早や7月も最後の朝。
目覚めたら切なかった。
というか、久しぶりに見た夢が、
われながら切なかった。
知っている人も知らない人もたくさんいるような場所で、
なぜか突如として、顔の右半分がだぁーっと垂れ下がる。
誰にも見られないうちに鏡のあるところに行ってみたら、
視界はカンペキなのにまぶたが腫れあがって両目とも閉じてるみたいになってる。
これは大変だ病院に行かなきゃと外に出て通りをずんずん歩いてくけど、
頭の中では、はて、どこに向かえばいいんだっけと考えている。
思い浮かぶのはいつか通ったことのある病院やクリニックの名前ばかり。
ああ、でもここは東京じゃないんだよと、それでも歩く足は止まらない。
そのうち大きな声で泣き出してしまう。
「おうちに帰りたいようー、おうちに帰りたいようー」
べつにこっちで辛いことがあったわけでもなんでもないんだけど。
しいて言えば、しばらく帰れてなくて、iPad miniを取り戻せてないのと、鍼と美容院に行けてない。
添付の書類に記入していついつまでに出してくださいって言われたとして。
メール来たのが火曜の夜で読んだのが水曜朝、
返信期日が次の火曜になっていて、
目の前の予定が木・金・日が出張&土曜が演習講義とかだと、
よっぽど面倒なことでない限りその場で記入して返送しちゃいますわな。
「早々にご記入いただきまして」と確認の返事をもらったりすると、
ここの人たちってすごく丁寧なんだなー、と、これまでは思ってたんだけど。
イヤ、もしかして、本当にものすごく“早々”だと思って驚いてるんじゃないか、
って気がしてきた今日このごろ。
たとえば。
ある月の10日過ぎくらい。
文房具を買い足したいと思って、
伝票持って担当課の事務職員さんのところへ。
――すみません、物品購入をお願いしたいのですが。
「お急ぎでしたら“至急”で発注かけましょうか?」
――いえいえ、来月の頭くらいに使いたいので、今月中くらいに届いてれば十分です~
「今月中ですね、じゃあ“至急”ってことで早速発注します!」
お?
おおお???
えーと。
海外発注とかじゃなくてその辺でいくらでも売ってるポストイットとかなんだけど、
三週間以上まだまだ時間あるんだけど、
それでも“至急”なんすかね?
いいんすかね?
ま、いいならいいんですけど。
ならでは、なスピード感ね…
一週間前にゆかたざらいを終えたばかり。
お稽古に通うにもリハーサルに参加するにも新幹線で片道4時間という、
物理的にも時間的にも経済的にも圧倒的なハンデを負いながらの芸能活動なのだが。
尊敬する人を疑うということを知らない芸能人ヒイラギは、
みごとなまでに戦略的な師匠の話術にふたたびみたびまんまとはまり。
秋口にもちょいと一曲、演奏に参加することになり。
しかしこれがまた。
参考にできる音源が何もない曲だったりするので、
地道にいただいた譜を解読していくしか予習の術がないときた。
ええハイわかってます。
ぜひともその曲を教えていただきたいので演奏会に出ます、
と口走ったのはほかならぬ自分であります。
自分の言動に責任を取れるオトナになりましょうね。
自分が要領悪くぱたぱたしているのと、
周りの先生方が売れっ子的に多忙なのとで、
帰国して二週間近くなってようやく欧州土産の整理を始め。
今回メインの目的地はベルギーだったので、
まあふつうに考えて土産はチョコレートだなという感じではあったのだけど、
とにかく“村”だったこともあって滞在中は張り切って持ってったユーロもほぼ遣わず。
結局ほとんどの経済活動は帰る日に通過した2つの空港だったりして。
ブリュッセルとヘルシンキ。
ヘルシンキて、ベルギーぢゃないし。
しかも。
ブリュッセルは荷物預けもオンラインできなかったチェックイン客もダブルブッキング客のクレームも、
あらゆる受付業務がぜんぶ一緒くたでむちゃくちゃ能率悪く、
出国審査を済ませて遠くのゲートまで移動して登場開始まで30分かそこらしかない中での買い物。
いくらなんでも一週間も休暇で海外行ってて手ぶらで帰国はないだろうと、
それはそれはものすごい勢いで免税店のチョコ売場を荒らし、
ついでに初めて見たきれいなお菓子を一袋だけお試し気分で買ってきた。
それがこちら。
ラベルに書かれている菓子名は「LOKUM」
ググってみるとそもそもトルコの伝統菓子で激甘なものらしい。
こういうときにこういう職業は便利だとばかり、学生諸君を実験台に試食。
こわごわ1つずつ手に取って口に入れた瞬間、みんながみんな、
「おっ! これめちゃくちゃ美味い!!」
それを聞いて自分でもようやくぱくり。
たしかに。
なんともいえない上品なよい香りとほどよい甘さがお口の中に広がる感じ。
ゼリー菓子のように見えるけど、和菓子の求肥みたいにぷにゅんと弾力があって柔らかい。
これは美味しい。
大人買いしてくればよかった。
ブリュッセル空港に行く機会があるかた、おすすめですよん~♪
池坊のお免状をお持ちの知り合いから鑑賞券をいただいてたこの映画。
どんなにスケジュール帳をためつすがめつしても、
いよいよほかに選択肢がないことが判明したので、
なんと突然「今日の午後は休みますー」という横着をして映画館へGO。
終映まぢかとはいえ平日の午後3時過ぎ。
ほぼ貸切か?と思いきや、意外にそこそこ座席は埋まっていて、
若干の“敬老の日”感につつまれつつ、
映画とコラボのフラワーソーダなど飲みながら鑑賞してきました。
主演が主演ゆえ、どこか『のぼう』っぽさを求めてる自分がいて、
なかなか入り込めなかったというのは完全に個人的な都合だけど、
それを差し引いても、なかなか物語に感情移入できにくかったもので、
友人なら、どんなシナリオを書くだろうか、などと思いながら観ていた。
クライマックス部分はさすがに伝わってくるものがあったのだけど。
そこに至るまでの大半、どうにも話が流れなかった。
展開の脈絡のせいか。
みんな京都弁がなってなくて気になっちゃったせいか。
なんだろうな。
ヒマができたら、原作読んでみようかな。
京都弁てことでは。
唯一きっちりしゃべれるはずの人が前田利家役で標準語だったのは、
何か意図あってのことかしらん。
すとんと腑に落ちない事柄は、
理解することをオートで拒む体質のヒイラギです。
ひとーつ。
〝かんせつけいひ〟ってなんだろう。
外部資金トレトレ言われていざ獲ってみたら、
申請書を少しだけ違うレイアウトと事務屋さんの言葉遣いにした学内様式にコピペして、
当の申請書のコピーと一緒に出してくれれば決裁に回すといふ。
サインもハンコも要らないならそれは。
プロの事務屋さんたちがやってくれることじゃないんか。
そういうテマヒマの分〝かんせつけいひ〟てのを上乗せしてあるんじゃなかったんか。
自分で働いて稼いだお金を自分でATM操作して引き出したいだけなのに、
やれ時間外だのなんだの手数料払えやーというアコギな濡れ手で粟ビジネスと、
まるきり同じニオイがすると思っているのはヒイラギだけだろか。
ひとーつ。
エチゴヤ、おぬしも堕ちたのう。
現地で買った瑞西国のウォッチを愛用しているのが、
昨日とつぜん気が付いたら10分ぐらい遅れていてそしてそのまま動いている様子で、
そろそろ電池切れかとエチゴヤ西国支店に行ったところ。
当店でお買い上げのものでないのなら、
この近くのこれこれこういう時計店をオススメしています、
と地図を指し示しながら体よく断られたのだが。
当店でお買い上げだったら3000円のおもちゃ時計でも電池交換できて、
お瑞西の高級メイカー本店でお買い上げの時計は電池交換できませんて、
そりゃアンタどないやねん、と。
お江戸日本橋の本店でも、銀座でも、
きっちり預かって、電池交換して、中のお掃除までして返してくれたんだけどなぁ。
それがエチゴヤさんのプロフェッショナリズムではなかったんか。
なんかイロイロ残念な世の中になってきた。
失くした失くしたと大騒ぎしたiPad miniくん。
なんと。
帰って来まーす♪
やるなぁフィンエアー。F
そして、念は押してみるもんだなー。
なんだか今回の渡欧は色々と。
まずは往きのフィンエアーが搭乗開始からもうずるずる遅れて、
結局テイクオフは予定より1時間近く遅くなり。
そのまんまの勢いで当然、乗継便も遅れ。
空港から滞在予定の“村”(なのだなこれが)までの列車も連絡悪く。
さらにはホテルがまた容易には発見できないロケーションにあり、
ようやくチェックインできたのが現地時間で夜10時半過ぎ。
いくら緯度が高いったって、ぼちぼち暗いよ寒いよこわいよになるところだった。
だけど最大の事件は、この遅れた乗継便でのこと。
乗って、降りて、荷物を引き取って、外に出てきてハタと。
iPad miniがない。
久しぶりの長時間フライトでいつもの偏頭痛が出てしまい、
けっこう朦朧としてたせいかどこにどう置いてきたのかまったく記憶にない。
だけど論理的に考えて座席のフロントポケットに入れたままとしか思えない。
すぐさま航空会社にブツの詳細とともに連絡するも、結局紛失。
ラップトップも持ってたし元々予備兼遊びのモバイル端末として使ってたものだし。
諦めはつく――ようなつかないような。
おかげでそこから先はとにかく物を失くすことはせずに済んだけど、
帰りの荷造りも完了して最後にスーツケースの中袋のファスナーをスーッと閉めたらつまみが崩壊。
なんだかなー
なんだかなー
まあそんな旅でしたよ今回は。