急な不幸があって、職場からそのまま駆けつけることになった。
むろん平服だけど着替えに帰る時間の余裕はない。
普段から地味な服装だからとりあえずよしとする。
急ぎの仕事を手早く片づけて職場を出る。
広い車寄せにたまたま停まっていたのは白くて大きな乗り合いタクシー。
先客が乗っていたので富田靖子にうり二つの女性ドライバーにもう1人乗っていいか交渉する。
にこりとも笑わずにまぁいいけど的なトーンで了解されて後部座席に乗り込む。
先客のコースの途中でも目的地でもいいからJRの駅に1時間以内に着きたいと頼み込む。
片側二車線の道路を走り始めたものの目の前は絵にかいたような渋滞。
ところが富田靖子、華麗なアクセルワークとハンドルさばきで車幅ぎりぎりの隙間をすいすいと追い抜き走行。
あっという間に着くのかと思ったらぷいっと脇道へそれる。
さびれた裏通りに立っていたギャル風の女性客をピックアップ。
大きな瞳のギャル風は後部座席のど真ん中にすっぽりはまるみたいに乗り込んでくる。
そのまま裏道を迂回して路面電車の線路に沿って昔風の木の柵が見える通りに出る。
今度はすり抜ける隙間もない程度に前も横も詰まっている。
「大丈夫、もう少しで●●駅に着きますから。」
聞いたことがあるようなないような駅名を耳にしてなぜか田端駅は近いかと問うてみる。
左の方を指さしながら「田端? うん、田端は向こう方向に歩けば。」
田端まで走るか、JRとは交わらなさそうな●●駅で自分も降りるか。
迷いながら腕時計に目をやると、ハハとの約束の時間まで残り20分。
ええい、降りよう! ●●駅が何線の駅だったかは降りてから考えよう。。。
というところで天井を見上げる。
昨夜は目覚ましをかけなかったなと思い出してスマホを開くと9時半過ぎだった。
ディテールというディテールがことごとく微妙なリアリティ。
いったいぜんたい何のお告げの夢だ。
職場のデスクトップPCが使い物にならなくなったまま、
今年ももう3分の2が過ぎようとしていますです。
PC1台買い替えるというだけでこんなに時間がかかるのだなぁ、お役所的な組織では。
そのうえ。
やっとのことで発注にこぎつけた新しいデスクノートPCが届いて、
とどめに財務課まで自分で引き取りに行くなんていう手間をかけさせられたのが今朝。
出勤後すぐに引き取ってきて、早速セットアップ開始。
データの移し替えまであらかた終えたのが、午後4時すこし前。
まぁここまでは。
私物ラップトップをカスタマイズして仕事用にしたり、
自宅用にデスクノート新調したり、
ラップトップがクラッシュして買い替えたり。
とにかく今年に入ってずっと立て続けだったせいで、うんざりするほどデジャヴな作業。
ただ今日はここからがちょっと違う。
なにせお役所仕事用の、デスクトップ代わりに働いてもらうためのデスクノートなので、
組織内LANのなかの1台でもあるわけで。
本当にプロが設定したのかと疑るくらいに訳の分からないややこしさの内部ネットワーク接続。
そのセットアップをイントラネットからツールも説明もダウンロードして自分でやれ、
というのがお役所的職場の実態だったりする。
(困ったときに呼ぶと来てくれるSEさんは外部の人というのがまたオドロキであーる)
これから接続設定する新品と、
デスクトップの代わりの内部接続用に貸し出されたのと、
インターネットにしか接続できない私物ラップトップと。
3台並べてなんだかんだ調べながら横目で見ながらあっちからこっちへすったもんだやって、
結局ぜんぶ完了して以前と同じ程度のPC環境が整ったのは午後6時。
ほとんど二週間ぶりくらいに出勤した初日、
見事なまでにPCセットアップ作業一色でなんにも仕事をしなかった、
てことは秘密です。
月曜日にキットを受け取って、
火曜日に検体を提出するときに、
「陰性だったら“明後日”にSMSがスマホに届きます」と念を押されて、
水曜日の午後にスマホにSMSが届いた音がして見てみたら●●様と名指しのメッセージ。
「先日受検されたPCR検査の結果は『陰性』でした。」
あーびっくりした。
もう一回言うよ、あーびっくりした。
親切なのか親切じゃないのか分からない、サービスの迅速化。
そうそう、そういえば。
忘れないうちにメモっておこう。
6か月後のブースターに備えて。
受付開始の数分前に着いたらもう始まってたこともあって、
一回目に輪をかけて、手際よく、要領よく、30分の待機時間を含めても35分くらいで終了。
この区に住んでて良かったわ。
待機中も気分悪くなることもなかったけど、
今回は接種直後から打ったところがピンポイントで表面的に痛かった。
帰宅してからなんとなく左腕だけ体温が高いような感じになり。
ひたすらおとなしくして(夕方ちょいと友人に頼み事で外に出たけど)やり過ごし。
前回同様、翌日になってから頭痛と、夜に向かってじわぁ~っと微熱が上がっていく感じとともに、
ふと気づけば注射痕の周りがぼわーっと赤く腫れて熱を持っていた。
3日目から4日目にかけて微熱と高めの平熱の間を下がろうとしたり上がろうとしたり。
4日目の夜にまず頭痛が治まって、36℃まで下がったのは5日目の朝。
5日目の夜にようやく上腕の腫れが引いて、触っても熱くなくなった。
一回目よりもやや軽い副反応ではあったかな。
今から思うと、上腕の腫れがしつこかったのは、
注射前の消毒綿がアルコールだったからかもなー。
(訊かれたけどなんか魔が差してハイって言っちゃって)
よく考えてあるなとあらためて感心したのは、接種会場の人たちの服装。
医師が白衣なのはともかく、会場内にいる職員さんは全員、白シャツに黒パンツで統一。
たぶん全員が私服なんだけど、たしかにこれなら揃うし、一目でスタッフだと分かる。
スバラシイ。
今回は接種当日が恩人のお通夜で翌日が告別式という最悪のタイミングで、
どちらにも参列かなわずというのが唯一の残念ポイントだった。
というか、これはワクチン接種が残念なわけじゃないんだけど。
本日のプリプリネタはPCR検査の受付さん。
休むという要素が微塵もないまま夏季休暇が雲散霧消。
虚しさ全開で西国行きの新幹線に揺られ、
9日ぶりに到着した駅のコンコースに設置された臨時PCRスポットへ。
受付スタッフの目の前でカタカナ氏名と予約したい検査日を記入すると、
簡単な説明とともに無料の検査キットを渡してくれる。
他人が読みやすいよう意図して書き方のお手本的な字形でカタカナを書いていると、
目の前のスタッフが読み上げながら、
「ア〇〇さんですか?」
と訊いてきた。
態度には出さなかったが、即座にこめかみの血管が切れた。
「ア」かと訊かれた文字は「マ」である。
アかマか判別できないような筆跡ではないことは自他ともに認められているし、
急いでもいないからゆっくり丁寧に書いてある。
読めないはずのない字を訊き返された腹立ちと、
「ア」か「マ」かマスクしたまま答えさせてどうするつもりなのかという主張をこめて、
無言のまま「マ」の字の部分を、力強くゆっくりとなぞって見せる。
「マ〇〇さんですね?」
これ見よがしに大きく肯いて見せる。
氏名を転記したシールが貼りつけられた検査容器を見て余計に腹が立った。
「マ」の字は一応ちゃんと書けているが、
(てことは読めなくて訊いたんじゃねーな、こいつ)
(自分が見慣れない名前だからって、書き間違いじゃないかと疑ったな、こいつ)
(私のことを、自分の名前を書き間違える痛い大人だと思ったのか、こいつ)
「マ」ではなくて「ツ」の字がひどい。
「シ」と「ツ」、「ナ」と「メ」の違いを理解できない子どもの字のよう。
しかし書き手はお役所勤めの40代と思しき女性と来て、無性にイラッとした。
自分の子どもとかいたりして。
宿題とか教えてたりして。
少し前、教え子さんの一人が近況を知らせてきてくれたメールに、
「すばらしき世界」という映画を観たと書いてあった。
この映画を観て、講義で言われていたのはこういうことかと思ったとも。
原案となった小説が文庫本になっているのを見かけて、
ここしばらく通勤と寝る前の時間に読みふけった。
前科10犯、人生のほとんどを矯正施設と刑務所で過ごしたという激しい人生と、
13年ぶりに満期出所して病死するまでの暮らしぶりが描かれている。
ノンフィクションだというのがまた、えも言われぬ迫力を言葉に与えている。
相当読み応えはあるがたしかに時間をかける価値があった。
“生きづらさ”というのはまさにこういうことだとあらためて考えさせられた。
不思議と、主人公に大いに共感する場面も少なくなかった。
それにしても映画版主演の役所広司のインパクトがハンパない。
予告編しか観たことないのに、
読みながら役所広司の顔しか浮かばない。
お気に入りの真っ赤なFujitsuがクラッシュしてからちょうど一週間だった昨日。
入院先にお迎えに行って引き取ってきました。
交換したSSDが起動できればいいだけ、と安心していたところが、
起動確認でフリーズじゃ済まなくてブラックアウトしたらしく。
基板ごと取り換えるしかありませんということになり。
だけど外側がいくらお気に入りでも中身がごっそり別人というのは受け入れがたく。
でも、最期の瞬間まで、データだけはすべて死守してくれたんだね。
ありがとうね。
てことで、使い勝手が絶望的なショボい借り物ノートPC1台を除いて、
てきぱきワシワシ仕事を片づけられる環境のPCが何もなくなったので。
今日は朝から今年度最初で最後の(これだけで予算使い切っちゃうから)物品購入依頼にいそしみ。
帰宅後は「とはいえ持ち歩きノートも無いわけにはいかんよな」と自腹でメーカー直販でポチり。
これってつまり、3か月連続でクレジットカードの支払いが20万超えってことね。
(個人情報隔離のための私用PC購入→本宅エアコンのエコ対応買い替え→仕事用PC私費購入)
泣けるぜ。。。
クラッシュしたラップトップの入院先の担当者は、
以前にも一度お世話になったエンジニアさんで。
おかげで安心して入院させたのが7月28日のこと。
三日目の夕方、そのエンジニアさんからメールで連絡が来た。
SSDの交換とデータの移し替えが終わったこと、
あとは動作確認をしてうまくいけば明日日曜日の夕方には渡せること、
その明日は自分は不在なので別のスタッフが動作確認を引き継ぐこと、
結果について午後3時前後に電話を入れること、
そして最後に修理費用の見積額はいくら、
という必要なことが簡潔に書いてあった。
希望的観測に基づいて前向きに楽しみに電話を待った今日の日曜日。
“午後3時”の30分前ぐらいから耳を澄ませ時折スマホに目をやりながら。
そのまま時計は午後3時を回り、10分過ぎ、20分過ぎ、30分過ぎた。
しびれを切らして外出先から電話を入れた。
受話器を取ったのは、ひと声聞いただけで言葉と人柄の軽さがビリビリ伝わってくる感じの男性。
(心の声で意訳すると、大丈夫かコイツと一瞬で思うくらいの軽薄営業トークキャラ)
SSD交換で預かってもらってるとまで言い添えてこちらが名乗っても、
電話の向こうで(え? 何だっけ、そんな案件あったっけ?)とバタバタしてる気配。
午後3時には電話をもらえるという話だったがどうなっているのか、というのを、
オブラートにくるんで尋ねたら、動作確認が明日の午前中までかかる、という返答。
この時点ですでにヒイラギ心中は(ほんとか~?)と(うそつけー!)の乱舞。
食い下がっても得意のうすっぺら営業トークで“明日の午前中までかかる”を繰り返し、
さらには、場合によってはもう一日二日預かる、とまで言い出した。
百歩譲って、明日の午前中まで動作確認が続くのはしょうがないとしよう。
で? なぜそこまでで黙る?
「あっ、じゃあ、明日、動作確認の後で電話しましょうか?」
電話しましょうかじゃねえよ
動作確認終わりましたか、それでどうなりましたか
って頃合いを見計らって客の方からいちいち訊くのかよ
電話を切ってからデパ地下で買い物して帰る車中で、スマホに着信。
何の用かと尋ねると、PINコードだけじゃなくてパスワードも教えろと。
そんなの今すぐ分からない(分かったとしても公衆の面前で電話で答えていい話でもない)から後で、
と言って電話を切ったのだけども。
イヤこの質問すらもほんとに必要なのかと疑ってしまって、
明日、元のエンジニアさんにメールで確かめてみようと決意している日曜の夜なのであった。
誠実な話しぶりって大切ね。
耳で聞いただけで人間的に信用できないと判断されたりするのよね。