹頭徹尾、自分に厳しくできるかどうかなんだな。
もっともっと強くならなくちゃいけないんだな。 ゾロみたいに。
※参考文献:「ルフィと白ひげ 信頼される人の条件」(安田雪著・アスコム刊)
色んなところの仕事をちょっと今いっぺんに進めてたりするので、
平日はめいっぱい仕事に追われてる感じで楽器を触るイトマがなく。
と、いちおう言い訳をしておいて。
お昼ごろから練習開始。
今日はお箏はちょっとだけ。
とにかく触る回数を重ねないとガンとして上手くなれない三絃の特訓が本日のテーマ。
玉にキズなのは、お箏に比べて疲労が激しいことかな。
一回30分くらいが忍耐のマックス。
練習→休憩
→練習
を何度か繰り返したところで、
急に思い立って休憩代わりにベランダ活動開始。
驚きの発芽率で混雑気味のプランターのひまわりくん一家を、
とりあえずプランター2つと植木鉢1つに離散させて。
ついでに長年の懸案事項だったサボテンくんとパーティードレスちゃんを、
それぞれ2回りぐらい大きめのエコポットにお引越し。
あー働いた働いた、って思って部屋に入ったのが午後4時過ぎ。
念入りに手を洗って、とどめに練習→休憩
→練習
を2~3回ぐらい。
やっぱり三絃ばっかりだと、えらくお腹が空くなーと思ったら、
よく考えたら今日はお昼ごはんを食べてなかった。
よし。
明日のお稽古にそなえて、夜のデザートはぴちぴちピーチだっ♪